特に何もなかったのか、先生達が返ってくると、今度は責められる番でした。 なんで体育館に行ったのか?何を見たのか?と質問され、学校の怪談を調べに言ったことがわかり 強烈な一撃を喰らって、その日は帰されました。 翌日、放課後になって担任の先生から呼び出しを受け、私達は図書準備室に集められ、 そこでこんな話を聞かされました。

体育館から聞こえてくるあの音の原因は、先生達の間でもはっきりとはわかっていないそうです。 しかし、8年ほど前にこんなことがあった、教えてくれました。


体育館の壁には、収納式のボックスのようなものがあり、そこには式典などで使うパイプ椅子がしまってあります。 8年前、あるクラスでいじめがあり、その中にいじめらっこ1人を閉じ込めて一晩放置した事件があったそうです。 夜になっても帰ってこない子どもを心配しご両親から電話があった学校側は すぐに校内をくまなく探しました。しかし、どこにもみつかりません。 生徒達の中で知ってるものはいないかと、緊急連絡網を使って調べたところ いじめっこの1人が体育館のパイプ椅子入れに閉じ込めたことを白状しました。 体育館は一度調べてあり、いたら助けを呼ぶのではないのか?と思いつつも先生達はもう一度、体育館に行き その場所を調べました。 するとそこにはその少年が、小さく体を丸めて脂汗で背中を濡らしながら、ガクガクと震えていたそうです その子は酷く何かに怯えていて、何のショックが声が出せなくなっていたそうです。 始めは暗い闇の中に何時間も閉じ込めらていたことが原因だと思ったそうですが、その子の話を聞くと 体育館に誰かいて、何かを叩いている。そして笑っていた。もし自分が少しでも声を出したら きっと自分もそうなると思った。 そんなことを筆談で伝えたそうです。 しかし、夜の学校に何者かが侵入したとしたら警備会社に連絡がいくはずです。 ですが、機械の故障もなにもなく、警備会社からの答えはその子の聞き違えかなにか。ということでした。

「きみ達が見たのはそれかもしれない。先生もそんなこというのはばかげているとは思うが 先生はきみ達のいうことも信じてる。だからこそこのことも、それから七不思議のことも言わないで欲しい。」

それからというもの、火付け役だった私達が一切七不思議のことを口にしなくなったせいか 噂は自然と消えていった。 体育館に住んでいる、あの霊はいったいなんだったのか? あそこで何をしていたのか?私にはもう分からないし、知ろうという気もない。 ただ、あの後教えてもらったのだが、純一がこんな声を聞いたらしい 「あなたも?」 それにどんな意味があるのか。それは私達の誰一人としてわかるものはいませんでした。