*はじめに*
登場人物紹介などは、『オリジナル小説『純血の殺し屋-完結・前編-』紹介』と表記されている日記をクリックした次のページに書いてみました。
小説は、小説と言うより脚本のように誰が何を喋っているのかが分かるようになっています。
単に、作者自身が混乱しないようにというために。←
誤字や内容の綴りにおかしな点がありましたら、すみません。
最後に言うのも変ですが、興味があったら読んでみてください。
あ。
この作品は、ミステリーサスペンスです。
あと、キャラクターの設定が少年漫画風になっています。
あと『♪』……お許しください人( ̄ω ̄;)
次から、『純血の殺し屋』の完結・前編です⇒
story.5:『想い』
放課後、自分を迎えに来た水嶋が連れて行ってくれた一件のカフェで先に待っていたのは、友人の葉隠里沙と真紀だった。
奥に座ると、その隣に水嶋が座る。若菜は俯きながら黙ってしまうと、真紀が話し掛けた。
真紀:「若菜と水嶋さん。何か注文したら?」
水嶋:「そうだな。…じゃあ、コーヒーにしようか。若菜は、どうする?」
若菜:「紅茶で……」
若菜からの注文を聞いてから、店員を呼び、2人分の飲み物を追加注文した。
店員が去ってゆくのを見計らい、水嶋はようやく若菜に事情を話した。
水嶋:「若菜、ごめんな。
昨日の夕方に偶然、善と会った時に若菜が学校でイジメられてるって聞かされて…。
若菜はイジメられるような人間じゃないとは思ったんだが、やっぱり心配で。」
水嶋は、話を続けた。
水嶋:「男ばかりで聞いても若菜が話しづらいだろうからって、里沙と真紀を呼んだんだ。
騙すつもりはなかったんだけど、不甲斐な思いをさせたなら…」
若菜:「あ、あの。別に不甲斐な思いとか…怒ったりしてないの。
本当に、ちょっとびっくりしただけです」
若菜はそう言うと、また俯いてから言った。
若菜:「福崎くんにも、やっぱり迷惑掛けちゃったな……」
里沙:「若菜、本当なの?イジメられてるって…」
真紀:「話、聞くよ。今なら福崎くんと阿岐名さんいないし」
里沙と真紀がそう言うと、若菜は少し考えてから、口を開いた。
若菜:「……最初の頃は、クラスメイトとも上手くやれてたし、福崎くんとも一緒に登下校もしてたの。だけど、急にクラスメイトが私を避けるようになって、代わりに不良生徒に絡まれるようになったの…」
若菜は深刻な表情をしてながら、話を続けた。
若菜:「殴られたり、後ろから突き飛ばされたり……イジメが酷くなってきた時も、悩み相談を福崎くんに聞いてもらってたんだけど……」
若菜は顔を上げて、話を続けた。
若菜:「福崎くんと同じクラスメイトに遠藤実千香さんって女の子がいるんだけど……。
ある日、彼女と数人の男女に校舎裏に呼び出されて、彼女にこう言われたの。」
若菜はそう言うと、彼女が放ったという台詞を口にした。
若菜:「『福崎くんはあたしのなんだから、アンタに福崎くんの周りをうろうろされると迷惑なのよ』って……」
真紀:「それって、イジメの原因は福崎くんってこと?」
真紀の問い掛けに若菜は頷くと、福崎についてこう話をした。
若菜:「福崎くんって凄いの。
成績は学年トップだし、スポーツも得意で。おまけに顔立ちも整ってるから、福崎くんのことが好きな女の子がたくさんいるってことは知ってたんだけど……。
まさか一緒に登下校していただけで、嫉妬されて、イジメに発展しちゃうだなんて思わなくて…」
水嶋:「なるほどな…」
水嶋は納得しながら福崎のことを思い浮かべて言った。
水嶋:「ここだけの話、確かに善は抜け目ないよなァ。実家も父親が警視庁のお偉いさんとくれば、善の前途が明るいなんて想像出来るしなー」
若菜:「それに福崎くんは優しいし、頼りになるし…」
若菜がそう言うと、里沙と真紀は互いを見合いながら言う。
里沙:「あれれ?中学の時、女の子に混ざって遊んでたあの福崎くんが?」
真紀:「頼りになるぅ?」
にやけ顔の2人が若菜を意地悪な目で見ると、若菜はポッと頬を赤くして、また俯く。
すると、そんな若菜に気付いた水嶋が一言。
水嶋:「若菜……お前、善のことが好きなのか?」
若菜:「えっ!?わっ、み、水嶋さん!何を言ってるの…!」
明らかに動揺する若菜に、水嶋と葉隠姉妹は笑顔になる。
学校で福崎のことを避けたのは、単に福崎に迷惑を掛けたくないからなのかと水嶋は思った。
若菜が体を小さくさせて俯きながら、顔を真っ赤にさせていた時、里沙がこう提案する。
里沙:「ねぇ、ひょっとしたら若菜へのイジメ、解決するかも」
真紀:「そうだねぇ!」
若菜:「…え?」
2人のその話に、水嶋も頷く。
水嶋:「でも解決するには、善の協力が必要不可欠だけどな!」
水嶋がそう言った時、店の扉がカランコロンと開かれた。
来店してきたのは、阿岐名と福崎の2人。
福崎:「若菜…」
こちらを見付けるなり、心配そうな顔を浮かべながら近寄ってくる福崎に、若菜は思わずきゅっと胸を抑える。
水嶋はそんな若菜と福崎を交互に見てから、福崎と阿岐名を椅子に座るように促して、作戦会議を開始した。
------------To be Continued...