シュタウフェンベルク兄弟&シュヴァイツァーさんなお話デス。
たまにはこういうお留守番もするのかな、と思いまして…
でもやっぱり仲良しな兄弟好きです(笑)
*attention*
シュタウフェンベルク兄弟&シュヴァイツァーさんなお話です
本家Laurentia!(学パロ)設定でのお話です
ほのぼのなお話です
ペルのお留守番な話です
シュヴァイツァーさんと一緒におうちのお手伝い!
お買い物に一緒に行ったときこういう事してほしい←
そしてお兄様たちといるペルはどうにも周囲に花が咲いてます(笑)
相変わらずの妄想クオリティ
ナハトさん、本当にすみませんでした!
以上がOKという方は追記からどうぞ!
賑やかなマンションの一室。
そこはシュタウフェンベルク家。
いつもは兄弟四人揃ってばたばたと学校に行く支度をしている頃なのだが、今日はいつもと少し様子が違う。
制服を身に付けているのは兄たちだけ。
弟であるペルは私服を身に付けていた。
「ペルだけが学校休みとはねぇ……」
そうぼやくのは長兄……ベルトルト。
彼の言葉を聞いて、彼の双子の弟であるアレクサンダーも溜息を吐き出して、言った。
「俺たちも休みなら一緒に出掛けられたのにねぇ……」
そういいながら、アレクサンダーは鞄を手に取った。
そう。
今日は、ペルだけが学校が休みなのだ。
ほかの兄たちは普通に学校に行かなければいけないというのに……
しかし、まさか学校を休むわけにはいかない。
否、正式に言えば兄たちは休んでペルと一緒に居るといっていたのだけれど、ペルがそれを断った。
自分はちゃんとお留守番出来るから大丈夫、と。
ペルだって兄たちと一緒に居たいとは思っていたけれど、そんな自分の我儘で、兄たちを休ませるわけにはいかない。
そう思って、ペルはそういったのだった。
そんなこんなで、兄たちを見送る時間。
ペルは玄関まで学校に向かう兄たちを見送りに来ていた。
「お留守番、頑張る……」
いってらっしゃい、というぺるはやはり少し寂しそうだ。
しかし、けなげに笑みを浮かべる彼。
それを見てベルトルトは穏やかに微笑む。
「うん、頑張ってね?」
なるべく早く帰ってくるからね、と彼は言う。
そんな片割れの手の上からわしゃっとペルの頭を撫でて、アレクサンダーも言う。
「シュヴァイツァーはいるから、何かあったら言うんだぞ」
困ったことがあれば、いや、なくても。
アレクサンダーはそんなことを言う。
ペルはその言葉に苦笑しつつ、いった。
「わかった……」
こっくりと頷いてそういうペル。
それを見て三男……クラウスは少し微笑んで、彼の頭を撫でた。
そして、穏やかな表情で彼に言った。
「よし。じゃあ俺たち学校行ってくるからな」
そういいながらドアを開ける彼ら。
それを見て、ペルは長い袖に隠れた手をひらひらと振った。
「いってらっしゃい」
「送っていきましょうか?」
ペルが手を振ると、シュヴァイツァーは兄たちに問いかける。
それを聞いて、ベルトルトは首を振った。
「いや、いい」
「ペルを見ていてやってくれ」
アレクサンダーもそう言う。
そんな彼らの発言にシュヴァイツァーは呆れたように苦笑した。
ベルトルト、アレクサンダー、クラウスのブラコン具合は相当だ。
否、ペルもではあるのだけれど……
「はいはい……」
了解いたしました、というシュヴァイツァー。
その言葉を聞いて兄たちはドアを閉めた。
閉まるドアをじっと見つめて少し寂しげにしているペルをシュヴァイツァーは見た。
やはり寂しいのだろう。
この子も大概ブラコンだから。
そう思いながら、シュヴァイツァーはぽん、と手を叩いた。
その音に驚いてペルが顔を上げる。
「さて……何をしましょうか」
そういってシュヴァイツァーは少し微笑む。
そんな彼の言葉を聞いて幾度か瞬きをしたペルは気合を入れたように言った。
「お手伝い、する……」
黒い瞳を輝かせてそういうペル。
シュヴァイツァーはそれを見て穏やかに微笑んだ。
「お願いしますね」
シュヴァイツァーがそういうとペルはこくりと頷く。
一番なついているのは兄である彼らだが、お手伝いとしてこの家にいるシュヴァイツァーにもペルはなついていた。
とりあえず二人はリビングに戻る。
そして、シュヴァイツァーはよし、と小さく声を上げてから、言った。
「じゃあまずはお掃除からしますかね」
「はい」
こくん、と頷くペル。
真剣そのものの表情を見て、シュヴァイツァーは思わず噴き出した。
あぁ、おそらくあの兄弟が見たらまた可愛い可愛いと騒ぐのだろう。
ベルトルト、アレクサンダーはペルが来る前から末っ子であるクラウスに対してああだったから想像が付くとはいえ……
たまに抜けたことを言う節があったとはいえ比較的冷静なクラウスでさえ、この少年に対しては甘々も良い所だ。
そんなことを考えるシュヴァイツァー。
ペルはきょとんとして首を傾げる。
「シュヴァイツァー、お掃除、僕は何所をすればいいの?」
「え?あぁ、すみません。
じゃあ、自分のお部屋とお兄様たちのお部屋をお掃除してきてくれますか?
掃除機は、これですから」
それくらいなら出来るだろう。
三人とも掃除機がかけられないほど部屋を散らかすことはないし。
そう思いつつシュヴァイツァーが言うと、ペルはこくんと頷いて、掃除機を持っていった。
普通のサイズの掃除機なのだが、ペルが持つと何だか大きく見える。
そんなことを思って苦笑しつつ、シュヴァイツァーは朝食の皿の片づけを始めたのだった。
***
「ん、しょ……よいしょ」
ペルは一生懸命に掃除機を運んだ。
そして、スイッチを入れて、床に掃除機をかける。
シュヴァイツァーの予想通り、床の上に何かが投げっぱなしなんてことはなくて掃除しやすいのだけれど……
「結構重たい……」
ペルはそう呟いて溜息を吐き出した。
そして、一度掃除機を置く。
そのままぐるりと見渡した。
「よし、綺麗……」
ペルはそう呟いて、満足そうば表情を浮かべる。
これが最後の部屋……自分の部屋だ。
兄たちの部屋にも丁寧に掃除を終わらせた。
「これで、よし」
ペルはそういうと掃除機を持って、シュヴァイツァーがいるリビングに戻った。
シュヴァイツァーは食器洗いを終わらせて、リビングの片づけをしていた。
「シュヴァイツァー、終わった」
ペルがそういうと、シュヴァイツァーはふり向いた。
そしてにこりと笑いながら、言う。
「ありがとうございます、綺麗になりました?」
そう首を傾げると、ペルはこくんと頷く。
シュヴァイツァーはそれを聞いて穏やかに微笑む。
「そうですか、ありがとうございますペルさん。
じゃあ、次は……お買い物に行きますかね」
そういってシュヴァイツァーは片づけを終えた。
ある程度終わっていて、ちらちらとペルが仕事を終えるのを窺がって待っていたのだった。
ペルはシュヴァイツァーの言葉に嬉しそうに笑う。
"お買い物、お手伝い……!"とはしゃいだ声を上げたのだった。
***
そうしてペルはシュヴァイツァーと買い物に出かけた。
兄たちと行くことはよくあるが、シュヴァイツァーと行くことはあまりない。
それは何だか新鮮で、ペルはわくわくしていた。
「シュヴァイツァー、何買えばいい?」
何もって来たら良い?とわくわくしたように問いかけるペル。
それを聞いて少し悩んでから、彼は答えた。
「じゃあ、卵を。
私は野菜を見てきますから」
「わかった」
ペルはぱたぱたと卵のコーナーへ走っていった。
そして卵を選んでくると、シュヴァイツァーのところに帰ってくる。
そして、目を丸くした。
ちょうどその時彼が選んでいたのは、ペルが大嫌いな野菜……人参で。
途端にペルは渋い顔をする。
「シュヴァイツァー、卵、持ってきた」
そういって差し出しつつ、ペルの目は人参にくぎ付けだ。
シュヴァイツァーは卵を受け取りつつ微笑む。
「ありがとうございます。じゃあ次は……」
そう言って彼が周囲を見渡したその隙に、ペルは人参をさっと取った。
これを返してきてしまえば、使いようがあるまい、と。
抜き足、差し足。
そっと人参を返しに行こうとすると同時。
「なーにしてるんですかペルさん」
首根っこを後ろから掴まれた。
……捕獲完了である。
「うぅうう……」
「唸っても駄目ですよ。
ほら、人参返しにいかない」
シュヴァイツァーはやれやれ、と肩を竦めた。
そして人参を籠の中に返す。
唸っても駄目です、といいながらシュヴァイツァーは歩き出した。
「人参使うの?シュヴァイツァー……」
「そんな泣きそうな声を上げてもだめですよー」
帰りますよー、といってシュヴァイツァーは歩き出す。
ペルはむぅうと頬を膨らませつつ、彼についていったのだった。
***
「ただいまー」
夕方。
兄たちが学校を終えて帰ってきた。
なるべく早く帰るという言葉通りに、彼らは学校が終わるとすぐに帰ってきたようだった。
「お帰り、兄さんたち!」
ペルはぱたぱたと彼らの方へ駆け寄った。
そしてぎゅっと抱き付きながら、彼は得意げに言う。
「今日、お手伝いたくさん頑張った……!」
嬉しそうに、ペルはそういう。
それを聞いて抱き付かれているベルトルトは目を細める。
そして彼は優しい声で言った。
「そっかぁ、偉いねぇ」
よしよし、とベルトルトは頭を撫でる。
それを感じてペルは目を細めた。
「でもペルさん、買い物行った時に人参返そうとしたんですよー?」
シュヴァイツァーは兄たちに言う。
ペルはそれを聞いて目を見開いた。
「シュヴァイツァー!なんで、いっちゃうの」
むぅう、と頬を膨らませるペル。
それを聞いてシュヴァイツァーは"事実でしょうが"と笑う。
「あー、ちょっと悪い子だったんだな??」
アレクサンダーはそういってくすくすと笑う。
クラウスも"ペルは本当に人参が嫌いだよなぁ"と呟く。
それを聞いたベルトルトはくすくすと笑いながら、言った。
「そっか、じゃあ今日の夕飯はステーキに人参グラッセの付け合わせ、野菜スープだね」
そういって小さく笑うベルトルト。
ペルは彼の言葉に大きく見開いた後、言った。
「ううう……ベルトルト兄さんなんか嫌い!」
そういうペル。
ベルトルトはくすっと笑いながら、言った。
「ペルが嫌いなのは僕じゃなくて人参でしょ?」
そういって首を傾げる兄。
それを聞いてペルは視線を瞬かせて、俯いた。
「それは、そうだけど……でも僕、頑張ったもん」
「ふふ、それは分かってるよ」
偉かったね、とベルトルトはいう。
ペルは彼の言葉に嬉しそうに目を細めた。
「頑張った!」
「良し、じゃあ今日はペルが大好きなオムライスにしようか」
「お。久しぶりにいいねぇ」
「私も手伝おう」
そんな、賑やかな兄弟のやり取り。
それを見つめて、シュヴァイツァーは"相変わらずですねぇ"と呟いて笑ったのだった。
―― 一緒が一番! ――
(たまには、お留守番でのお手伝いもいいけど…
やっぱり、兄さんたちと一緒にいる方がずっとずっと楽しいよ!)
(無邪気に今日の成果を発表する可愛い弟。
今日はそんな彼にご褒美をあげようか)