無彩色極彩色コラボのちょっと深夜テンションめなお話です。
ほら、ノアも大概フォルの部下なので、ね←おい
*attention*
無彩色極彩色コラボのお話です(BL注意です)
深夜テンションめなお話です
たぶんちょっといつもよりはほのぼのめ(笑)
ノアはぜったいこういう時強引だと思って…←おい
大概嫉妬深くて独占欲強すぎる人なノアール
あんまりこういうことに慣れてなくてちょっと怯え気味なフランコさんを書きたかった
でもそれでもノアを気遣うフランコさんだったらかわいいな、って…←
相変わらず妄想クオリティ
ナハトさん、本当にすみませんでした…!
以上がOKという方は追記からどうぞ!
夜も更けてきて静まり始めた、夜の廊下……
フランコはそこをぱたぱたと走っていた。
まだ、賑やかな声が後ろで聞こえる。
ちょっとしたパーティが開かれているそこにまだ多くの騎士が残っているのだろう。
「ちょっと遅うなったなぁ……
ノアール、寂しがっとるやろか……」
廊下を駆けながら、フランコはそう呟く。
思っていたより少し、会場を抜け出すのが遅くなってしまった。
あまり極端に付き合いが悪いと何かあったのかと感付かれてしまうし、
かといって他の騎士たちとあまり親しく過ごすと"彼"が拗ねる。
怒っている、といわなかったのは彼が怒っている訳でないことを知っているからだ。
怒ったように殴ってくる時だって、
その理由を聞けばそれが怒りではなく寂しさであることには、すぐに気づいた。
ずっと、一人で耐えてきた悲しみ。
一人で抱えてきた寂しさ。
それを拭ってくれる人がいなかった孤独……
それが、暴力という形になってしまっているだけなのだと。
ちゃんと話すようになって、ちゃんと接するようになって、知った。
大人びていて、強く見える彼の裏側。
子供っぽくて、脆くて、少し衝動的な彼を。
そうこうしているうちに、フランコは自室に辿り着いた。
少し速くなった呼吸を整えて、ドアを開ける。
「ただいま、ノアール遅なってごめ……あれ?」
返事がない。
いないのか、と一瞬不安になったが……すぐに、気がついた。
ベッドの上、眠っている彼の姿。
「何や……寝てたんか」
少しほっとして、おかしくて、フランコは笑う。
彼が朝に弱いことは知っていたが、こうして夜に居眠りしている姿はあまり見ない。
そっと、足音を忍ばせて彼に歩み寄った。
白いシーツの上、漆黒の服を身に付けた彼。
彼は目を閉じて、すっかり寝入っている様子だった。
静かな寝息が薄く開いた唇から漏れる。
彼の手元には、本があった。
恐らくそれを読みながらフランコの帰りを待っていて……
そのまま寝入ってしまったのだろう。
「やっぱり、待たせてしもたんやなぁ……」
申し訳なさを感じて、フランコは少し眉を下げる。
やはりもう少し早くに帰ってくれば良かったな、と。
そして、眠っているノアールに、手を伸ばした。
ふ、と微笑みつつ優しい声で呟く。
「……ただいま」
フランコがそっと、ノアールの頬に触れかけた……
ーー その時。
「遅い」
ぼそり、と声が聞こえると同時。
「え、わっ!?」
フランコはぐいっと、強く腕を引かれた。
驚いている間に、バランスを崩してベッドの上に倒れ込む。
……正式にいえば、ベッドではなくノアールの上に。
無論、腕を引っ張った犯人はノアールだ。
不機嫌そうな黒い瞳に見据えられ、フランコは暫しフリーズした。
寝ぼけている……様子は、ない。
基本的に寝起きが壊滅的に悪いノアールだから、きっと今のは……
「な、な、何や、ノアール起きて……」
「遅い挙げ句、酒臭い」
狸寝入りしとったんか、とフランコがいう前にノアールは言葉を続ける。
酒臭い、といわれてフランコは瞬きを繰り返した。
「え、俺は、飲んどらん……」
「他の奴等は飲んでただろう」
ノアールは相変わらず不機嫌そうな声でそういった。
……まあ、そうだろう。
宴会なのだから基本的に酒を飲んでいるものが多い。
ヒトラーやフィアのように酒が駄目な者や、
草鹿の騎士のように飲むのを禁止されている者のために、
他の飲み物も用意されてはいるが、大体の人間は軽くでも酒を飲む。
その匂いが移っているのだとしたら、それは納得で。
「な、何なん?ノアール、酒苦手やったっけ?」
「普通に飲む」
「な、ならなんで?」
何で酒臭い、なんて。
そんなフランコの問いかけにノアールの額のシワが深くなる。
怒った?なんで?
悩む間に、頭を抱き寄せられて、やや強引にキスをされた。
「んん、ふ……っ」
「はぁ、……ん……」
一度離れても、すぐに口付けられる。
反射的に逃げようとしても片手で頭を抱えこまれているし、
もう一方の腕で腰の辺りを抱かれているせいで、にげられない。
すっかり呼吸が上がったところで、漸くノアールはそのキスをやめた。
こういうことに慣れないフランコが必死に酸素を求めているのに対して、
ノアールは平然として、そんな彼の様子を見つめていた。
少し潤んでいる金色の瞳でノアールを見つめれば、
彼はふ、と笑うような表情を見せた。
からかうような、表情を。
「下手、だな」
「な……っ!?
か、勝手に、いきなりしてきてそれ……っ」
「まぁ、いい。
そのうち慣れる……慣れさせる」
さらりとそう宣言する彼。
フランコが反撃するより先に、再び口付けられた。
甘く、翻弄される。
苦しい、苦しい。
けれど……甘くて、体が痺れる。
くらくらする、酸欠状態になりかけたタイミングで、彼は唇を離した。
フランコはすっかり脱力していた。
ノアールの上に倒れ込んでいることを認識しているため少し浮かせていた体も、
もうさっぱり力が入らなくて、完全に体重をノアールにのせてしまっている。
綺麗な金色の瞳はすっかり潤んでいた。
「はぁ、あ……ちょ、っと……ノアール、まって……」
「さんざん待たされたのは俺の方だ」
もう待たん、といってノアールは易々と体勢をひっくり返して、
自分の上に乗っかっていたフランコの体をベッドに押し倒した。
華奢で細い体躯の彼だが、とかく背が高い。
180cmを越えるその長身で組み敷かれると、流石に迫力があった。
例えるなら、黒豹。
その雰囲気も相俟って、だろうが……
隙のないその様子が、雰囲気が、鋭い視線が、美しくも強い、獣を思わせた。
まっすぐに目を見れなくて視線を逃がせば、彼が顔をしかめる。
そのまま、片手で顎を掴み、強引に自分の方を向かせ、いった。
「待たせた挙げ句その態度か……良い度胸だな」
まって、というフランコの声に応えることはなく、
ノアールはフランコの服に手をかけた。
するりとネクタイをほどいて、シャツを少し開く。
少し肌蹴たそこから手を差し入れて、薄い胸板を撫でた。
ひやりと冷たい彼の手に触れられて、フランコの体が跳ねる。
「ひあっ、ちょ、や……っ」
逃げようと身を捩るが、無意味。
強い強い彼の腕に動きを封じられる。
身を乗り出した彼の胸元のリボンが垂れて、胸元を擽る。
その感覚も、もどかしかった。
「冷たいか……?」
「はぁ、あ……冷た……っ」
冷たい、とフランコは訴える。
ノアールの手は冷たい。
フランコ同様に炎属性の魔術使いのはずなのに、
氷属性魔術使いのフォルと似たり寄ったりの冷たさの手……
それに、体温の上がった体を撫でられるのは少し、ある意味で辛い。
それなら、というようにノアールは手を服から抜いた。
そして、頭を彼の首筋に埋めて、舌を這わせる。
温かく、濡れた感覚に先程とは違う悦楽が背を這い、体が震える。
「ん、んぁ……」
びくびくと体を震わせ、甘い声を漏らす彼の姿に、ノアールは目を細める。
それでも少し強張ったままのフランコの頬をそっと撫でた。
「何故、怯えている」
怯えている。
それは、確かに感じ取った。
悦楽に酔いつつも、どこか怯えを残した彼の表情。
それが、少し、気にくわない。
そんなノアールの思いを感じたのだろう。
フランコはふるふると首を振った。
「ん、ちゃう……ノアールが、怖い訳と、ちゃうんや……
ただ、ぁ……っこういう、こと自体に、慣れてなくて……っ」
訳がわからない。
優しく触れる手の感覚のもどかしさとか、背を這う甘い悦楽だとか、
耳元に低く囁かれる時に体から力が抜けることとか……
すべてが、わからない。
だから、怖い。
甘い甘い嬌声混じりに、フランコはそういう。
「そう……か。
……ならば、俺がわからせてやる」
そう、ノアールは低く呟いた。
へ、とフランコが声を漏らすより先に、フランコの首筋に軽く噛みつく。
びくっとフランコの体が大きく跳ねた。
「あ、あ……ぁっ」
「俺以外に、触れさせるな……
こんな顔を見せるな。声を、聞かせるな……」
こういう行為に慣れていないという、彼。
そんな彼をこうして酔わせられるのは自分だけだと、ノアールは彼に教え込む。
触れさせるな。
声を聞かせるな。
ぜったいにだ、と彼はフランコの耳元に囁く。
いつもより数段低く、色っぽい声にフランコはこくこくと頷く。
「っん、あ……不安、ならんで……えぇ、からぁ……っ」
不安に、思わなくて良い。
フランコは彼にそう、訴える。
そんなに心配しなくても自分は他所に流されたりしない。
だから、大丈夫。
嬌声混じりにそういうフランコに、ノアールはふっと表情を緩めた。
そして、ぐっと彼の体に圧を与えつつ、低い声で囁く。
「何で、酒の匂いがしたのが嫌か……教えてやる」
低い声が、耳元に囁く。
フランコは彼の背に腕を回して、その快楽に耐えた。
ーー It is too… ーー
(許さない。お前から、俺以外の匂いがすることが
そんなことを言って、彼は俺の体に証を刻む)
(少し過剰なほどに刻み込まれた所有痕。
それが寂しさの、不安の証だというのなら俺はその分の優しさをアンタに返すから)