ニコニコでハレ晴レダンス練習用の動画で、キャラをアップにしてるとキョンが長門の方をチラチラ見てるのがわかるんですよww
 
そうだよね、複雑な踊りしてるとちゃんと踊れてるか不安でつい周りの人見るよねー☆
 
『何アンタカメラの画面の向こうの人よりも有希の方ばっか見てんのよー!!』
 
『や、やめろって!ちゃんと踊れてるか不安だったんだよ!』
 
バレたら絶対こうなるw
 
 
登場人物の台詞はうろ覚えですサーセンww(黙れ)
 
【ミスティッククエスト・2】
 
俺はとりあえず道なりに歩き、麓の森に着いた。おーおー、見事に森が枯れてやがる。何があったんだ?しかも枯れ木の向こうには魔物もいるみたいだ。ん?
 
「…………」
 
ハルヒがいる。やっぱり雲の上にあぐらをかいて。ったく、あの空飛ぶ雲がありゃ楽なのに。おい、何やってんだ?
 
「! 来るのが遅い!」
 
へいへい。
 
「『地』のクリスタルの輝きを取り戻すのよ! いい? わかったわね!」
 
それだけ話すとハルヒはまたもすっ飛んでいった。俺の反論も聞けよ……
 
 
 
まあ聞いてもらえるわけもなく歩を進めることにしていると、見覚えのない爺さんが地面に腰を下ろしている。さしずめ名前のない老人Aってか。
 
「どうされました?」
 
「おぉ、お若いの……ワシぁ村に帰りたいんじゃがの、そこの岩が邪魔でな…足止めをくろうておるんじゃ」
 
見ると、確かに老人がよじ登る分には難しいであろう岩が木々の間に鎮座していた。行きはどうしたんですか、とは言わないでおく。
 
「悪いが、その岩をどけてくれんか……?」
 
人1人が通れるくらいになるまで岩を押す。少し重いが、何とかなった。
 
「おぉ…ありがとうよ。そうじゃ、この先にある村にいる、ミクルという娘に、こいつを渡してくれんか? あと、お礼に村のウチの裏口から入った所にある宝箱の中をやろう……」
 
そう言って老人は、俺に枯れ枝を渡してきた。こんなもん使えんのか?と思うより先に、非常に聞き覚えのある名前に俺は反応した。
 
この先の村に朝比奈さんがいる……
 
爺さんへのお礼もそこそこに、俺は村に向かって走り出した。
 
 
 
 
村にたどり着くと、巨大樹に穴を空けて住むスペースを確保したような家が数件点在していた。あと、道行く人々が……皆老人だった。若い人が見当たらない。
 
すれ違った婆さんに話を聞いてみた。
 
「あの、この村には若い人はいないんですか?」
 
すると婆さんは勢いよく返してきた。
 
「違うのね! 『化石の迷宮』にある『地』のクリスタルをモンスターが奪っちゃったせいで、この辺の森も、人も、みんな精気を吸い取られちゃったのね! 私本当は女の子なのね!」
 
そう言い、自称少女婆さんは去っていった。さっきの森が枯れてたのはそのせいか。いや、それより……まさか朝比奈さんまで老人化してないだろうな……朝比奈さんのあのダイナマイトナイスバディがしわがれていたら……ッッ!!
 
俺は悪魔よりもなお恐ろしい想像を頭から振り払い、適当に家をノックする。
 
「はぁ〜い」
 
一軒目で当たりのようだった。俺が前の世界で幾度も聞き、精神の安定を図っていたエンジェルボイスが聞こえてきた。
 
俺は扉を開く。
 
「どなたS…あっ、キョン君!」
 
俺を視認すると、とても眩しい笑顔で俺を迎えてくれた。でも俺には反応できなかった。
 
「キョン君、無事でよかったぁ〜……」
 
はい、俺は無事です。朝比奈さんこそ無事でよかったです。それはいいとして、あの人は誰ですか?
 
いや、朝比奈さんと一緒にこの家にいたその人の『正体』自体は知ってるが。
 
「え? あの人ですか? よくわかりませんが、この世界での私の『母』に相当する人みたいです。あの人もこの世界の異常について何か知ってるみたいですが、詳しいことはわかりません……」
 
わかりました。じゃあTPDDはどうですか?
 
「ごめんなさい、多分涼宮さんの力で強制的にロックを掛けられてます……今回、未来人としての力は貸せません……」
 
大丈夫ですよ。元の世界の記憶があるだけでもよかったです。俯く朝比奈さんを俺は適当にフォローする。あの、すみませんがあの人と2人で話をさせてもらっていいですか?
 
「? 知ってる人ですか?」
 
ええ、少し。奥の部屋を借りますね?
 
「わかりました〜」
 
 
俺は朝比奈さんの『母』ポジションの人の手を引き奥の部屋に入る。さて、話を聞かせてもらえますか?
 
「ええ、話せることは」
 
朝比奈さんと一緒にいた人、それは変装のつもりなのか黒のグラサンを装備し、ポニーテールがとても艶めかしい朝比奈さん(大)だった。
 
 
 
「あの、この世界はハルヒが創ったんですか?」
 
「そうです」
 
「どうしたら元に戻るんですか?」
 
「詳しいことは禁則事項ですけど、キョン君はこの世界をどう思う?」
 
「そうですね……まるでゲームみたいな話の展開です」
 
「じゃあ、最終的にやるべきことはわかりますよね?」
 
「うーん……ゲームをクリアする、ですか?」
 
俺がそう答えると、朝比奈さん(大)は微笑んでウインクをくれた。お美しいぃぃぃ! と叫びたいぜ。
 
「ところで、」
 
「はい?」
 
「どうしてハルヒが創った世界に、ハルヒの知らない貴女がいるんですか?」
 
問うと、朝比奈さん(大)は困った笑みで答えた。
 
「えーっと、私は昔…あ、キョン君にとっては今、この世界改変に巻き込まれました」
 
あの朝比奈さんですね?
 
「はい。その時の世界改変の様子を観察するために過去に戻ったら……」
 
自分も巻き込まれたと?
 
「そういうことです」
 
妹のように『テヘッ』と悪戯っぽく笑う朝比奈さん(大)。可愛すぎる。是非俺と沿い遂げてください。
 
なんて言えるわけはなく、俺は俺の(言っとくが『俺の時代の』、という意味であって深い意味はない)朝比奈さんのもとに戻り、枯れ枝を見せた。
 
「ええ〜〜?森がこんなになっちゃってるんですか〜?」
 
あれ、わかるんですか?
 
「あ、はい。改変によって沢山の人…この場合涼宮さんも含めて記憶が改竄されてますけど、多分涼宮さんに近い人は記憶が改竄されることなく、必要な情報を予め与えられているようです」
 
さっぱりわかりませんが…やるべきことは大体わかってるんですか?
 
「はい!」
 
朝比奈さんは自信ありげに答える。
 
「どうやらこの森の異常を正すことが、今の私達の使命のようです。私には『木と話せる』っていう特殊能力が与えられていますし…とりあえず、出発しましょう!」
 
そう言って朝比奈さんは壁に引っかけてあった……斧を手に取った。
 
あの〜、朝比奈さん? 貴女は斧で戦うんですか?
 
「えっ? あっ、キョ、キョン君! 気にしないでくださ〜い!」
 
朝比奈さんは恥ずかしさを隠せず慌てる。そんな姿も可愛いが……斧を振り回して戦う朝比奈さんを想像したら……ちょっと冷めた……
 
 
 
出発際、朝比奈さん(大)に呼び止められ、
 
「行方不明になってるウチの(という設定の)人をよろしくね〜」
 
お達しを受けた。ウチの人?
 
「あ、はい。私のお父さんという設定の人がいて、その人は今、旅に出たまま行方不明という設定なんです」
 
誰ですか、それ。
 
「え〜っとぉ…確か、岡部っていう人だったと思いますが…」
 
あいつかぁぁぁぁぁぁ!!!
 
 
気を取り直して家を出る。
 
「あ、そうだ朝比奈さん。さっきの枯れ枝をくれたお爺さんの家わかりますか?裏口から入った所にある宝をくれるそうですが…」
 
「え? あ、そのお爺さんなら知ってます。こっちですよ」
 
案内された家の裏に回り込む。
 
裏口から入ると、確かに倉庫っぽい部屋の中に宝箱があった。
 
「これですか?」
 
「そうみたいですね」
 
宝箱を開ける。
 
【『ケアル』を手に入れた!】
 
 
「「………………」」
 
「朝比奈さん、これって……」
 
「えーと、確か回復魔法ですよ…ね……」
 
「……突っ込んでも…いいですか?」
 
「………どうぞ…」
 
 
 
宝箱を開けたら魔法が使えるようになるってどういう理屈なんだぁぁぁぁ!?
 
 
『理屈なんて関係ないわ! だって魔法よ!?』
 
 
ハルヒがあの不敵な笑みを浮かべてそう言ってるような気がした……
 
 
もう一度気を取り直し、俺達は今度こそ出発した……
 
 
TO BE CONTINUED…


 
補足説明。
朝比奈みくるのポジションのキャラクター
 
『カレン』
 
森の外れ?の村『フォレスタ』に住む名前の通り可憐な女の子。華奢な体つきだが斧を振り回して戦う力強い面も。魔法も割と使える。
 
………これなんてレナ(ひぐらし)?
 
 
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