チアーノさんとアルでのショタコラボ小説です。
ナハトさんの可愛いイラスト見てたらやってみたくなりまして…←おい
*attention*
チアーノさん&アルのショタコラボ小説です
ほのぼのです
ラストでちらっとムッソリーニさんとも絡ませていただきました
ナハトさんの可愛らしい絵から派生させてしまいました…
チアーノさんは綺麗な長い髪をしていらっしゃるので…
髪フェチ多い我が家←ぇ
相変わらずの妄想クオリティ
ナハトさん本当にすみませんでした…!
以上がOKと言うかたは追記からどうぞ!
「久しぶりに来ましたねぇ……」
小さく呟くのは、黒い制服を身に付けた長い赤髪を揺らす少年。
赤髪の少年……チアーノはきょろきょろと辺りを見渡しつつ、
長いリノリウム張りの廊下を歩いていた。
廊下を行き交う騎士達は皆白衣を身に付けている。
そんな中に探すのは、白髪の少年。
廊下や講義室には姿が見当たらないため、
彼の部屋かな、と思いつつ足を向けてみようとしたところ……
「あれ?チアーノさん?」
不意に声が聞こえて、チアーノは驚いたように振り向いた。
そこにたっていたのは探していた張本人。
ふわふわとした白髪、黄色い瞳の少年……アル。
彼はチアーノの姿を見ると嬉しそうに微笑んで、挨拶をした。
「お久しぶりです、アルさん。遊びにきていらっしゃったんですね!」
「はいー、ドゥーチェと一緒に遊びに来たんですよぉ」
アルにつられたようににこにこと笑うチアーノ。
元々友人同士である彼ら。
久しぶりの対面は嬉しいのだろう。
と、そこでアルはふと何かを思い出したような顔をした。
そしてチアーノを見つめつつ、小さく首をかしげる。
「あ、今からお時間ありますか?
僕、ちょっとチアーノさんとしてみたいことがあって……」
「?良いですよー?」
特にすることがあるわけでもないし、
アルが暇なようなら一緒にすごそうと思っていた。
だから、彼の申し出は全然構わないのだけれど……――
いったい何をするつもりなのだろう、と思いつつチアーノは頷く。
するとアルは嬉しそうに笑って、チアーノの手を引いた。
***
そうして、チアーノとアルは二人でアルの自室にいた。
本と医療器具がたくさんおいてある、静かな部屋。
容姿のわりに大人びた雰囲気の部屋だ。
そんな部屋の床に二人は座っていた。
チアーノを前に座らせて、アルはその後ろにぺたんと座っている状態。
これがアルの"やりたいこと"らしいのだが……
チアーノには彼が何をしたいのかさっぱりわからない。
ただ、先程からアルが熱心にチアーノの髪を撫で付けていると言うことはわかった。
「髪長いですねぇ……すごくきれいですしー」
アルはチアーノの長い赤髪を撫で付けつつ、微笑んだ。
艶やかで柔らかい髪。
そして、アルはその髪を丁寧に編んでいく。
そう。
彼がやりたかったこと、と言うのは彼の髪をこうして編むことである。
長い髪の人間にこうして三つ編みにしてもらうのが好きなのだった。
「ん、アルさん……?何してるんですかぁ?」
「あ、動かないでくださいー」
「え、あ、はい……?」
アルに言われてチアーノはおとなしく前を向いた。
どうにか、何となく彼が何をしているのかはわかった。
「あ、痛かったらいってくださいね?」
「それは大丈夫ですけど……やりたかったことって、これですか?」
「はい。きっと似合うと思って……よし、完成ですー!」
どうにか仕上がったらしい。
アルはチアーノが髪を束ねていた紐で彼の髪を縛り直すと、完璧!と無邪気に笑う。
「ほら、見てみてください!」
チアーノはアルに手を引かれるままに大きな鏡の前にたった。
綺麗に編み上げられた赤髪が背中に長く垂れている。
解れたりしているところは少なく、綺麗に編み込まれており、
チアーノは感嘆の声を漏らした。
「アルさん、器用ですねぇ……」
「えへへ。こういうのは得意なんですよ。
やっぱり似合います、チアーノさん」
アルが照れたような笑顔でそういったとき。
ちょうど、ドアを誰かがノックした。
アルは顔をあげて"どうぞ!"と返す。
そして部屋にひょいと顔をいれてきたのは……
金髪に碧眼の少年。
チアーノと一緒に来ているといっていた彼……ムッソリーニ。
彼は鏡の前に立っている赤髪の少年と白髪の少年を見て、微笑む。
「此処にいたんだなー、チアーノ」
「あ、ドゥーチェ。何かご用ですかー?」
チアーノは彼の方を振り向きながらいう。
ムッソリーニはいつもと違う髪型をしている彼を見て幾度か瞬きをした。
「え、チアーノどうしたの?」
「僕がやらせてもらったんですよ!」
アルはにこにこと笑いながらムッソリーニに言う。
ムッソリーニは納得した顔をして頷いた。
「なるほどー、アルの坊っちゃんにやってもらったんだ?
チアーノ、可愛いじゃん」
ムッソリーニはそういいながらにっと笑う。
アルはそんな彼に笑顔を向けて"可愛いでしょう?"という。
チアーノは少し照れたような顔をした。
「あ、ムッソリーニさんももうお仕事ないですか?
ないようだったら、チアーノさんも一緒に、お茶にしませんか?」
「え?一緒にいいの?」
「えぇ、せっかくですから一緒にしましょ?」
アルはそういってドアの方へ歩き出す。
チアーノはそんな彼を慌てて呼び止めた。
「あ、アルさん、僕これほどいていいですかぁ?」
「えー、ほどいちゃうんですか?せっかく可愛いのにー……」
少し残念そうなアルの言葉にチアーノは苦笑する。
自分よりずっと年上のはずの彼なのに、そうは思えないのはやはりこういう時だ。
ムッソリーニはチアーノを見てにかっと笑う。
そして少しからかうような口調でいった。
「もう少しそのままにしておいてあげたらー?」
「そうですねぇ……アルさん、前からやってみたかったっていってましたし」
もう少しだけこうしておきますかねー、と言いつつ、チアーノは微笑んだ。
―― Suit! ――
(とてもよく似合いますよ、と笑う大切なお友だち)
(だってとても綺麗な髪だから、こうして見たかったんです!)