赤髪金髪コラボのSSです。
以前ナハトさんが書いていた赤髪金髪コラボのやり取りが可愛くて、
それっぽいネタが浮かびまして…色々すみませんでした…!
でも美人さんのドレス姿は素敵だと思うのです(こら)
*attention*
赤髪金髪コラボのSSです。
ほのぼの&ちょっぴりギャグちっくなお話です
ライニさんは女装姿も美しいだろうな、と思って…←
アネットは思ったことをすぐに口に出すタイプの人です
美人さんにドレスは正義だと思います(こら)
相変わらずの妄想クオリティ
ナハトさん、本当にすみませんでした…!
以上がOKというかたは追記からどうぞ!
年明けすぐの、朝方……
朝というのはディアロ城にしては珍しく、穏やかで静かな時間帯だ。
そんな時間の中庭に佇む、艶やかな金髪の少年……ハイドリヒ。
冬の朝のまだ冷たい風に彼の長い金髪が靡く。
薄く開いた唇からこぼれる吐息は白く凍って、空に消えていった。
彼は手に持った剣を軽く素振りしていたのである。
元々早起きな気質のハイドリヒ。
目が覚めると朝食に行く前に軽く乗馬したり剣術の訓練をしたりしている彼にとって、
この時間帯の静けさは落ち着くものだった。
と、そんな彼の背中を軽く叩く者があった。
この時間に起きている騎士は少ないはずなのだが……一体誰だろう?
そう思いつつ驚いて振り向けば、そこに立っていたのは赤髪の少年……アネット。
ハイドリヒはそれを見て蒼い瞳を瞬かせる。
「アネットさん……
珍しいですね、アネットさんがこんなに早く起きているのは」
普段、アネットは朝寝坊な方だ。
朝食はきちんととっているらしいが、朝の部隊別集会に遅刻しかけることもある。
そんな彼がこんな時間に起きてくることは珍しくて、
ハイドリヒは驚いているのであった。
アネットはそんな彼の反応を見てにっと笑った。
「へへ、珍しく早く目が覚めたんだ。
ラインハルトは多分もう起きて外にいるだろうな、と思ってさ」
こうして出てきたんだよ、とアネットは笑う。
ハイドリヒは納得した顔をして小さく頷いた。
たまに早起きなのは子供と同じかな、と思いながら。
「そうでしたか……
といっても、私ももう少ししたら部屋に戻るつもりでしたが」
流石にこの時間帯の外は寒い。
剣術の練習をしていればそこまで寒さは感じないし目も覚めてよいのだが、
正直いってあまり長くいようとは思わない。
アネットはその方が良いよ、というように頷いた。
そしてふと何かを思い出したような顔をする。
「そういえばさ年明けだけどラインハルトも城に残ってくれるのな?」
騎士たちの中には一旦自分の故郷に帰って親兄弟に顔を見せにいっている者もいる。
しかしハイドリヒは城を離れることをせず、こうして此処にとどまっているのだ。
アネットが俺は嬉しいけどなーと呟くように言うと、
ハイドリヒは肩を竦めて、いった。
「私が帰る、といったら貴方も一緒にいきたいと言い出すでしょう?」
「う……多分」
アネットはハイドリヒの指摘に視線を彷徨わせた。
彼に兄弟がいることは知っているし、許嫁がいることも知っているけれど……
出来うることならば長く一緒にいたいと思う。
彼が許してくれるならば確かについていきたいといっただろう。
カナリスと同郷である彼だから、一緒に帰るのかもしれない、という思いもあって。
ハイドリヒはそんな彼の反応を見て、ふっと表情を和らげた。
「……だろうと思って帰るのはよしとしました」
ハイドリヒ自身もたまには帰るべきなのだろうなと思いつつあまり帰っていない。
元々、彼も考えていることはアネットと同じで、出来る限り長く自分の恋人と一緒にいたいと思っているのだから。
もっとも、そのために自身の許嫁や姉にお小言を食らうかもしれないが。
アネットはハイドリヒがそういうのを聞いて、申し訳なさそうな、
それでも嬉しそうな顔をして彼を見た。
そして、悪戯っぽく笑って、言う。
「それは嬉しいんだけどさ……
いつかお前の姉ちゃんにも俺らのこと話すべきだよなぁ」
俺らのこと、というのは自分達がこういう関係……
恋人同士であると言うことを、だろう。
恐らくハイドリヒの許嫁、リナはとっくに気づいているが、
そういえば彼の姉にはちゃんと話をしていない。
しかしアネットがそう呟くのを聞いてハイドリヒは露骨にひきつった顔をした。
彼女の暴走ぶりはアネットも目の当たりにしているはずなのだが、
それでもなおそれを言うか、というような表情で。
アネットはそんな彼の顔を見て小さく笑った。
「いや、まぁそりゃ半ば冗談なんだけどさ……
でも、お前の姉ちゃんならさぁ……、
ラインハルトに似合うウエディングドレス探してくる位のことはしそうだよな」
「やめてくださいよ……」
現実になりそうで怖いです、とハイドリヒは呟く。
事実、以前彼の姉……マリアが訪ねてきたとき、
ハイドリヒは強引にメイド服に着替えさせられたのだ。
無論、背が高いハイドリヒに合うような衣装はそう簡単に見つからないはず。
しかし、彼女ならば見つけるなり作ってもらうなりしそうだ。
拘束術も得意なためになすすべなし、なのだからたまったものではない。
あのやり取りをもう一度繰り返す、というのは流石に遠慮したい。
ついでに言うなら、アネットの言う通りになったとしたら……
それはそれは、男としては果てなく情けない気分になりそうだし。
しかしアネットは乗り気なのか、拒むのを残念そうに見ていた。
「えー……だってラインハルト似合いそうだから良いじゃん?
真っ白の衣装よりカラードレス?の方が似合いそうな気がするけど。
もう一回メイド服着てみてほしいくらいだもん、俺」
似合ってて可愛かった、とアネットは言う。
あのときは困り果てている当人を前に言えなかったが、
似合うと思ったことに違いはない。
ハイドリヒはそんな彼を軽く睨んだ。
「そういうこと言うともう口聞きませんよ」
「事実!誉めてるのに何で不機嫌だよ?」
アネットはむくれた顔をしてハイドリヒに反論する。
誉めているのに心外だ、というような顔をしている彼にハイドリヒはいった。
「不機嫌にもなるでしょう普通……
アネットさんだって同じこと言われたら凹むでしょう」
「言われたことねぇからわかんねぇよ。
だって俺が着たって色気もへったくれもあったもんじゃねぇもん」
アネットがそういってからからと笑う。
確かに彼にそういう衣装は……というか、
そもそも女装というものが似合いそうにない。
スカート姿のアネット何て想像つかない。
ハイドリヒの表情を見ていて自分の主張したい所が伝わったのはわかったのだろう。
に、と笑って彼に言う。
「な?似合う奴が着るから可愛いんじゃん?
ラインハルトは美人だからよく似合いそうだし、ウエディングドレスも」
ちら、とハイドリヒを見るアネット。
長く艶やかな金髪は背に流れ、美しい凛とした青の瞳は星のよう。
背はすらりと高く、肌は透けるように白い。
普段の黒い制服も無論よく似合っているが、
女性の格好をしている彼も魅力的だとアネットは思っている。
アネットはとにかく感情が表情に出る。
今彼が思っていたことも鮮明に出ていて、ハイドリヒは溜め息を吐き出す。
「……一旦里帰りしましょうかね」
「わわ、冗談!冗談だから帰らないでったら!」
アネットは慌ててハイドリヒにしがみつく。
そんな彼にハイドリヒは呆れた顔をした。
「まったく……」
懲りないのですから、といってハイドリヒは肩を竦めた。
アネットは思ったことをすぐに口に出す、すぐに行動に移すタイプ。
それが仇となることもあると何度いったことやら、とハイドリヒは思う。
本気でいった訳ではないことがアネットにもわかったらしく、
アネットはハイドリヒの体を離す。
そして、フォローするつもりか笑いながらいった。
「まぁ、ラインハルトにドレス着せて俺がタキシード着たら見劣りそうだしな……
俺の方が背ぇ低いもんなぁ」
「まだ言いますか」
結局話は変わっていない。
もう私は帰りますよ、といってハイドリヒは部屋の方へ歩き出す。
アネットはそれを慌てて追いかけた。
―― Wedding Dress ――
(本当に婚姻を結ぶことは出来ないけれど
そういうのに憧れる位は良いと思わないか?)
(貴方が言わんとしていることはわかりますが……
だからといって私が女の格好をする理由にはならないでしょう!)