*はじめに*
登場人物紹介などは、『オリジナル小説『純血の殺し屋9』紹介』と表記されている日記をクリックした次のページに書いてみました。
小説は、小説と言うより脚本のように誰が何を喋っているのかが分かるようになっています。
単に、作者自身が混乱しないようにというために。←
誤字や内容の綴りにおかしな点がありましたら、すみません。
最後に言うのも変ですが、興味があったら読んでみてください。
あ。
この作品は、ミステリーサスペンスです。
あと、キャラクターの設定が少年漫画風になっています。
あと『♪』……お許しください人( ̄ω ̄;)
次から、『純血の殺し屋』の第9章です⇒
story.21:『復讐心』
翌日の朝------------九条秋生は、ベッドの中にいた。
ひかり:「……………。」
昨夜、帰宅してから秋生はすぐにベッドに潜り込んで寝てしまったのだ。
秋生から何も聞かずに、富永ひかりもすぐに寝たのだが…。
『昨夜、キャンディーホップ芸能プロダクション会社に、再び第9の槐が現れました。
社員の30代男性を襲い掛かりましたが、その場にいた女性警察官が男性を庇い、男性は無事です。』
朝のニュース番組で、男性アナウンサーがこう読み上げる。
『女性警察官は、背中を2度刺され、重症を負いましたが、命に別状はありません』
男性アナウンサーの言葉を聞いて、ひかりは自然とホッとした。
関係のない女性警察官が無事だと聞いて。
だが、同時に秋生の復讐は邪魔されてしまったと知り、ひかりは悩む。
良かった…というのは、違う気がするし。
残念とも、言いにくい。
ひかり:「……っ…」
だが、秋生からしたら、やはり残念なことなのだろうか。
ひかりは、胸を痛ませながら朝食の用意をしていた。
ひかり:「あ、もうこんな時間」
時計の時間帯を見てから、まだ起きて来ない秋生のところへ向かって声を掛けた。
ひかり:「秋生ー。もう起きないと、遅刻しちゃうよー」
ひかりがそう声を掛けると、秋生はベッドの中でもぞもぞと動いてから、ようやく起き上がった。
その顔は、昨夜のことがなかったかのようにすっきりしていた。
秋生:「ぉはよ…」
秋生は、あくびをしながら食卓に付いた。
ひかりはいつも通り過ぎる秋生の様子に、驚きが隠せない。
ひかり:「…昨日のこと、ニュースでやってたよ。
女性警察官に、邪魔されちゃったんだね?」
秋生:「ああ、あれね。」
ひかりの問い掛けに、秋生は平然と言った。
秋生:「今時……しかも女の人が、ターゲットの男を身体張って助けたんだ。関心したね、あれは」
秋生は、運ばれてきた目玉焼きを見ながら聞いてきた。
秋生:「あの女性、大丈夫なの?」
ひかり:「う、うん。女性警察官は、無事だって。ニュースで言ってた…」
秋生:「そっか。良かった…」
秋生はそう言うと、「頂きます」と言ってから箸で目玉焼きの黄身を崩した。
ひかりも椅子に座り、「頂きます」と言って朝食を摂る。
すると、黄身を崩しながら秋生はこう言った。
秋生:「今日、ゲスト出演する昼の生放送にね、ラストターゲットが出演してるんだ。」
ひかり:「……"ご主人様"から連絡来そう?」
ひかりがそう聞くと、秋生は箸で目玉焼きを突き刺してからこう言った。
秋生:「連絡なくても、今日で最後にする。
メールが来るのを待って逃したんじゃ、またいつ機会があるか、分からないだろう」
秋生はそう言うと、ひかりを見据えながら言った。
秋生:「今日で最後だから、千春の写真を持ってスタジオに来るか?」
ひかり:「……!」
秋生の誘いに、ひかりは迷わなかった。
ひかり:「行く!絶対に行くよ。
千春ちゃんと一緒に!」
ひかりがそう言うと、秋生はニヤリと口元を笑わせてからやっと目玉焼きを口にした。
機嫌が良さそうだ。
ひかり:(そうか…)
今までのターゲットたちは、秋生にとってみれば、ラストターゲットを殺害するまでの的に過ぎなかったのだ。
つまり、黒沢を殺害出来なくてもラストターゲットさえ、千春を殺した奴を殺害出来れば、秋生は納得出来るということなのだ。
ひかり:(今日で、終わる)
秋生。私はどんな結果でも味方だからね------------ひかりはそう思いながら、秋生と一緒に食事を摂るのであった。
--------------------------…
千春の葬式が執り行われた。
お経の声。亡き千春の姿に、俺は耐えられなかった。
ひかり:「秋生!待って!」
その呼び声を振り切り、俺はその場を逃げ出した。
千春が死んだ------------その事実が受け入れられなかった。
秋生:「くぅっ…」
黒い袖に、涙が滲む。
もうどれくらい走っただろう。
賑やかな町並みと、黒いスーツに身を包んだ泣きっ面の俺。
秋生:「何でっ…」
どうして、千春は死ななければならなかったのだ。
聞いた話では、千春は殺されたと言うじゃないか。
秋生:(誰が…)
誰が何のために、そんなことをしたのか。
秋生:(まさか…)
俺は、思い出した。
キャンディーホップ芸能プロダクション会社の代表で、マネージャーの代わりに警察署を訪ねた社員が言っていた。
千春が受けたオーディションとは、主演オーディションだったらしい。
秋生:(それに…)
『あとお兄ちゃん、ごめんね。
私、これか------------』
"これから寄り道をする"。
千春はそんな言い回しだった気がした。
千春が電車に跳ねられた時、誰かが千春と一緒にいたはず。
だが、警察が駆け付けた時にはいなかった。
秋生:(そいつが千春を殺した!)
俺は、結び付けた。
秋生:(犯人は、芸能関係者!)
無理やり……だと思われるが、俺は本気でそう思った。
だって、他に思い当たらない。
------------実際にこの後、犯人は芸能関係者だと分かった。
?:「ねぇ、君…」
その時、秋生は声を掛けられた。
振り向くと、そこにいたのは現マネージャーでもある高橋だった。
高橋:「わぁ、やっぱり。間近で見るとカッコいいね!」
秋生:「はぁ…?」
突然のことに、俺は困惑したが、高橋はすぐに名刺を取り出して言った。
高橋:「初めまして。僕はこうゆう者です」
手渡された名刺を見て、俺はハッとした。
この人は芸能スカウトマン。
今、自分をスカウトしているのだと…。
高橋:「君、芸能界に興味ない?
良ければ、少し話がしたいんだけど!」
高橋はそう一生懸命に言う。
俺は、思った。
自分は芸能界にスカウトされている。
秋生:(上手く芸能界に入れれば、千春を殺した奴に近付け易くなるかもしれない!)
俺は少し興奮気味になっていたのかもしれない。
この時はまだ根拠のないこと。
けど、芸能関係者が千春を殺したとしか考えられなかった。
高橋:「ところで…」
高橋は、問い掛けてきた。
高橋:「君の名前は何て言うの?
良かったら、教えてくれないかな?」
秋生:「……………。」
千春と同じ名前だと、犯人である芸能関係者に警戒心を持たせることになるか。
いや。千春と兄妹だと悟られたら復讐心がバレてやりにくくなる。
秋生:「………秋生(アキオ)です。月島、秋生……」
復讐が達成するまで、千春と兄妹ということは伏せておこう。
秋生:(千春、待ってろ)
お兄ちゃん、必ずお前を殺した人間を打つからな------------…。
------------To be Continued...