本日はヘフテンさんのお誕生日と言うことで誕生日ネタなお話です。
本家設定でもいいなぁと思いまして…←おい
カルセに引き続き、おめでとうございます♪
*attention*
ワルキューレコンビのお話です
本家Laurentia!設定でのお話です
ほのぼのなお話です
ヘフテンさんのお誕生日ネタです
大佐殿のことが大好きなヘフテンさんとヘフテンさんをお祝いしたい大佐殿
こういうやり取りがやっぱり似合うな、と思いまして…
悩んだ末にデートに誘うとか好きだなと(^q^)
相変わらずの妄想クオリティ
ナハトさん、本当にすみませんでした…!
以上がOKという方は追記からどうぞ!
退屈な午後の授業。
それを受けながら金髪の少年は小さく欠伸をする。
更衣期間も過ぎて、夏服から冬服に切り替わった制服。
さっぱりした見た目の夏服に比べて少し厚ぼったい雰囲気になる冬服。
まだ午後には暑さを感じることも多いこの時期にはまだ少し早い気がする。
そう思いながら金髪の少年……ヘフテンは小さく息を吐き出した。
ちらり、と視線を隣の席に向ける。
空白のそこは、いつも一緒にいる黒髪の少年……シュタウフェンベルクの席。
彼は現在保健室に居て、不在。
別段体調が悪い訳ではないといっていたけれど……
まぁ、要するにいつものことだ。
授業といっても体育。
体育の実技のアドバイスと言う形での体育の座学だ。
体育の授業が受けられないシュタウフェンベルクには無関係な授業だろう。
だから彼が此処にいるはずがない。
けれど……
「はぁあ……」
深々と、ヘフテンは溜め息を吐き出す。
そして黒板にかかれた今日の日付を見た。
十月九日。
今日はヘフテンの誕生日だった。
けれど、シュタウフェンベルクは何も言わない。
いつも通りに、過ごしている。
まさか、今日の日付に気づいていない?
それとも、自分の誕生日を忘れている?
誕生日はオリジナルと同じなのだけれど……
そんなことを考えて悶々としているうちに今日最後の授業だ。
あげくタイミング悪くこんな授業でシュタウフェンベルクは不在で……
今日はあと、これが終わったら帰るだけだ。
一応、一緒に帰りたいとは思っているけれど……
今日は三年生も一緒に授業が終わる日だ。
もしかしたら誘ってもお兄さんたちと帰るというかも……
そう思いつつヘフテンは溜め息を吐き出した。
「まぁ、仕方ないし……」
自分からせがむのもなんだしな、と呟くようにヘフテンは言う。
シュタウフェンベルクの誕生日にちゃんとお祝いしたら気づいてくれるだろうか。
そんなことを思いながら彼はひとつ、欠伸をする。
そしてごし、と目を擦った。
「眠い……」
小さく呟くようにヘフテンは言う。
昨夜は少し遅くまで勉強をしていた。
今日は小テストがあったから。
一生懸命に勉強をしていた結果、気がついたらかなり遅くになっていたのである。
普段居眠りをするたちではないヘフテン。
しかし授業は退屈で、しかも暖かくて心地よい陽射し……
ぐらぐらと、眠気に襲われる。
ヘフテンはふっと意識を失うように眠ってしまったのだった。
***
ふわふわした眠り。
暖かくて心地よい。
もしかしたら教師に起こされるかなと思ったのだけれど、
そういうこともなく、彼はぐっすりと寝入っていた。
と、そのとき……
そっと、肩に触れられる感触があった。
ヘフテンはそれを感じて目をさます。
もしかして、先生だろうか。
やっぱり起こされた?
そう思いながら、ヘフテンはまばたきをする。
「ん……」
肩を叩いたであろう相手の方を見る。
そこにいたのは教師ではなくて……――
よく見慣れた黒髪の、少年。
それを見てヘフテンは驚いたように大きく目を見開いた。
「え、大佐……?」
「!す、すまない……起こした、か?」
もう少し寝かせておけばよかったか、と彼は小さく呟く。
ヘフテンははっとしたように瞬きをすると、首を振った。
「え、あ、いや……」
そうじゃなくて、とヘフテンは呟く。
そのままきょろきょろと周囲を見渡した。
いつのまにか授業は終わっていたようで、皆帰り支度をしている。
恐らく授業が終わったからシュタウフェンベルクも帰ってきたのだろう。
終わっちゃってたんだ、とヘフテンは呟く。
それを見て、シュタウフェンベルクはいった。
「……珍しいな、ヘフテンが居眠りしてるのは」
いつもは寝ないのに、と呟くように言う彼。
ヘフテンは苦笑混じりにいった。
「へへ……昨日ちょっと夜更かししちゃったので、眠くって」
ついつい寝ちゃいました、と苦笑するヘフテン。
それを見て、シュタウフェンベルクはぎこちなく頷いた。
「……そう、か」
ぎこちない頷き。
その声は何処と無く、何かを言いたげに聞こえて……――
ヘフテンは小さく首をかしげる。
シュタウフェンベルクは暫し何やら悩むような顔をしていたが、
やがて小さく息を吐き出した。
そして呟くような声で、言う。
「ヘフテン、あの……」
「?なんでしょうか?」
きょとんとして首をかしげるヘフテン。
それを見つめつつ、シュタウフェンベルクはいった。
「放課後、時間があるようなら……
何処か、寄っていかないか?」
「え?」
唐突な彼の誘い。
それにヘフテンは驚いて目を見開く。
シュタウフェンベルクからこうして誘ってくれたことは、あまりなくて……
いったいどういう風の吹き回しだろう、なんておもう。
シュタウフェンベルクはそんな彼の反応に少し戸惑うような間を空けた。
そして小さく溜め息を吐き出すと、ヘフテンを見つめながら、言う。
「……誕生日、だろう?」
今日は、お前の。
そんなシュタウフェンベルクの言葉にヘフテンは大きく目を見開いた。
「!大佐……!」
気づいていたんですか。
ヘフテンがそう問いかけると、シュタウフェンベルクは小さく頷いた。
薄く頬を赤く染めながら、彼は言う。
「ヘフテン、誕生日おめでとう……
言うのが、遅くなってすまない」
彼いわく、ヘフテンが誕生日なのは知っていた。
気がついていたし、本当はもっと早くおめでとうと言いたかった。
けれど……――
「なんだか、改まって言うのも変な感じがしたし、
かといって軽い調子で言えることでもないし……」
軽い調子でおめでとう、と言えるキャラでもない。
かといって面と向かって改まって言うのも気恥ずかしくて……
そういうシュタウフェンベルクの頬は真っ赤に染まっている。
ヘフテンはそんな彼を見ると幾度もまばたきをした。
そして嬉しそうな笑みを浮かべる。
「大佐そういうタイプでもないですものね」
「……悪かったな」
少しだけ拗ねた様子のシュタウフェンベルク。
それを見てヘフテンはくすくすと笑った。
そして嬉しそうな表情のままに言う。
「でも、嬉しいです。ありがとうございます」
お祝いしてくれてありがとう。
ヘフテンが嬉しそうにそういうと、シュタウフェンベルクも嬉しそうに表情を綻ばせた。
「喜んでくれたなら……良かった」
「ふふ、嬉しいですよ大佐!
お出掛け……一緒に、いってくれますか?」
放課後デートですね、なんていってみせればさらに赤くなるシュタウフェンベルクの顔。
それを見てヘフテンは嬉しそうに笑ったのだった。
―― Happy Happy Birthday! ――
(幸せな、幸せな誕生日。
大好きな彼と一緒にいられる、祝ってもらえるだけで嬉しくて…)
(本当はもう少し早く祝ってやりたかった。
でもなかなかそんな勇気が出なくて…)