いろは歌というか、VOCALOIDのリンちゃんオリジナル「いろは唄」なのですが

あれを聞くたび、「明智と監禁されてる元就様」という映像が頭の中を流れるのです。

明智軍でも、織田麾下の明智でもいい。
前者なら、山崎で散々、言葉でいたぶられた挙句に敗北→幽閉、の流れでおいしい。
後者なら、高松城攻めあたりで先鋒が明智→信長の気まぐれが働いて助命。扱いは明智に一任、というか明智が毛利元就をどう扱うのか面白がって放任→二重の意味でお家再興も解放も絶望的な状況、強靭な精神の毛利がどこまで耐えられるか、という流れでおいしい。

あとは、屋敷へ連れ帰って、座敷牢でも地下牢でも邸宅でもいいけど監禁して、美しく着飾らせて、やりたい放題ですね。
「これはこれは、美しいお人形さんですね」とか言葉で虐めてみたり、拷問と紙一重のSMプレイで楽しんだり、反抗的な態度がすぎれば水一滴すら与えず放置とか、生殺与奪を肌で感じさせるような(本人が意図しているときもあれば無意識のときもある)扱い。
無論、元就様はどれだけ明智の狂気を見せられようが、辱められようが、頑として服従しません。それがますます、明智の悦びをそそるのですがね。
みっちーにしてみれば、このうえなく愛おしい同属であると同時に、信長とは全く違う方向で「壊したい、でも壊したくない」というジレンマを楽しめる相手なのです。

たとえ、手足を縛り上げられて性的な奴隷という状態ですら、いつまでも反抗的な眼差しと意志は失わない。
そんな元就様の生命の強さ、まっすぐな輝きが、道を踏み外して深淵にまで行き着いた明智には何よりも目映いものではないかと思うのです。

壊したいけれど壊したくない、豪奢な飾り物のように扱いながら、いつしか一方的に元就に依存していく明智とか萌える。
元就は徹頭徹尾、明智を拒絶するけど、やがて「面白い男」と思うほどになっていくといいな。元就様が少しでも「関心を抱く」というのは、稀少すぎるケースだと思うのですよ。でも表面はあくまで氷の面、無駄な抵抗はしないけれど、絶対に従わない、冷たい態度のままだと更にいい。最後の最後でほんの少し、氷が溶けてもいいけれど。

「縛られてあげませう」というのは、明智の言葉でも元就の皮肉でも、どちらでもおいしい。
元就を打掛の上から縛るプレイとか、日常的にやってそう。豪奢な布団の上にころがされた元就が、軽蔑の眼差しで嘲笑いながら吐き捨てるとか、不穏で萌える。
明智が言う場合は、決して矜持を曲げない氷の面の元就への皮肉(ご自分の立場をごらんなさいな、的な)でもいいし、ちょっと本気になりかけた時期で本心から言ってても萌え。

「喜ばせてあげませう」は、まるっきり明智サイド。元就をいろいろと調教したり開発したりするけど、体だけは燃え上がるけど心はいつまでも冷たいままの元就に、そんな言葉を優しく優しく言えばいい。あくまで余裕を失わないのが明智だと思ってます。

就は、明智が元就に関心を抱けば抱くほど、逆にプラトニックになっていくイメージがあります。
明智の愛というのは、基本的に「殺す」と一体なので、愛するほど殺したくなることを恐れて触れないようになる。壊したくて仕方ない、壊しがいのある御方だと思っているけれど、同時に、壊れてしまえば戻らないという事実を恐れる心も抱くようになればいい。

 

関心を抱くようにはなったけれど、心は許していない元就が、死と流血を愛でる明智への皮肉交じりで「そなたはかような眺めが好きなのであろう?」とばかり、雪の上で椿を散らす光景とかたまりませんね。

元就様は自分も捨て駒としか見なしていないので、生命への執着が薄い。おまけに、明智に飼われているので生命観が更に刹那的になっていく。

でも、すでに元就の生に依存しつつある明智にとって、そんな元就の行動は不安以外のなにものでもない。

それこそ、「骨の髄まで染まっても物足りない」ぐらいに執着しています。

 

でも、これだけ執着して愛着しぬいても、元就が明智の闇に歩み寄らない限り二人の距離は縮まらないと思うのです。

闇に染まる元就を見たいと思う心と、元就が元就たる光を失えば元就への興味は失せてしまうだろうと理解している心、ふたつの心を抱えながらも、自分の覗く淵まで元就が堕ちてきてくれることを渇望する明智だと思う。

元就は元就で、決して明智の闇には染まらないけれど、明智に一種の包容力を示すくらいにはなるといい。心に脆さと強靭さを併せ持つのが、毛利元就だと思うのです。