暇つぶしSSです。
ジェイドとメイアンの会話で…
別に深いストーリーはないですが、二人とも室内仕事が多いので…
こういうやり取りしてたらいいなぁと思った次第でございます(^q^)
一部ちょっとコラボCP意識してるけど…
まぁ、匂わせる程度。
最近此処二組も書いてないしやりたいかなぁとか思いつつ…
ジェイドは小さいころからいつも部屋の中で本を読んでいたタイプなので、
本当は外に出てゆっくり散歩したりする方が好きだったりします。
でも、仕事上なかなかそういうわけにもいかないのかな、と思ったり…
メイアンはメイアンで仕事中毒だしね、というか研究中毒?
二人とも、おとなしく外に出ましょう(笑)
ともあれ、追記からお話です!
いつも通りの、賑やかなディアロ城の城下町。
長い緑髪の男性……ジェイドはひとり、その通りを歩いていた。
客を呼ぶ店の人間の声。
買い物をして歩く人々の声。
それらが重なって、とても賑やかだ。
その様子を見ながら、ジェイドは翡翠の瞳を細めた。
彼が仕事でディアロ城に来てから、かなり長くなる。
時折実家に帰るとはいえ、大体この街で、城で暮らしているジェイドだ。
此方の景色の方が見慣れたものとなりつつあった。
昔から変わらない、平和な世界。
それを見ると、安心する。
そう思いながら、ジェイドはふっと息を吐き出した。
と、その時。
トントン、と肩を叩かれる。
ジェイドが少し驚いて振り向くと、頬に誰かの指が当たった。
「ふふ、引っかかった」
そういって無邪気に笑う、金髪の青年。
彼の姿を見て、ジェイドはふっと息を吐き出しながら、言った。
「メイアン、貴方は相変わらずですね……」
そういって苦笑する、ジェイド。
今頬をつついてきた人間……メイアン。
彼は、昔からの友人だ。
ジェイドは騎士団所属、メイアンは警察所属とはいえ、同じように研究をする者同士。
昔からよく話をしていて、親しいのである。
メイアンはジェイドを見てにこり、と笑った。
そしてジェイドの長い緑髪を指先で漉きながら、言った。
「今日は一体どういう用事で此処に?」
そう首を傾げて訊ねるメイアン。
普段はディアロ城で研究なり仕事なりをしているジェイド。
彼が此処に……城下町に来るのは珍しいことなのだ。
ジェイドは彼の言葉にふわりと微笑む。
そして穏やかな表情で、言った。
「今日は、ちょっと買い物に来たのですよ。
ついでに、久しぶりに貴方に会うことが出来たら良いな、と思っていました」
そういってふわり、と微笑むジェイド。
それを見て、メイアンはなるほど、というように頷いた。
「薬とか包帯とか?
たまにはこうして出かけてくることも大切よ」
そういってメイアンは笑う。
ジェイドはそれを聞いて、苦笑まじりにいった。
「確かに、最近はなかなか出かける機会もないですからね。
こうして街中に出かけることが出来るのが、息抜きのようなモノですよ」
別に仕事が苦痛というわけではない。
自分が就きたくて就いた仕事なわけだし、まだ幼い騎士たちへの指導も、自身の研究も、もちろん医者としての仕事もやり甲斐がある。
しかし、そういった仕事をしようと思ったら、必然的に外には出掛けられなくなる。
部屋に籠りっぱなしになる、というのもしばしばあった。
元から室内で読書をして過ごすことが多かったジェイド。
だから、屋内で過ごすことにも別段不具合はないのだけれど……
「まぁ、身体には良くないわよねぇ……
たまには外に出掛けた方が良いと思うわ。
私も研究の合間合間に出かけているもの」
そういって微笑むメイアン。
彼も基本的に室内で研究をしたり、事件の捜査やそのための実験をしたりしている。
ジェイド同様に室内に籠り切りになることが多いのだ。
ジェイドはそんなメイアンの言葉に翡翠の瞳を細める。
そして、苦笑まじりにいった。
「貴方は昔から、一度のめりこむと部屋から出なくなりますからねぇ……
放っておいたら寝食を忘れるから、様子を見てやらないとといつも思っていましたよ」
そういうジェイド。
それを聞いて、メイアンは苦笑した。
「それは、反省してるわよ……」
「改善されました?」
「う……」
黙り込む彼。
あぁ変わっていないのだな、と思いながらジェイドは笑う。
「こうして貴方に会ったのも久しぶりですからねぇ……
とはいえ、もうそろそろ行かなければいけないのですが」
"副官に留守を頼んでいるので"といって微笑むジェイド。
メイアンはそれを聞いて緑の瞳を細めた。
「いいわねぇ……いつも一緒にお仕事出来て」
羨ましいわ、といってメイアンは微笑む。
そんな彼を見て少し得意げに笑ってから、ジェイドは腕に抱えた荷物を持ち直した。
「では、そろそろ行きますね。
メイアンも、もう無理をしないように気を付けて」
「えぇ。ジェイドもね?
またゆっくり休みが取れるときに一緒に食事でもしましょうか」
そういって微笑むメイアン。
ジェイドはそれを聞いてふ、と笑みをこぼす。
そして"機会があればね"といった。
「でも、恋人を一人放っておくわけにはいきませんから」
そういって微笑んだジェイドは帰っていく。
その姿を見送りながら、メイアンは目を細めて、苦笑する。
「まったく……彼も相変わらずね」
―― 相変わらず、溺愛なんだから。
そう呟いたメイアンはぐっと伸びをする。
そして小さく笑みをこぼしながら、言った。
「でも、いいなぁ……
大事な人と一緒の場所で仕事が出来るなんて……」
私はどうあがいても無理だもの。
そう呟くメイアンは、少し寂しげで。
けれど、いつも通りに明るい笑みを浮かべた。
「いつでも会いに行けるけどね」
そういってふわり、と笑うと、メイアンは自分の職場に戻っていく。
巡回はこの程度で十分だろう、そう思いながら……――
―― とある午後の一コマ ――
(昔なじみとの、会話。
ほんの一時でも心が安らぐそれで…)
(賑やかな城下町、変わらない友人。
そんな穏やかな午後も、良いわよね)