シュタウフェンベルク兄弟でのお話です。
こういう風邪ネタをやりたくて…
お兄さんたちにペルは思いきり甘えると思います←
*attention*
シュタウフェンベルク兄弟でのお話です
本家Laurentia!(学パロ)設定でのお話です
ほのぼのなお話です
風邪ネタなお話です
お兄さんたちに甘えるペルにゃが書きたかった←おい
我儘でごめんなさい、っていうペルを甘やかすお兄様たちだったら萌える(^q^)
とりあえずいろいろすみません←
相変わらずの妄想クオリティ
ナハトさん、本当にすみませんでした!
以上がOKという方は追記からどうぞ!
いつも通りに朝食の支度をする、長兄。
いつもは相当朝寝坊な三男も起きてきている。
そのことに気づいた長兄……ベルトルトは不思議そうな顔をした。
「おかしいな、ペルが起きてこないの……」
いつもは比較的早起きの末っ子。
彼がまだ起きてきていない。
それは珍しいケースだった。
「そうだな……」
アレクサンダーもそう呟く。
まだ半分寝ぼけている様子のクラウスも目をこすりつつ、"確かにおかしいな"と呟いた。
ベルトルトはとりあえず二人の朝食を並べると、手を拭きながら小さく息を吐き出す。
そしてかけていたエプロンをはずして、言った。
「起こしてくるよ」
寝坊してるのかも、といって彼は末っ子の部屋に向かった。
ドアは閉まったまま。
起きて着替えている、という様子もない。
本当に珍しいな、と思いつつベルトルトは彼の部屋のドアを軽くノックしながら中に入った。
「ペルー、起きてるー?朝だよー」
そういいながらベッドを見る。
そこは丸く膨らんでいて、どうやらまだ彼は寝ている様子。
起きなよ、と声をかけながらベッドに歩み寄るともぞり、と布団が動いた。
「……ん」
小さく声が聞こえる。
しかし体を起こす様子はない。
比較的寝起きが良い彼は、いつもならば起こせばすぐに起き上がるのに、だ。
「ペル?どうかしたの?」
不思議そうな顔をしつつ、ベルトルトは彼の顔を覗き込む。
そして目を丸くした。
布団の中で丸くなっているペル。
彼の頬は見るからに赤い。
ベルトルトはそんな彼の長い黒髪を撫でながら、声をかけた。
「具合悪い?」
「……うー……」
返ってくるのは小さな呻き声だけ。
ちょっとごめんね、といいながらベルトルトはペルの体を起こす。
ぴと、と額に触れた彼は少し顔を顰めた。
「ちょっと熱ありそうだね。何処か痛い?」
「喉、痛い……」
小さく呟くように言うペル。
ぽーっとした表情の彼を見て、ベルトルトは少し心配そうな顔をした。
と、そのとき。
ドアが開いて、ひょいと顔を覗かせる影。
なかなか帰ってこないベルトルトを不思議に思って迎えに来たらしいアレクサンダーとクラウスだった。
「どうしたー?」
「ベルトルト兄さん?」
そう声をかける二人。
ベルトルトは彼らの方を見て、言った。
「ペルが具合悪いみたい。熱あるっぽいし……今日は学校お休みだね」
そういいながらベルトルトはペルの頭を撫でる。
しかしペルはそれを聞いて目を丸くした後、ふるふると首を振った。
「んーん……」
「え?」
そんな彼の反応に兄たちはきょとんとする。
ペルはぎゅ、とベルトルトの服を掴みながら、言った。
「嫌……兄さんたちと、学校、いく……」
「嫌って……ペル」
ベルトルトは少し困ったような顔をする。
彼の気持ちもわからないではないが、起きてこられないほど体調が悪いのに学校に行かせるわけにはいかない。
アレクサンダーはそんな彼を見て小さく笑う。
そして隣にいるクラウスの頭を撫でながら、言った。
「昔のクラウスと同じようなこと言うなぁ」
「……確かに、私も似たようなことを言ったな……」
やや気まり悪そうな顔をするクラウス。
その頭をわしゃわしゃっと撫でながらアレクサンダーは笑う。
ベルトルトも無論覚えているようで苦笑したが、すぐにペルに向き直って、言った。
「でも駄目だよ、ペル。
今日は学校お休み、病院行ってお薬貰ってこなきゃ」
「んーんー……」
嫌、と駄々をこねるペル。
ぎゅうう、と手に力がこもる。
……おそらく、一人で置いていかれるのが嫌なのだろう。
そう思いながらベルトルトは小さく溜息を吐き出して、言った。
「僕が病院連れていくから、クラウスとアレクサンダーは学校行く準備……」
してね、といいかけた。
しかし二人の兄はきょとんとした顔をする。
「え、俺が行くぞ?」
「いや、私が連れていく……」
……結局いつも通りのパターンだ。
大体予想は出来ていた。
前のクラウスの時もそうだったな、と思いながら、ベルトルトは苦笑する。
あの時と同じだとすれば……
「あぁ、まぁいいから……
じゃあ、全員休めばいいね、そしたらペルの面倒を誰かがちゃんと診てられるし」
そうしようか、とベルトルトはいう。
それがいい、とアレクサンダーとクラウスもうなずいた。
「ね、僕たちも一緒に居るからちゃんと病院行こう?」
ベルトルトが微笑みながらそういう。
ペルは暫し目を伏せていたが、やがてこくりと小さく頷いた。
「……んぅ」
兄さんたちも一緒なら、良い。
そう言いたげなペルの頭を優しく撫でてやりながら、かかりつけの病院はいつ開くんだっけ、と考えていたのだった。
***
そうして兄弟はペルを連れて病院に行った。
元々病弱なクラウスもよく世話になっている病院。
そこで素早く診察を終えて、ベルトルトはペルに声をかけた。
「良かったね、ただの風邪だったみたい」
そういってふっと微笑むベルトルト。
ペルはまだ少しぼんやりしている様子だが、そこまで酷い状態ではなさそうだ。
そのことに兄たちは少しほっとする。
「お薬貰うまでちょっと時間あるし……ペル、何か食べたいものあるか?」
アレクサンダーは彼に声をかける。
ペルは暫しぼうっと考え込む表情を浮かべたが、やがてぽつっと呟くように言った。
「……ゼリー、食べたい……みかんの」
「よし、じゃあ買おうか」
そういいながらベルトルトは彼の頭を撫でる。
クラウスは彼の手をしっかり握って一緒に歩いてやった。
ペルはそんな兄たちを見上げる。
そしてクラウスの手をぎゅっと握ったのだった。
***
それから家に帰り、ペルは自室でゆっくり寝かされていた。
やはり熱があって体が怠いようで彼はぐっすりと寝入っていた。
「んー……」
どれくらい寝ていた頃か、ぱち、と目が開いた。
ゆっくりと瞬きをしてから、彼はベッドに体を起こす。
「……にい、さ……?」
少し不安げに呼ぶ。
と、同時。
「あ、起きたかペル」
すぐ横できこえたのはクラウスの声。
ペルは目を見開いてその声の方を見る。
その目が見る見るうちに潤んだ。
「……っ」
「えっ、ちょ、ペルどうしたんだ!?どこか痛むのか?!」
クラウスは焦った顔をする。
何処か痛むのか、病院に行くか、寧ろ救急車?とパニックの彼を見てくす、と笑うと、ペルは言った。
「んーん……うれ、しい……傍に、居てくれて」
いつも一人だったから。
ペルは少し甘えるようにそういって、クラウスの手に頭をすり寄せた。
クラウスも、そんなペルの境遇は知っている。
だから、彼は穏やかに微笑んで、彼の頭を撫でてやった。
と、ちょうどベルトルトが部屋に入ってきた。
手にはトレー。
彼はベッドに体を起こしているペルを見て言う。
「ペル起きたー?お粥食べられるかな?」
「……や」
ぷい、とそっぽを向く彼。
それを見てベルトルトは少し困った顔をする。
「や、じゃなくて……」
「食べないと薬飲めないだろー?」
アレクサンダーも彼にそう声をかける。
ペルはちら、とそんな兄たちを見て、少し甘えるように言った。
「……食べ、させて?」
そんな彼の言葉にベルトルトは一瞬きょとんとする。
それから目を細めて、笑う。
「え?……あはは、わかった」
甘えん坊だなぁ、といいながらベルトルトは作ってきた粥を匙で掬った。
熱くないように冷ましてから、ペルの口元に持っていく。
「はい、あーんして?」
ぱく、とペルは匙を口に入れる。
もくもく、と口を動かす彼を見て微笑みつつ、ベルトルトは彼に問いかけた。
「美味しい?」
「ん……美味しい」
ありがと、とペルはいう。
今度は俺がやる、などといいながらアレクサンダーもクラウスもペルに給仕した。
何だか拾ってきた小鳥にでも餌をやっているみたいだとベルトルトが言うと、皆くすくすと笑った。
ある程度食べたところでベルトルトは器を置いた。
そして、にっこりと笑いながら、言う。
「はい、おしまい。
さ、お薬のもうかー」
そんな彼の言葉にペルはびくり、と体を強張らせる。
そして、ばさっと布団の中に潜った。
「!!いや!」
予想は出来ていた反応だったが、兄たちは苦笑する。
「いや、じゃないだろペル」
「ちゃんと薬飲まないと風邪治らないだろう?」
そう声をかけるアレクサンダーとクラウス。
ペルは足をばたばたさせて、拒否を示した。
「んん……いや……」
いやなの、という彼。
どうしたものかな、と悩むような顔をした後、ベルトルトは彼に言った。
「ちゃんと飲んだらさっき買ったゼリー食べていいから」
「んんん……」
ペルは小さく唸る。
そしてベッドからはい出した。
偉い偉い、といいながらベルトルトは薬の袋を開ける。
「はい、口開けてー?」
そんな兄の言葉にペルは口を開ける。
そこに素早く薬と水を流し込むと、ペルは顔を歪めた。
「っ、う、ぅう……」
顔を顰める彼。
どうやら薬を飲み込んだらしい彼を見て目を細めると、ベルトルトはそんな彼の頭を優しく撫でてやった。
「苦かったねー、偉かったよー」
「お薬飲んで偉かったぞ」
そういって微笑むベルトルトとアレクサンダー。
クラウスも優しく彼の頭を撫でてやって、言った。
「飴食べるか?」
「ん……」
クラウスの言葉に彼は頷く。
ペルの口の中にクラウスは飴を入れてやった。
「よし、あとはゆっくり寝ていろ」
「ゆっくり休んでね、ペル」
そういって優しく頭を撫でてやるベルトルトとアレクサンダー。
ペルはベッドに横になりながら、じっと兄たちを見つめた。
「……兄さんたち……」
「ん?どうした?」
声をかけてくる彼に、クラウスは不思議そうに首を傾げる。
ペルは布団の中に潜りながら、ぼそり、と呟くような声で言った。
「我儘、いって……ごめ、んなさい」
いつもより少し我儘だったペル。
それは自覚していたようで、彼は呟くように言う。
我儘でごめんなさい、と。
そんな彼の言葉を聞いて、兄たちは幾度も瞬きをした。
それから穏やかに笑って、彼の頭をわしゃわしゃっと撫でてやる。
「我儘なんかじゃないよー?」
「寧ろ嬉しいよ?頼ってくれて」
「あぁ……」
そういって穏やかに微笑む、三人。
ペルは嬉しそうに笑いながら、頷く。
ほんと可愛いなぁ、という兄たち。
そんな彼らがペルに構いすぎて、様子を見に来たシュヴァイツァーに"寝かせてあげたら如何ですか"といわれるまで、後少し……――
―― 傍にある温もり ――
(昔は、望んでも望んでも得られないものだった。
でも今は、僕の傍にある優しい温もり…)
(僕たちに甘える、可愛い弟。
大丈夫、我儘だなんて思わないよ、僕たちが傍にいるからね…?)