ゲッベルスさんとロシャのお話です。
ゲッベルスさんは片足を悪くされてるという事で…
こういう雰囲気のこの二人、萌えます←おい
*attention*
ゲッベルスさんとロシャのお話です
ほのぼの時々ちょっぴりシリアスなお話です
ゲッベルスさんに関するお話
一緒に出掛けたかったからってちょっと無理してたりしたら可愛いなって
シュペーアさんにお説教されるゲッベルスさんも書きたくて…←
ロシャは基本ヤキモチ妬きな性格です(笑)
相変わらずの妄想クオリティ
ナハトさん、本当にすみませんでした…!
以上がOKという方は追記からどうぞ!
良く晴れた午後……
賑やかな街を、ゲッベルスとロシャは歩いていた。
以前から、一緒に街の中を歩いてみたいという約束をしていた二人。
今日がその約束の日。ロシャは楽しそうに笑いながら、
隣を歩いているゲッベルスを見た。
「二人で一緒に出掛けられるね……嬉しいなぁ」
はしゃいだように言うロシャ。
今まで、友人と呼べる存在と一緒にこうして出掛けることが無かった彼にとって、
大好きな彼……ゲッベルスと一緒に出掛けられるのは嬉しく楽しい事なのだった。
ゲッベルスもそんな彼を見て、嬉しそうに笑う。
彼もまた、あまりほかの人間と仲良く出かけたり、
遊んだりということが無かった人間。
自分と一緒に笑ってくれるロシャは、彼にとっては大切な存在なのだった。
そうして出かけてきた二人は、一緒に色々な店を見て回った。
ロシャが見てみたいといった雑貨屋に行ったり、
ゲッベルスが読みたいといっていた本を探しに本屋に行ったり、
そうして二人でカフェで甘いものを食べてと、
さながらデートのように過ごした。
そうして、次は何処に行こうか、と話しをしていた時。
「っ、……!」
不意にがくっと、ゲッベルスの体が崩れた。
ロシャはそんな彼に気が付くと、驚いたように目を見開いて、彼を支える。
「っ!ゲッベルス!?」
「ゲッベルス、どうしたの!?大丈夫?」
唐突に崩れた、彼の身体。
見れば、足が微かに震えている。
立ちなおそうとしているようだが、片一方の足に力が入っていないようで、
上手くいっていない。
ゲッベルスはロシャに縋るような体勢になりつつ、小さく息を吐き出した。
そして、ロシャに向かって笑い掛けながら、言った。
「だ、大丈夫、大丈夫……
でも、ちょっと、ゆっくり歩いて……」
流石に先程のようなペースで歩くのは辛い、とゲッベルスは言う。
笑って見せてはいるが、流石に少し、辛そうだ。
ロシャはそんな彼の言葉にこくこくと頷いた。
「わ、わかった……大丈夫?」
ゆっくり一緒に歩きながら、ロシャはゲッベルスに問いかける。
ゲッベルスはそれを聞いて小さく頷く。
「ん……ごめん、言ってなかったな……
俺、小さい頃に病気して、それで……」
軽く足をひきずりながら、彼は歩く。
ひょこ、ひょこ、とゆっくりな足取りは覚束ない。
その原因を、ロシャも悟った。
顔を顰めつつ、呟くような声で言う。
「それで、足悪くしてたのか……」
彼の呟きに、ゲッベルスはこくりと頷いた。
そして、溜め息を吐きながら空を見上げる。
「ん……普段は、魔術で補助してるんだけどね……
ちょっと、暑かったからかな……魔力が、尽きたみたいでさ」
氷属性魔術使いにとって気温の高さは致命的だ。
体温を保つためにも弱くとはいえ魔術を消費する。
それが原因で魔力を使い果たしてしまったんだろう。
そんなことを言うゲッベルス。
ロシャはそれを聞いて顔を顰めると、ひょいとゲッベルスを抱き上げた。
元々ロシャの方がゲッベルスより若干背が高い。
彼を抱きあげるだけの力もある。
ただ、街中だからそういった行動はしないつもりでいたのだが、
思ったよりゲッベルスの歩きが覚束なく、
尚且つ辛そうだから諦めて彼を抱き上げたのだ。
驚いた顔をしているゲッベルスの額を小突いて、ロシャは溜め息を吐き出した。
「それだけじゃないでしょ。
ちょっとだけど、熱あるし……
もう、どうして言ってくれなかったの?
具合悪かったんならやめたのに……」
そう。
微かにだが、ゲッベルスの体は熱い。
もしかしたら炎天下長時間外に居たからかもしれないが……
彼の様子を見るに、それだけとも考えづらい。
多少だろうが、体調が悪いのだろう。
そんなロシャの指摘に、ゲッベルスは少し気まずそうな顔をして、
彼から目を背けた。
「平気、だよ」
「大丈夫だって……
何処が大丈夫なのか教えてくれる?もう……」
とりあえず城に帰るよ、といってロシャはゲッベルスを抱いたまま、
空間移動魔術を使って、ディアロ城に帰ったのだった。
***
「それで、こうしてつれて帰ってきてもらったわけだね、ゲッベルス……」
ディアロ城に戻ってきた二人は、騎士の棟の一室に居た。
それは、銀髪の少年……シュペーアの部屋。
ゲッベルスの手を握ったまま、シュペーアは自分の魔力を彼に注ぎ込む。
シュペーアの魔力は純度の高い氷属性魔力。
いつも魔力が尽きると、ゲッベルスはこうしてシュペーアに
魔力を分け与えてもらうのだった。
ロシャに抱きかかえられて帰ってきたゲッベルスを見て、
シュペーアが驚いたような顔をしていたのはまぁ、仕方のないこと。
シュペーアは呆れたような顔をしつつ、ゲッベルスに言った。
「もう……無理したら駄目だよ。
体調悪かったんなら出掛けるのもやめておかないと……
この時期は氷属性魔術使いにとっては辛い時期なんだし」
唯でさえ夏という、日差しが強い季節。
それは氷属性魔術使いには厳しいものがある。
挙句の果てに、ゲッベルスは若干の体調不良を起こしていたという。
そんな事だったら出かけるのをやめておけばよかったのに、とシュペーアは言う。
ゲッベルスは少しむくれたようにそんな彼の発言を聞いていた。
そして、ぼそりと小さく呟くように言う。
「……でも、出掛ける約束してたんだもん……」
ロシャと出かける約束をしていたんだ、とゲッベルスは呟く。
それを聞いて、シュペーアはふっと笑う。
「その君の気持ちもわかるけどさ……」
でも無茶したら本末転倒でしょう、とシュペーアは言う。
はいはい、と肩を竦めるゲッベルス。
ロシャはそんな彼とシュペーアとを見る。
魔力を受け渡すために手を握っている彼ら。
それを見て溜め息を吐き出すと、ロシャは窓の外に視線を投げたのだった。
***
そうして、魔力の受け渡しが終わった後……
二人はいつものようにゲッベルスの部屋に戻っていた。
しかしロシャは何やら難しい顔をしている。
いつものように明るく話しかけてくれることも笑いかけてくれることもない、彼。
ゲッベルスはそんな彼を怖々とみる。
「……ロシャ?」
「何?」
声をかけたが、やはりロシャはそっけない返事をするだけだ。
それを見て、ゲッベルスはロシャに問いかけた。
「……怒ってる?」
彼の声は、表情は、やはり少し怒っているように見えた。
原因は、浮かぶ。
だからロシャはそう問いかけたのだが……
ロシャは応えることなく、小さく溜め息を吐き出した。
「どうして、いってくれなかったの?」
短く、ロシャは言う。
それを聞いてゲッベルスは瞬きをした。
「え?」
「足を悪くしてることも、体調悪かったことも……
言ってくれたら、僕だってもう少し……」
そこでロシャは言葉を切った。
そして、ゆっくりと首を振りながら、言う。
「……ううん、違う。僕が、悪い」
僕が悪いんだ、とゲッベルスにいうロシャ。
それを聞いて、ゲッベルスは幾度も瞬きをする。
「何でロシャが……?」
「僕が、気が付かなかったのが、悪い……
ゲッベルス、ごめんね」
そういって笑うロシャは、悲しそうな顔をしている。
否、悔しそうな顔、か……
そのまま彼はゲッベルスにベッドに寝るよういった。
シュペーアの魔力を分けてもらったから平気だといったが、
ロシャは頑として起きていることを許そうとしない。
ゲッベルスは彼の言葉におとなしく従い、ベッドに寝転がる。
しかしそのまま少し離れようとしたロシャの腕をぐいっと引っ張った。
「わ!?」
全く構えていなかったロシャの体はベッドに倒れこむ。
ゲッベルスはそんな彼の身体をぎゅっと抱きしめながら、言った。
「……ロシャの所為じゃないよ。
だから、そんな顔しないで……?」
自分が魔力を使い果たしたのも、出先で潰れたのも彼の所為ではない。
だから、そんな顔をしないでほしいとゲッベルスはいう。
それを聞いてロシャは少し顔を歪めた。
そしてぎゅっとゲッベルスに縋りながら、言う。
「ごめんね……ちょっと、ヤキモチ妬いたんだ……
僕はどうして氷属性魔術使いじゃないんだろ、って……」
僕が何とかしてあげたかった、とロシャは言う。
大好きなゲッベルス。
彼が体調を崩すなら、自分が何とかしてあげたかった……ロシャはそういう。
そんな彼の言葉に目を細めつつ、ゲッベルスはロシャを抱きしめた。
そして、少し甘えるような声で言う。
「出掛けるの、途中になっちゃったけど……
帰らないで此処に居てくれる、よな?」
「うん……居るよ」
そういって、二人は笑い合う。
ベッドに入るにはまだ少し早い時間だが、たまにはこういうのも良いかな、と思いながら、
二人はゆっくりと、残りの休日を過ごす事にしたのだった。
―― 君の、傍に ――
(誰よりも君の傍に居て、君の力になりたい。
こんな僕がそう願うのは、おかしな事かなぁ)
(話してなくてごめん。迷惑かけてごめん。
でも、傍に居てほしいんだよ)
2014-7-21 14:28