主人公コラボでお嬢様&執事パロ?です。
妄想全開ゆえ謎なテンションになってしまいました…
フィアがヒトラーさんに敬語使わない、ヒトラーさんがフィアに敬語という逆転現象です
…楽しかったです←おい
*attention*
主人公コラボSS
お嬢様&執事パロ?です
フィアはお嬢様でもきっとこんな感じ
ヒトラーさんは初だったら可愛いな、と思って←おい
むちゃくちゃな主人に振り回され気味な執事さん好きなのです(ぇ)
とりあえずヒトラーさん、ごめんなさい
相変わらずの妄想クオリティ
ナハトさん、本当にすみませんでした…!
以上がokというかたは追記からどうぞ!
秋晴れの青空が広がる、ある日の午後。
その街でも有数の、大きな屋敷。
多くの執事が雇われているその屋敷のある一室。
そこの椅子に座っているのは、長い黒髪の少年。
彼もこの屋敷に雇われている執事のひとりである。
広大な屋敷を手入れしたり、
屋敷の主人たちの給仕のために雇われている使用人はかなり多い。
そのなかでも彼……ヒトラーは優秀な執事であり、
この屋敷の主人の専属の執事もこなしていた。
自分がやらなければならない仕事をこなし、休憩をしていた彼。
慣れた日課の感覚で、ふと本から顔をあげる。
「そろそろ時間、か」
懐中時計を取り出して、黒髪の執事は小さく呟いた。
時計の針が示している午後三時。
午後のお茶の時間である。
ヒトラーの長い黒髪が風になびく。
椅子から立ち上がるのでさえも優美な動き。
名家に雇われている執事である彼も必然こういった雰囲気が自ずと身に付く。
なれた手つきでティーセットを用意しつつ、
ヒトラーは主人がいるであろう隣室の壁に視線を投げた。
自分を呼ぶためのベルが鳴ったら聞こえる主人の隣の部屋にいた彼だが、
いつもの通り、今日もベルが鳴らない。
彼の主人である少女は自分を呼ぼうとしないのだ。
主人に言いつけられた仕事をこなすのがヒトラーたちの仕事なのにも関わらず、
あの少女は自分の出来ることはすべて自分でこなしてしまう。
着替えにせよ、外出の準備にせよ、だ。
わざわざお前の手を煩わせるほどのことでもなし、といって彼女は笑っていた。
それがまた彼女らしいのだけれど、と思いつつヒトラーは笑う。
紅色の瞳が細められた。
幼い頃からよくしった彼女の癖は、考え方は、ヒトラーもよく知っている。
そんなこんなで、支度が整った。
彼女が好きなガトーショコラとティーセットとのせたワゴンを押し、ヒトラーは隣の部屋にいく。
ドアの前に立って、ヒトラーは小さく息を吐いた。
そのまま、なかにいるであろう彼女に声をかける。
「フィアお嬢様」
「ヒトラーか。開いてるぞ」
部屋から聞こえてきたのは、そんな凜とした声。
この返事のしかたも相変わらずだな、と思いつつヒトラーは小さく苦笑する。
お嬢様らしさとはほど遠い、どちらかと言えば少年のような返答の仕方。
新入りの使用人が聞くと大概驚くものなのだが、
彼女が幼い頃から友人として、専属の執事として傍にいたヒトラーは慣れている。
そして、ヒトラーはそのままにドアを開けて入室した。
「失礼いたします」
なかにいるのは無論、この屋敷の主の少女……フィア。
ヒトラーは恭しく一礼してから顔をあげて……フリーズした。
亜麻色の髪にサファイアブルーの瞳の少女……フィアは椅子に座っていた。
勉強や読書が好きなフィアが椅子に座っているのはいつものことなのだが、
問題は、その座りかたと彼女の格好。
普通に座っているならばまだしも、
一方の肘掛けに足をのせて、もう一方で頬杖をついている。
勉強でなく読書をしていたと見えて、そんな乱れた座りかた。
もうひとつの問題は、彼女の服装である。
出掛ける訳ではないし暑いから、といって今日彼女が着ているのは短いワンピース。
そんな格好で大胆に足を組めば、どうなるかは目に見えている。
固まっているヒトラーには気づかず、フィアは時計を見る。
そして、驚いたように口を開いた。
「もう茶の時間か……早いな。
本を読むのについつい熱中してしまって……
そろそろ涼しくなってきたし出掛けようかと……って、ヒトラー?」
何を固まっているんだ、とフィアは声をかけた。
そこで漸くフリーズから解けたヒトラーははっとした顔をした。
みるみるうちにその白い頬が赤くなる。
「っ!で、すからお嬢様……っそういう格好は……っ」
顔を真っ赤にして後ろを向いてしまうヒトラーを見て、
"そういう格好?"といいながら、フィアは怪訝そうな顔をした。
そして自分の格好を見る。
すぐに納得した顔をして、頷いた。
足を組んでいるためにスカートはぎりぎりまで上がってしまい、
白く細い足が見事なまでにさらされている。
これは確かに、"彼"には刺激が強すぎるかもしれない。
そしてフッと笑いながらヒトラーの方を見る。
サファイア色の瞳が悪戯っぽく光った。
「相変わらずの過剰反応だな」
「過剰……っ」
ヒトラーは何か言いたげに口をぱくぱくさせるが、音が乗っていない。
本当ならばどこか過剰!?とツッコミたいところなのだろう。
しかしそれは心中でツッコミをいれざるを得ない。
いったところでさらに彼女の笑みが濃くなるだけと知っている。
そんな彼を見てフィアはくすくすと笑った。
―― 本当に変わらないな。
フィアの執事でありながら女性に耐性のない彼。
普段町中でかいものをしているときに女性に声をかけられようものなら表情がひきつる。
その初さが可愛いと言えば、彼は不満そうな顔をすることも知っている。
恐らく、普段のフィアがよくも悪くも普通の女性らしくないからだろう。
さすがに外に出掛ける時にはそれらしい格好……
長くてひらひらしたドレスやワンピースを身に付けたりするが、
普段の彼女は現在のような軽い格好を好む。
ほんとうは街の普通の少女、下手をすれば少年が着ている服を着たいというのだが、
流石にそれは、許容するわけにはいかない。
そうして男らしい主人を持つヒトラーは、
時折こういったフィアの行動に驚かされ、赤面させられていた。
ついでにフィアは時々それを面白がるのだから、余計にたちが悪い。
「まぁ、それはおいといて」
フィアはそういって、体勢を直した。
正しい座りかたさえしてくれれば、まだ問題はない。
彼女が動く気配にほっとしたように息をはいて、ヒトラーはフィアの方を見る。
フィアは笑顔でヒトラーにいった。
「今日はガトーショコラなんだな」
「えぇ」
「ヒトラーも一緒に食べないか?ひとりで食べるには味気ない」
何の気はなしに、フィアはそういう。
ヒトラーはそんな彼女の発言に目を見開く。
驚いた顔を彼女の方に向ければ、ふっと笑って"駄目だろうか?"と首をかしげる。
駄目、といったところでフィアの性格だ。
勝手に皿にケーキを切り分けるであろうことはわかりきっているのだけれど。
その証拠にフィアの手には小さな銀のベルが握られていた。
彼女はこういう時ばかり、"命令だ"等といってこれ見よがしにベルを振る。
フィアの指先がベルをいじるとちりちりと軽やかな音が聞こえた。
ヒトラーが諦めたように笑う。
その笑みを見て、フィアは満足そうに笑った。
―― Lady ――
(決して威張りはしない私の主人)
(どちらかと言うと私たちの関係は友人同士のようで)