「あっ、こんにちは〜。今日もバッチリ眼鏡ですね!(ぐっ)」
バイトの先輩が更衣室に入ってきたので、ちょっとテンション高めに絡んでみた。むしゃくしゃしてやった。誰でもよかった。まさかこうなるとは思わなかった。今は後悔している。
「おうよ、ところで鴉くんよ」
「なんでしょう?」
先輩は全裸でカタログを僕に見せて来た。いや、全裸はノリで付け加えただけで、実際はコートを脱いでいただけだった。
うん、ちょっと調子に乗ってみたかったんだ。ごめんよ先輩。愛してるよ秋奈ちゃん。
「ケーキ、ですか?」
おっと話が脱線したね。すまない。
先輩が見せたカタログは、ケーキのそれだった。愛してるよ秋奈ちゃん。
「クリスマスにたのもうと思ってるんだけどさぁ〜、」
はっはぁ〜ん? 僕ちゃんわかっちゃいましたよ先輩。僕の脳内恋愛センサーを甘く見たなッ!?
「一人で食べるにはどれがいいかなぁ。」
うわあああぁぁぁぁぁ先輩それ超鬱な話題じゃんかああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ
「せ…先輩、今何て?」
今のは聞き間違いだった。
ああそうさ、そうだよそうに決まっている!
聖なる夜に一人「え? だから
一人で食b「ストップストップ! ウェイト・センパイ! ジャスト・ア・モウメントォォオォゥ!!!」
俺は阻止した。英語で。
いや別に英語だからと言ってブッシュに感化された訳じゃない。GHQの政策は嫌いだし。(?)
ただそれ以上言うと何かが崩壊する、そんな予感がしたからだ。これはつまりあれだ、つまりあの、あれ。えーと、なんだ。
ああ思い出した。沙都子は可愛いなあ。
「センパイ、まだ運命のクリスマスまで一ヵ月あります。今から諦めてはいけません。まだやれます!」
俺は頑張った。センパイに頑張ってほしかった。
「いや、もう無理だよ……」
うわああああぁぁぁぁぁ
「ならば…奥の手を使いましょう…」
そうッ、それは禁断の魔術書・ネクロミノコンに記してある超危険な奥の手ッ! どの位危険かというと、かの最強魔法エターナルフォースブリザードやディアボリック・デス・バースト、フォン・ド・ヴォーやファイナル・タクティクス・ハイドに匹敵する程ッ!!
「脳内彼女ですよ、先輩」
「の…脳内……彼女…だと…………ッ!」
先輩は某死神漫画ばりの衝撃を受けていた。
きっとようやく二次元の素晴らしさを理解してくれたんだと思う。…………………思う。
「僕が選りすぐりの彼女を紹介します。秋奈ちゃんは渡しませんが。
……うん、初音ミクなんかどうです?可愛いですよぉ」
画面の前の貴様!初音ミクを馬鹿にするなッ!!? あの可愛さと色彩は素晴らしいッ!
「ッ……!初音…ミク……!」
どうやら先輩、貴方はようやく二次元の素晴らしさを知ったようだッ!
そう、脳内彼女は寂しいときも嬉しい時も常に一緒ッ!
風呂に入る時もトイレすらも!……ああ、それって一体何てエロゲ!? みたいな展開ッ!
夜はあんなことやこんなことも! ニーソ・ツインテも可ッ!
「気に入ったよ鴉くん、僕には脳内彼女しかなああい!」
「ふふふ、オススメの脳内彼女を知りたい時にはいつでも頼って下さいよ!」
「ああ!」
こうして僕達は友情を誓った。
だがしかし僕は失念していた。
そうッ! 隣が女子更衣室で声が筒抜けである事実をッ!!!
ああなんだ、仕事をしてるとき女の子の目が嫌に冷たいと思ったらそういう訳か畜生リアル少女めが!
僕達を変態扱いしやがったな!!!???
ああそうさ僕達は変態だ。
だがそれがどうした! そうさ僕は生粋のロリコンで変態だ!
学生が大好きだ! だが、もう一度言うッ!それがどうしたッ!
男 が 変 態 で 何 が 悪 い ! ?
そうして俺の一日は幕をとじた。
※一部着色してお送りしました。
こうして僕は日々人類最強に近付くのだ。