西さんとメイアンメインのお話です。
恋人と何かを交換してるの、いいですよね←
*attention*
西さんとメイアンメインのお話デス
本家Laurentia!(学パロ)設定でのお話です
ほのぼのなお話です
西さんとメイアンでペンを交換
恋人とペンを交換して嬉しそうな西さんを書きたくて…
そしてそれをからかわれるのも可愛いなって(笑)
メイアンは何か乙女趣味っぽい←
相変わらずの妄想クオリティ
ナハトさん、本当にすみませんでした!
以上がOKという方は追記からどうぞ!
黒板の前に立っている綺麗な金髪の男性……メイアン。
黒髪の少年……メイアンはチョークを片手に笑顔で授業をする彼をじっと見つめていた。
「ほら、この試薬を入れると変化がわかるようになるでしょう?」
そういいながら微笑むメイアン。
化学の授業。
一部化学が苦手な生徒たちは寝入ってしまっているが、西は真剣に授業を聞いていた。
基本的には満足に授業を聞くこともなしに過ごしている西。
授業をさぼって屋上や空き教室に逃げることもしばしばな彼だが……
交流授業の時のメイアンの化学の授業だけはサボることなく受けているのだった。
メイアンの授業は普通に面白いと思う。
それに何より……
彼は西にとって、大切な恋人なわけで。
「じゃあ、演習問題ね。
さっき分けたプリントの問題を解いて頂戴。
二十分したら答え合わせをするわ」
そういって微笑むと、メイアンは"じゃあ開始"と指示を出した。
生徒たちは一斉にプリントを取り出して問題を解き始める。
西も、一応プリントをひっくり返した。
進んで勉強をする性質ではない。
テスト勉強、なんて単語も彼には無関係。
いつも適当に試験をこなす彼にとってこんな課題を解く気はないのだが……
机間巡視を始めるメイアン。
その姿を横目で見ながら、西はとりあえずペンを握った。
近くを歩いて来るメイアン。
ふわりとシャンプーの香りが漂ってくる気がして、西はあわてて首を振った。
「っと……」
メイアンが足元の荷物に引っかかった。
前につんのめった拍子に彼の白衣のポケットからペンがころり、と転げ落ちる。
それが西の足元に転がってくる。
西はあ、と小さく声を上げた。
そして、それを拾い上げて、メイアンに差し出す。
「どーぞ、メイアン先生?」
そういいながら、彼は口で"馬鹿"とメイアンに言う。
メイアンも"ありがと"と普通の生徒に接する時のように言いつつ軽くウィンクをしてみせる。
ちらと見えた、メイアンのペン。
彼はそれを白衣のポケットに戻す。
「……そういえば、あれいつも使ってるよな」
ふと西は呟く。
思い返すにメイアンはいつもそのペンを白衣のポケットにさしていた。
間近でそれを見たのは初めてだったのだけれど……
―― ……メイアンらしいっつーかなんつーか。
そう思いながら、西は苦笑する。
そして、自分のペンを握り直して、課題のプリントと向き合ったのだった。
***
そんな日の、放課後。
いつも通りにメイアンが作ってくれた夕飯を一緒に食べた。
西が休憩していると、ふとメイアンが何かを思い出したような顔をした。
「ねぇ西」
そう声をかけてくるメイアン。
西はきょとんとして彼の方を見た。
「え?なんだ?」
「今日の授業の時に思ったんだけど……
西、貴方のペンを見せてくれない?」
そう問いかけるメイアン。
西は彼の言葉に少し不思議そうな顔をした。
"別にいいけど"といいながら、彼は自分の学校用の鞄からペンケースを取り出した。
そして、ペンを取り出してメイアンに渡す。
メイアンは彼が差し出したペンを手に取った。
そして、ふっと笑いながら言った。
「やっぱり、シンプルねー……
でも高そう。
製図用のシャープペンじゃない、これ」
普通に使うものじゃない気がするわ、とメイアンは言う。
そんなメイアンの発言に西は笑いながら言った。
「こういうやつの方が性能高いからな」
そんな彼の発言にメイアンはなるほどね、というように頷いた。
そして彼らしいな、と思いながら笑みをうかべて、自分のポケットのペンを取り出した。
「でも私のも結構使いやすいわよ?
教職始めてからずっと使ってるものだけど……」
そういったメイアンはふと何かを思いついたような顔をした。
そして、ねぇ西……と彼に声をかける。
「西も、そのペンいつも使っているの?」
「え、あぁ……」
頷く西。
メイアンはそれを聞いて、彼に言った。
「交換、してみない?」
「は?ペンを?」
きょとんとする西。
メイアンはふわりと微笑んで、言った。
"別に高いペンが良いとかじゃなくって"と前置きながら、彼は言う。
「いつも使っているものを交換して持っていたいなあ、と思ってね。
貴方は制服だから、身に付けるものは無理じゃない?
だから……」
ペンならいいかなと思って、とメイアンは言う。
西はメイアンの言葉になるほどな、というように頷いた。
メイアンは彼に言った。
「値段は安くても使いやすいのはあるのよ。嫌?」
首を傾げるメイアン。
西はそんな彼の言葉に金色の瞳を幾度も瞬かせた。
そして、きょとんとしたように言う。
「や、嫌じゃ、ないけど……」
「使ってごらんなさいな、結構良いわよ?」
そういいながらメイアンは自分のペンをメイアンに渡す。
西はそれを受け取ると、適当にそのあたりにあった紙にペンを走らせた。
「あ、ほんとだ」
書きやすい、といいながら西はペンを動かす。
メイアンはそんな彼の発言にふわりと微笑みながら、首をかしげた。
「ふふ、でしょ?」
なかなか使いやすいのよぉ、と笑うメイアン。
西はそれを聞いてふっと笑いながらメイアンのペンを見た。
そして苦笑まじりに言う。
「でも女のみたいだな、このペン」
綺麗な、星空のような模様のペン。
それを見て、メイアンは苦笑を漏らした。
「はは、よく言われるわよ。
まるで女子生徒のペンみたいって」
そう笑うメイアン。
西は"そりゃそうだ"と笑いながら、メイアンに渡されたペンを見た。
そして、ふっと笑みをこぼす。
「……でも、まぁ、いい、や……」
そういいながら西はメイアンに渡されたペンを指先でなぞる。
その表情はとても嬉しそうなそれで……
メイアンはそんな彼を見てふわり、と笑う。
それから、西に"お風呂入ってきちゃうわね"といって、部屋を出ていく。
廊下に出て、ふわりと微笑むメイアン。
彼は嬉しそうな顔をして、小さく呟くように言う。
「嬉しそうにしちゃって……可愛いわね」
西は普段あまり表情を変えるものではない。
あんなふうに嬉しそうにしている彼を見るのは、珍しいことで……
しかも、その理由が自分とペンを交換したことによるものだ。
愛しくてしょうがない。
そう思いながら、メイアンはバスルームに向かったのだった。
***
そんな、翌日。
馬術部の部室で西は手帳に大会の予定を書きこんでいた。
メイアンと交換したペンを使って。
それをちらと見て、西はふっと表情を緩める。
思い出すのは、今日の授業中。
教壇に立ったメイアンはちらと西と目が合うと、胸ポケットにさした西のペンを示してウィンクしていた。
恋人と交換したペン。
彼のものを持っていられるというのは、やはりうれしいことで……
と、その時。
「ちょ、西がファンシーなシャーペン持ってる!」
不意に聞こえた声。
それを聞いて西はぎょっとしてそちらを見る。
そこには楽しそうに笑っている遊佐の姿。
彼は西の手元を見て楽しそうに目を細めた。
西はそんな彼の行動に慌てたようにそのペンを隠そうとする。
遊佐はそんな彼を止めながら、言った。
「あっちょ直すな直すな、栗林さーん!
西がファンシーなシャーペン持ってまーす!
ほらほら記念に一枚撮っとくからピースピース!」
更に騒ぎを大きくしようとする遊佐。
西は頬を真っ赤にして、叫ぶように言った。
「遊佐さん!それ以上やめろ!!」
恥ずかしいから!といって遊佐を止めようとする西。
遊佐はそんな彼を見て楽しそうに笑いながら、言った。
「だって西が珍しいんだもん、安めのファンシーなシャーペン使ってるとか」
それどう考えても何処にでも売ってる奴だろ?と遊佐は言う。
遊佐は昔から西が安物を使わないことを知っている。
こんな、可愛らしいシャープペンシルを使う西は初めて見たのである。
西は彼の言葉に少し戸惑ったように視線を彷徨わせる。
それからわざとらしく咳払いをして、視線を揺らしつつ、言った。
「いやその……案外書きやすくて……その」
そんな彼の様子を見て遊佐は目を細める。
大体、彼の行動の意味、彼が持つシャープペンシルの"本当の"持ち主がわかった。
「恋人と交換かー、良いなー、わかいなー」
楽しそうに笑いながら、遊佐はそういう。
西は彼の言葉に真っ赤になった。
そしてそっぽを向きながら、言う。
「う、うるさ、い……!」
もう何も言うな!といってそっぽを向く西。
しかし彼の手がしっかりと恋人のシャープペンシルを握りしめているのを見て、遊佐は目を細めていたのだった。
―― Change our… ――
(いつもの、使い慣れた自分のペンではないけれど…
大切な恋人のそれだから、とてもうれしくて…)
(彼らしくない、のかもしれない。
でも、私のペンを嬉しそうに握っている彼はとても愛らしかったの)