久々の?科学者道化師コラボのお話です。
ナハトさんの可愛らしいイラストを見ていたら書きたくなりまして…ムッソリーニさんかわいいです←おい
*attention*
科学者道化師コラボのお話です。
ほのぼのなお話です。
ナハトさんの可愛らしいイラストを見ていてやりたくなったネタです。
むぅ、とむくれた顔をしてるムッソリーニさんかわいいです…←おい
カルセにとってはムッソリーニさんはまだ子供に見えるだろうな、と…
そんな相手を甘やかしたいと思ってそうなカルセです(笑)
相変わらずの妄想クオリティ
ナハトさん、本当にすみませんでした…!
以上がOKという方は追記からどうぞ!
窓から吹き込む穏やかな風に、金髪の少年は仕事をしていた手を止めた。
青い瞳が窓の外を見る。
幼い騎士たちが植えた花の苗がつぼみをつけて、花を咲かせていた。
そんな穏やかな光景をみて、彼……ムッソリーニは心地よさそうに目を細める。
少しずつ気温も上がりはじめて、春の気配を感じられるようになってきた。
そんな季節の変化に伴って、自室も大分暖かくなってきて、
仕事をする際にも指先が冷えてしまう、なんてことも減ってきた。
さっさと仕事を終わらせてしまおう……
そう思って、ムッソリーニがペンを走らせていた時。
不意に頭の上に重みがかかった。
「うわ?!」
驚いて声をあげれば、頭上でくすくすと笑う声。
ふわり、と重みが退く。
顔をあげてみてみれば、そこには淡水色の髪の男性がいて、
おかしそうに笑いながらムッソリーニを見つめていた。
ムッソリーニはその姿をみて大きく青い瞳を見開く。
「カルセさん!」
「ふふ、驚きました?」
悪戯っぽく笑う彼……基カルセの方を向きつつ、
ムッソリーニは椅子から立ち上がった。
久しぶりに見た彼。
基本的にイリュジアにとどまっていることがないフリーの医者兼研究者であるカルセは、
時折こうしてディアロ城に訪れては、ムッソリーニのところへ来る。
まぁ、"大切な人"のところに足を運ぶのは当然の流れなのだろうが……
「もう少し、普通に来ていただけたら助かるんですけど」
ムッソリーニはそういって苦笑した。
カルセは自分の気配を隠したり誤魔化したりするのがかなり上手い。
今もすぐ近くに来るまで人の気配は感じなかった。
だから驚いたのである。
ムッソリーニの言葉を聞いて、カルセはくすくすと笑いつつ、いった。
「おやおや、私だと気づいてませんでしたか……
ま、随分久しぶりに遊びに来ましたからねぇ」
仕方ありませんね、と呟くと同時……
カルセはひょいとムッソリーニの体を抱き上げた。
長身のカルセにとって自分と十センチ弱身長が違うムッソリーニを抱き上げることくらい容易い。
ついでに言うなら、カルセは医療部隊の騎士にしては珍しく、
剣術が得意という一面もある。
そこそこ力もあるわけで……
とはいえ、された方は堪ったものではない。
一瞬驚いてフリーズした後、ムッソリーニは顔を真っ赤にして、もがいた。
この年になって人に抱き上げられるなど、そうそうあったものではない。
「ちょ、ちょっと、下ろしてください……!」
「ふふふ、照れてるのですか?可愛いですねぇ……」
焦った様子で下ろしてくれと懇願するムッソリーニをみてカルセは微笑む。
下ろすどころかそのまま顔を近づけて来て、
ムッソリーニの頬はすっかり真っ赤になっていた。
彼の様子を暫し見つめ、満足したのかカルセはそっと彼を床に下ろした。
赤くなった頬をぱたぱたと手で扇ぐムッソリーニをみて、
カルセはわざとらしく首をかしげて、微笑む。
「そんなに赤くならずとも」
「な、慣れてないし照れるんですよ……」
もう、といいながらムッソリーニは唇を尖らせる。
少し赤みの引いた頬。
それにそっと触れつつ、カルセは目を細めた。
「あぁ、なるほど……」
不意に触れられてもう一度目を見開くムッソリーニ。
彼はカルセの方を青い瞳で見つめる。
カルセはそれを見つめ返しながら、そっとムッソリーニの頬を撫でて、首をかしげた。
「貴方はどちらかと言えば誰かにしてあげる方でしょう?」
「まぁ、そうですね……」
こくり、とムッソリーニは頷く。
事実、どちらかと言えばムッソリーニは誰かに甘やかされるより甘やかす方。
誰かが落ち込んでいたりしたらどうにかして慰めようとするし、
子供の面倒を見るのも上手い。
抜けてるように見えていろんな場所を、人をしっかり見ていることは、
カルセもよくよく知っていること。
それ故、誰かに抱き上げられたり撫でられたりすることになれていないのだろう、とも思う。
カルセはそこまで考えたところでふっと息を吐き出した。
そして小さく笑うと……
「ならば、逆に……」
そう呟くや否や、カルセはぎゅっとムッソリーニの体を抱き締めた。
不意にそんなことをされて、ムッソリーニは思わず間の抜けた声をあげる。
「へ……っ」
「たまには、いいのでは?」
こういうのも、と言いつつカルセはムッソリーニの金髪を撫でる。
柔らかな金髪を弄びながら、軽くそこに口付けたりと自由にするカルセに、
ムッソリーニはまた顔を赤らめる羽目に陥った。
「っ、ちょっと、照れ臭いんですけれど……
俺、子供じゃないんですし……!」
ムッソリーニはそういいながらカルセの腕のなかでもがいた。
嫌だとか、そういうわけではなくて……
ただただ、恥ずかしい。
照れ臭い。
そして……こうして抱き締められていることで安心している自分が、
何だからしくなく弱く見えて。
しかしカルセの腕は緩むことなく、ムッソリーニの体を抱き寄せていた。
彼はくすりと笑って、ムッソリーニに言う。
「ふふ、貴方もまだまだ子供なのですから。
たまには甘えてもいいのだと私は思いますよ?」
「子供、って……」
「これでも私は貴方よりずっと年上ですからね」
そんな年じゃない、と言おうとしたムッソリーニより先にカルセがそういう。
確かに、カルセからしてみればムッソリーニもまだまだ子供、だろう。
ディアロ城騎士団最年長のジェイドでさえも子供扱いして見せる人だ。
カルセはにこりと微笑みながら、抱き寄せているムッソリーニの耳に囁く。
「何なら、慣れさせてあげましょうか……
抱き締められるのにも、抱き上げられるのにも……キスにも、ね?」
そういう彼は完全に遊んでいるモードだ。
ムッソリーニは諦めの溜め息を吐き出した後、
恨みがましげな目でカルセをみて、いった。
「……カルセさん、俺が照れてるのみて楽しんでるでしょう」
「ふふ、それはまぁ、そうですねぇ……
貴方のそういう反応はなかなかに可愛らしいですから」
素直に認めるカルセ。
楽しそうに笑っている彼をみて、ムッソリーニは苦笑を洩らしつつ軽口を叩いてみた。
「相変わらず意地の悪い人ですね」
「おや、なかなか言いますねぇ……
でも、そんな私を好いてくれたのは貴方、ですよね?」
「!」
思わぬ返しにムッソリーニは固まった。
返答に困って視線を逃がすも、カルセの藍色の瞳がそれを捉える。
「否定するつもりですか?」
「……否定、は……しません、けど、その……」
こんな状況に陥ることもそうそうなかったムッソリーニは完全に思考停止状態。
カルセは彼の表情をみて満足そうに笑うと、ムッソリーニの体を離した。
そして赤く染まった頬に一度キスをして、微笑む。
「冗談ですよ……ふふ、本当に可愛い人ですねぇ……」
そういうところが愛しいですよ、と耳元で囁く声。
さんざんからかわれたムッソリーニは拗ねたようにプイとそっぽを向く。
もう知りませんよ、と唇を尖らせ呟く彼をみて藍色の瞳を細めつつ、
カルセはもう一度だけ優しくムッソリーニの体を抱き寄せた。
―― かわいいひと。 ――
(私にとっては貴方もまだまだ子供。
そうして拗ねた表情でさえも可愛らしく思えてしまうのですよ)
(大人の余裕で俺の軽口も易々と躱してしまう彼。
でもその温もりが心地よいと思っているのは事実で……――)