*はじめに*
登場人物紹介などは、『オリジナル小説『純血の殺し屋-完結・後編-』紹介』と表記されている日記をクリックした次のページに書いてみました。
小説は、小説と言うより脚本のように誰が何を喋っているのかが分かるようになっています。
単に、作者自身が混乱しないようにというために。←
誤字や内容の綴りにおかしな点がありましたら、すみません。
最後に言うのも変ですが、興味があったら読んでみてください。
あ。
この作品は、ミステリーサスペンスです。
あと、キャラクターの設定が少年漫画風になっています。
あと『♪』……お許しください人( ̄ω ̄;)
次から、『純血の殺し屋』の完結・後編です⇒
story.2:『悪党の顔』
警視庁の幹部、警視局長の福崎零一氏の一人息子・福崎善が一連の槐事件の首謀者として警視庁で逮捕された。
そのニュースが深夜の報道番組に流れたと同じ頃、福崎善が逮捕される直前に槐事件の実行犯である槐たちが、槐事件に関する記憶を取り戻していたことが明らかになり、槐事件は連日のニュースで特集が組まれた。
逮捕された福崎善は、後に実父殺しと愚か者殺戮事件などでも逮捕され、次のように語っている。
福崎:「僕は、何が起きようと槐事件を成功させなくてはならなかったんです」
福崎善はこう口にすると、槐事件の背景を語り出した。
そもそもの始まりは、17年前に起きた『廃倉庫未成年少女誘拐殺人事件』だった。
この事件は当時、ヤグサから拳銃を受け取った未成年の不良グループが、被害者である山村若菜を殺害し、彼女を助けに来た他2人の少女を一人の警察官が命懸けで救出し、重症を負った------------という風に報道されたが、真実は違った。
実際は、山村若菜以外に何人もの死人が出ていた大事件だった。
福崎善の話によれば、あの事件で犯人グループが使用した拳銃は、とある現役の警察官が紛失していた拳銃だった。
山村若菜が絞殺された現場には、犯人グループと2人の少女の他に福崎善本人と救出しに来た現役の警察官と、その事件で殉職した阿岐名葉月という男性警察官が存在していた。
福崎:「阿岐名さんは、僕たちを守るために盾となり、犯人グループが所持していた拳銃で撃たれて死亡しました…」
その後、犯人グループを説得するために現役の警察官は自身が所持していた拳銃を構えたが、その前に犯人グループが所持していた拳銃に撃たれてしまった。
福崎善は、死んだ山村若菜や阿岐名葉月たちの仇を打つために現役の警察官が所持していた拳銃を奪い、犯人グループを撃った。
福崎善はこの後、2人の少女と共に現場で保護され、警察署へ向かった。
その際、福崎善は自首をするためにとある警察官に自身の罪を告白した。
だが、福崎善が罪を告白した警察官は、実は例の拳銃を紛失した現役の警察官だった。
現役の警察官はその当時、既に警視庁の幹部だった福崎善の父親、福崎零一に彼の罪を伝える際に自分が故意で拳銃を紛失したことを告白したらしい。
福崎零一は一人息子である福崎善を守りたい一心で、拳銃を紛失した警察官の要求を飲み、福崎善の罪を阿岐名葉月に被せ、『廃倉庫未成年少女誘拐殺人事件』を早急に解決させた。
その後生死の境から生き延びた、福崎善と2人の少女を救出しに行った現役の警察官の口を塞ぐために、事件以前から彼が希望していた刑事課に移動昇進させた。
福崎:「警察組織は縦社会です。
その警察官は"違う"と訴えたかったが、僕は海外留学させられ、あの事件に巻き込まれたことで、彼女たちも家庭内事情で。
現役警察官が目を覚ました時にはあの事件に深く関わっていた人間は皆、離ればなれになってしまった…」
『廃倉庫未成年少女誘拐殺人事件』のその後、香港へ留学していた福崎善は、槐事件のキーである催眠術……マインドコントロールを学び、日本へ一時帰国した際に実父にマインドコントロールを掛け、あの事件の裏で起きた真実を聞き出した。
福崎:「香港へ戻った後……執拗に金を要求してくる師匠をマインドコントロールし、殺害しました。
その頃から僕は香港で、"殺し屋"と呼ばれるようになった……」
その後、日本の財務省に就職することが決まった頃、廃倉庫の事件で生き残った犯人グループの……山村若菜が死ぬきっかけを作った遠藤実千香を殺害した。
福崎善の知らぬ間に、山村若菜を死に追いやった遠藤実千香は結婚し、一児の母になっていた。
福崎:「『私は幸せになっていいんだって、皆が言っていた』…そう彼女は言いました。
若菜のことを思い出したら殊更、許せなくてすぐに拳銃で殺害しました…」
子供にはマインドコントロールを掛けていたから、騒がれることはなかった。
福崎善は、未解決だった遠藤実千香の死の真相を語ると、ようやく槐事件に繋がる話を始めた。
福崎:「槐事件を思い付いたのは、犬の仮面の男……アートロとの出会いでした。」
アートロにも復讐したい相手がいることを知った福崎善は、槐事件を思い付き、アートロをマインドコントロールして、槐事件の元となる『槐-エンジュ-計画』を2人で模索した。
先ずは、アートロ以外の仮面の人物を集めて、彼らに催眠術を伝授させた。
槐事件の実行犯である槐たちの選定は、あの事件で福崎善を救出しに行った現役の警察官の周囲から探すことにした。
なぜなら、その警察官の存在が福崎善には重要だったからだ。
廃倉庫の事件で殉職した阿岐名葉月は、その警察官の同期だったのだ。
そしてもう一つ重要なこと。
殉職した阿岐名葉月と拳銃を紛失した警察官は同性愛者で、恋敵手だった。
福崎善が槐事件の中心に立たせたかった警察官のことが、2人は好きだったのだ。
つまり拳銃を紛失した警察官には、阿岐名葉月を陥れる理由があったのだ。
槐事件の終盤、福崎善は猫の仮面を被って拳銃を紛失した警察官をナイフで襲った。
だが、殺すためではない。
福崎:「僕は決めていました」
すべての槐事件が終わり、実父の福崎零一を殺害した後の福崎善の前に、槐事件の中心にいた警察官が現れた。
すべてを話した福崎善は、警察官にマインドコントロールを掛けようとしたらしい。
福崎:「拳銃を紛失した……阿岐名さんを陥れた警察官は、彼が蹴りを付けるべきと思いました」
だから問い掛けた。"彼"に。
福崎:「あの男を、"貴方が殺す"のか……。"僕が殺す"のか…」
真実を聞いて、過去の廃倉庫事件を思い出して、その警察官は泣いていたらしい。
彼には復讐をする権利がある------------福崎善はそう思っていたが、その警察官が出した答えは、福崎善が問い掛けたものとはまったく違うものだった。
福崎:「彼は、警察官であることを選んだ…」
彼は…水嶋律は、真実を聞いても尚、復讐を選ばなかった。
そんな彼だからこそ、福崎善は大人しく彼に逮捕された。
福崎:「でも。"問題はここから"ですよ、皆さん?」
槐事件の真相のほとんどを話した福崎善は、頬杖を付きながら不気味なくらい笑顔でこう言った。
福崎:「僕を死刑にしないと、本当の意味で槐事件は終わりませんからね。」
福崎善は、こう続けた。
福崎:「大事件を隠蔽し、今の今まで国民を騙してきた警察は、果たしていつ僕を罪に問うことが出来るのでしょうか?」
福崎善がそんな挑戦的な台詞を口にし、世間に報道された一週間後、香港の警察組織から要請があった。
福崎善を取り調べるために身柄を渡してほしいという要請だったが、槐事件や愚か者殺戮事件、実父殺害に遠藤実千香殺しなど多くの殺人事件に関与していた事実が明らかになっていたため、簡単には受理出来ず、福崎善の身柄については政府を巻き込んで、香港との長期間に渡る話し合いが行われた。
槐たちの取り調べがようやく本格的に始まった頃だった。
------------To be Continued...