西さんとメイアンのお話です。
ほのぼのな西さんとメイアンのやり取りを書きたくて…
ツンデレさんな西さん可愛いです←
*attention*
西さんとメイアンのお話です
本家Laurentia!(学パロ)設定でのお話です
ほのぼのなお話です
ツンデレ猫さんっぽい西さんが書きたくて…←
学校ではツンツン、家では少しデレる西さんならいい
メイアンは西さんをこういう風に扱うと思うのです(^q^)
勘がいいのか悪いのかわからないメイアンにやきもきな西さん
相変わらずの妄想クオリティ
ナハトさん、本当にすみませんでした!
以上がOKという方は追記からどうぞ!
すっかり日も暮れた学校。
慣れた馬術部の部室で帰り支度を終えた西はふぅ、と息を吐き出した。
そして鞄を持ちながら、くるりとうしろを向く。
「じゃあ、お疲れ様です遊佐さん」
お先に失礼します、と西は言う。
そんな彼にひらりと手を振りながら、遊佐は言った。
「お、お疲れ様。
今日は少し遅くなったし早く帰れよ」
"恋人が心配するだろー?"と言いながらにやり、と笑う西。
それを聞いて彼はかぁっと顔を赤く染めた。
「ば、馬鹿なこと……っ」
もういい!
そういって西はさっさと部室を出ていく。
そんな彼の背を見送って、遊佐は小さく笑っていたのだった。
***
そうして部室を出て、バイク置き場に向かう。
正式に言えば学校にバイクで通学するのは校則違反。
よって、彼のバイクが停めてあるのは職員用の駐輪場なのだけれど。
教師も殆どかえってしまったのだろう。
そこにいつもならんでいるバイクや自転車は殆ど無くなっていた。
そんなところに立つ一つの影。
それを見て西は一瞬足を止める。
しかしすぐに表情をほころばせてそちらに足を進めた。
「メイアン」
そこに立つ影の名を呼ぶ。
するとぱっと顔を上げた様子の彼……メイアンが西の方を向いた。
「西、お疲れ様。
今日は随分遅かったのね」
そういってメイアンは微笑む。
西はそんな彼の方へ少し足早に向かうと、"遅くなって悪い"といった。
「今日はちょっと部活が長引いたんだ……」
「そう。多分そんなことだろうと思ってたわ」
大丈夫よ、とメイアンは微笑む。
西はそんな彼にヘルメットを渡した。
メイアンはそれを受け取りながらふぅ、と息を吐き出す。
そして、彼に言った。
「部室に様子見にいきたかったけど西が駄目だっていうから……」
少しむくれたような顔をするメイアン。
それを見て、西は幾度か瞬きをする。
それからぷいとそっぽを向きながら言った。
「駄目に決まってるだろ……」
小恥ずかしい、と西は呟く。
メイアンはそんな彼を見ながら、言った。
「なんでよ?
西が一人で部室に居る時はいいじゃない」
そういってメイアンは唇を尖らせる。
西はその言葉にうっと詰まった。
視線をあちこちに彷徨わせつつ、彼は言う。
「そ、れは……
またからかわれるから!」
西はそういう。
彼の頬は真っ赤に染まっている。
部活なんかにメイアンが来れば、遊佐にからかわれるのは間違いがない。
だからやめろと西は彼に言っているのである。
メイアンは彼の言葉にむぅ、とむくれた顔をした。
そして、がばっと西に抱き付いた。
「じゃあ、今はいいわよね?部活終わったんだもの」
そういってぎゅっと西を抱きしめるメイアン。
彼の行動と言動に、西は動揺した表情を浮かべる。
「な、何言いだすんだよ……!
っつーか、まだ学校だろ!!」
離れろ!と西は声を上げる。
べりっと引っぺがされたメイアンはむくれた表情で抗議した。
「何よぅ、もう殆ど誰も居ないじゃない」
「誰もいなくてもいるかもしれないだろ!」
だからやめろ!と西は言う。
それを聞いて、メイアンは唇を尖らせる。
「もう……」
西は相変わらずねぇ、と声を上げる。
西はそんな彼の様子にむくれたような表情を浮かべつつ、ぷいとそっぽを向いた。
「い、良いから帰るぞ!」
早くしろ!と西はメイアンに言う。
メイアンははいはい、と返事をしながら西のバイクの後ろに乗って小さく息を吐き出したのだった。
***
それから二人はいつも通りに西の家に帰った。
メイアンは彼のために食事を用意して、一緒に食事をとる。
「御馳走様ー」
そういって食器を下げる西。
食器を洗っていたメイアンは一瞬ふり向いて、西に微笑む。
「そう。ならよかったわ」
お手伝いありがとうね。
そういうとすぐに食器洗いに戻ってしまう。
彼にしては珍しい反応に西は驚いたような顔をする。
いつもならばもう少し、なんらかのアクションがある。
明日のごはんは何が良い?とか、今日のこれは美味しかったかしら、とか……
そういったことが一切なしに食器洗いをするメイアン。
彼の様子を見つめながら、西は彼の名を呼んだ。
「……メイアン?」
「んー?なぁに?」
やはり、あっさりとした返事が返ってくるだけだ。
メイアンは食器から顔を上げようとはしない。
そんな彼は、何だかいつもと違っていて……
―― ああ、そうか。
自分に構おうとしない。
それがいつもと違うのか、と思う。
西は顔を顰める。
そして少しだけ躊躇ってから、メイアンの腰に腕を回した。
「っきゃ、何?」
驚いた顔をして振り向くメイアン。
西はそんな彼をじっと見上げる。
メイアンはそれを見つめた後、ふっと息を吐き出して、作業に戻った。
「いきなり抱き付いたら危ないでしょー」
まったくもう、と呟くだけの彼は、やはり西に構おうとはしない。
そんな彼の反応に西は瞬きをした。
やっぱり、おかしい。
……こんな風に、自分を放っておくなんて。
おかしいと思うと同時。
何だか、つまらないし、腹が立つ。
「……メイアン」
ぎゅう、と腕に力を込める。
自分が逆にやられたらへたり込むレベルだ。
メイアンは腰を掴まれるのはそこまで弱くないのか、平然としている。
「もう、何なのよ」
変に甘えん坊ね、とメイアンは呟くように言う。
それを聞いて、西は溜息を吐いた。
「……何で無視するんだよ」
ぼそりとそう呟く西。
メイアンはそれを聞いて少し驚いたように振り向いた。
「別に無視してるわけじゃないわよ?
西が私にべたべたされるのは嫌なのかなぁ、と思って」
少し放っておこうかなぁって。
そういいながら、食器洗いを続けるメイアン。
西はそんな彼の発言に金の瞳を瞬かせる。
そしてむくれた顔をしながらメイアンの肩に顔を乗せる。
「……お前って頭良いんだか悪いんだかわかんねぇ」
「な……いきなり先生に向かって何なの?」
失礼な子ねぇ、といいながらメイアンは手を拭く。
どうやら食器洗いが終わったらしい。
西はそんな彼を恨みがまし気に見つめた。
「……察しろよ、馬鹿」
そういいながら西はぷいっとそっぽを向いた。
その表情は何所か寂しげで、メイアンは緑の瞳を瞬かせる。
「学校じゃ、誰かに見られるかもしれないけど……
今は、絶対誰も此処に来ない、だろ……」
二人きり、なんだから。
そう呟く西。
メイアンはそれを見つめて目を細めた。
彼が言わんとしているのは……
今は二人きりなのだから構え、ということだろう。
そう思いながら、メイアンはふっと微笑む。
「……案外甘えん坊ね」
そういいながらメイアンはそっと西を抱きしめた。
そんな彼の温もりを感じつつ、西はおとなしく彼の腕に収まる。
今下手に動いたらまた放っておかれる気がして……
「……寂しがりやね、西」
「煩い。
それはメイアンの方だろ……」
せめてもの抵抗のようにそういい返す西。
メイアンはそんな彼の様子に穏やかな表情を浮かべながら、優しく西の頭を撫でた。
「ほんとに西って猫みたい」
構えば逃げるのに放っておいたら拗ねて。
本当につかめなくて、そんなところが可愛いわ。
そういいながら優しく西を撫でるメイアン。
彼の優しい手を感じながら、西はおとなしくしていたのだった……――
―― Wild cat… ――
(まるで野良猫のような、愛しい彼。
凛々しく、それでも何処か寂しがりやで…)
(構えば逃げるのに放れば拗ねる。
そんな彼の扱いには未だに慣れてはいないわねぇ…)