本家Laurentia!設定での西さんとメイアンのお話です。
此方サイドでもこういう話をやりたいな、と…
若干不良さんな西さん可愛いです(^q^)
*attention*
西さんとメイアンのお話です
本家Laurentia!(学パロ)設定でのお話です
ほのぼのなお話です
バイク通学な西さん
それを叱るメイアン
そんな二人でこういうやり取りしてたら萌えるなって
メイアンを女と勘違いする西さんが可愛いです(笑)
相変わらずの妄想クオリティ
ナハトさん、本当にすみませんでした…!
以上がOKという方は追記からどうぞ!
冬の青空の下……
バイクで走り抜ける影が、ひとつ。
ヘルメットを身に付けたその少年は、学校の傍に来るとそれを止めた。
「ふぅ……」
小さく息を吐き出して、乱れた髪を直す彼……西。
バイクで登場と言うスタイルに、彼が今日来ている学校……イリュジア学園の生徒も、固まっている。
そう。
今日は交流授業の日。
普段は本校の生徒しかいかないのだが、今日は分校の生徒である彼も来ているのである。
「職員用の駐輪場でいいか……」
流石に生徒用の駐輪場では狭いだろう。
そう思って、教員用の駐輪場にバイクを止め、鍵をかけた。
そのまま昇降口に向かおうとした、そのとき。
「こら!」
聞こえた怒る声。
目の前に、金髪の人物がたっていた。
「な……」
西は固まる。
誰だ、こいつは。
長い金髪に、緑色の瞳。
前髪はヘアピンで止めてある。
生徒、ではなさそうで、スーツ姿だ。
上から白衣を着ている辺り、養護教諭か理科の教員、だろうか?
冷静にそんなことを分析していると、軽く額を小突かれた。
「バイク通学は禁止のはずよ?何してるの!」
そんな説教口調に西は眉を寄せた。
そして、噛みつくように言う。
「うっせぇな……女にこの良さがわかるかよ!」
その言葉に、金髪の教師は目を丸くする。
それから、溜め息混じりにいった。
「女、って……まぁいいわ、来なさい!」
そういうと同時、その教師は西の手を掴んだ。
西は驚いて目を丸くする。
「え、ちょ……」
「さすがに没収権限はないけど説教!」
そういうや否や、教師は西を連れて歩き出す。
細い手に引きずられるようにして、西は校舎にはいることとなったのだった。
***
西がつれていかれたのは応接室。
そのソファに不機嫌そうに腰掛けて、西は目の前の教師に訊ねた。
「それで……何の権限が他校の先公が俺に説教?」
「他校の生徒でも自分の学校の生徒でも同じよ。決まりは守らないと」
きっぱりと答える、金髪の教師。
少し呆れた様子だ。
主に、西の態度に。
しかし西は憮然として、答えた。
「免許は持ってる」
「そういう問題じゃなくて……
とりあえず、その座りかたをやめなさい。
何で呼び出されたのかわかって……」
わかってるの?
相手がそういうより先に、西は音を立てて立ち上がった。
そのまま、金髪の教師を壁際に追い詰める。
「な……っ」
驚いて目を見開くメイアン。
西は凄むようにそれを睨んだ。
メイアンの緑色の瞳が揺れる。
「いちいち煩い……お前は俺の母親かよ?」
西はメイアンを睨みながら、そういう。
金色の瞳は真っ直ぐにメイアンを見つめる。
メイアンはそれを見つめ返すと、小さく溜め息を吐き出した。
そして、呟くような声でいった。
「……生徒にこんなことされるとは、私もなめられたものね」
西に壁に追い詰められたまま、西は小さく息を吐いて、彼を見据える。
そしてきっぱりといった。
「校則は校則よ。守らないとダメ」
わかった?
そういうメイアンは、西を恐れた様子もない。
西はもう暫く彼を睨みつけていたが、やがて諦めたように顔を顰めた。
「っち……」
小さく舌打ちをする彼。
メイアンは眉を寄せると、そんな彼の頬を抓った。
「ほら、わかった?」
「いった……!はいはい」
わかったよ、といいつつ西は彼の手を振り払う。
メイアンは頬を膨らませつつ、彼にいう。
「返事は一回!」
「はーい」
煩そうに返事をしてから、西はメイアンから離れていく。
そしてぐっと伸びをしながら、溜め息を一つ。
「……何なんだよ、アイツ」
今までも何度も説教はされたことがある。
教師からも、生徒会にも怒られた。
けれど、他校の教師に叱られたのは初めてだったし、
あんななりの女性教師に凄んでも怯えなかったのは初めてで……
彼奴は一体何なんだ、と思った。
とはいえ、授業に行かなくてはならない。
バイクで学校に来た挙句に授業にも出なかったとなれば何を言われるやら。
「とりあえず行くか……」
彼はそう呟くと、教室に向かったのだった。
***
それからというもの……
「こらー、西!」
交流授業の度に、金髪の教師に叱られるようになった。
校門で捕まり、応接室で説教。
それが日常となりつつある。
「またなの?!いい加減になさい!」
「またお前かよメイアン!」
そんな、やり取り。
それを目撃した生徒や教師たちはまたか、という苦笑を洩らす。
メイアンは西の発言に眉を寄せる。
そして、むくれたように言った。
「先生呼び捨てってどういう了見?!」
そういう彼。
西はぷいとそっぽを向いて、いった。
「うるせぇなぁ……」
いちいちうるせぇ、という彼。
メイアンはそれを見てひくりと頬を引きつらせると、西の腕を掴む。
「もー、来なさい!」
早く!といって彼は西をひきずって応接室に向かう。
そうしていつものように説教されたのだった。
***
そんな説教を終えた後。
いつも通り教室に戻っての授業の事……
「……授業でまで会うかよ……」
机に頬杖をつきながら、西はそう呟いた。
彼の視線の先に居るのは、授業をしている金髪の……メイアン。
ちょうど、授業が彼の授業だったのである。
イリュジア学園の生徒たちも一緒に授業を受けている状態。
それは何だか気まずかった。
しかしメイアンは涼しい顔をして授業をしている。
西を指名したのは……わざとだった気がするが。
授業は普通にわかりやすい。
教師というよりは科学者といった雰囲気の彼ではあったが、
わかりやすく、それなりに面白い授業だと……思う。
それを認めるのは少し癪な気はしたけれど。
そんなときだった。
「メイアン先生って、ほんとに女の人みたいだよねぇ」
不意に聞こえたのは、そんな声。
メイアンの学校の女子生徒の声だった。
西はそれにきょとんとした顔をする。
女の人みたい?
女だろ、と思いかけた、その時。
「ほんとほんと!寧ろ、男の人なのが勿体無いくらい!」
そんな声。
え、と彼は大きく眼を見開いた。
「な……」
困惑する。
え?
彼は、女性じゃない……のか?
でも、言われてみれば納得がいく。
自分が"女にバイクの良さがわかるか"という発言をした時、
メイアンは一瞬驚いたような表情を浮かべていたっけ。
―― もしかして……
そう思いつつ、西はメイアンを見つめる。
彼の長い金髪が窓から吹き込む風に揺れていた。
***
「お前、男だったのかよ!」
次の日、西は自分を捕まえて応接室に引きずっていったメイアンにいった。
メイアンはそんな彼にきょとんとして、答える。
「何よ、最初からそうよ。
女だといった覚えはないわ」
確かに言われた覚えはない。
そう思いつつ無言になる西。
メイアンはそんな彼を見て、小さく笑った。
「……勘違いしてるのが可愛くて放っておいたけど」
「……!」
そういう彼を見て西は言葉を失う。
メイアンはそんな彼の額を小突いて、言う。
「とにもかくにも、ダメなものはダメ!
いい加減に此処に呼び出されないようになってほしいものね……」
やれやれ、というように溜め息を吐き出す彼。
西は顔を顰めて、べ、と舌を出した。
「うるせぇ」
「はいはい、噛みつかない噛みつかない。
……もしかして私に会いたくてわざとやってる?」
そういってくすり、と笑う彼。
西は大きく眼を見開いた後、"んなわけあるか!"と声を上げる。
「そう、残念」
そういって肩を竦めるメイアン。
彼はそっと西の肩を叩いて、いった。
「ほら、授業始まるわよ、行きなさいな」
そういう彼。
西は一度メイアンを見た後、部屋を出て行く。
メイアンはふっと息を吐き出した。
「それにしても一体どうして……
根っこはいい子だと思うのにねぇ……」
一度ちゃんと調べようかしら。
メイアンはそう呟いたのだった。
―― Teacher and Student ――
(偶然出会った他校の教師
女性にも見えた彼は、どうして俺を…?)
(根は優しそうな少年なのに…
いったいどういうことなのかしらねぇ?)