@のつづき


とにかく1分1秒でも早く帰りたい左藤は必死だったの。みんな華咲く金曜の夜の街に旅立ったからもう自分の世界だった。



「左藤さん」


いきなり背後から呼ばれてものすっごくビックリした。誰もいないと思ってたから。思わず気持ち悪い声上げちゃって振り向いたら山………


いや、梅津さんが笑顔で立ってた。


びっくりした?とか聞いてきて
「いやもう本当に心臓止まるかとおもいましたよ!!」とか笑いながら答えたけど内心ほんとにふざけんなよ邪魔すんじゃねえ!って思った。


そしたら梅津さんミルクティー差し出してきたの。


え?????ってなるじゃん????梅津さんもしや天使!?!?!?!?神!?!?!?うそ!?!?いやもうほんと悪態ついてすみませんでした!!!!

って心の中で謝りながらミルクティー受け取った。

そしたら梅津さん「おれもつかれちったわ」って言いながら隣の席に座ってきてコーヒーぷしゅってして何故か乾杯した。

誰もいない静かな部署で普段全然しゃべらない上司とペットボトルと缶でナチュラルに乾杯した事が個人的にすごく変な感じで、なんか流れを止めてはいけない気がして必死に話題を考えた結果が

「梅津さんコーヒーすきなんですね」

だった。絞り出した結果よ。
まぁ、案の定「え?まあ普通だけど?」って感じに言われて、
天にパニクりまくった左藤は「わたしミルクティーで梅津さんコーヒーのんでるので好きなのかなーってあははは」って笑うしかなかった。
そしたら梅津さん

「いや、左藤さんコーヒー飲めないっしょ?」

って言ってきたの。


え!?!?!?たしかにコーヒー飲めないけれど!?!?なぜそれをしっている????!!!


どうやら梅津さん、左藤が廊下で先輩達と飲み物を買ってる時にコーヒー飲めないという話をしてたのをたまたま通りがかりにきいたとのこと。
(ストーカーとかじゃないから!!たまたまきいただけだから!!ってすごい焦ってたのは笑っちゃった)


ふえええええ気遣いはんぱねー
この人すげーーーこりゃモテますわーーー


左藤はそう思った。



でもそっからなんだか微妙な空気が流れて沈黙が続いた。相変わらず隣に座ってる梅津さん。なんとなく仕事再開しづらくてミルクティーを飲み続ける左藤。沈黙を破ったのは梅津さん。


「それ左藤さんの仕事じゃないじゃん。せっかくの華金なのに大変だね。」って。


いや、どうせ何もないので大丈夫です!って答えたら、笑顔でじゃあご飯行こうって言われた。
(今思えば上手くはめられてる)


別に嫌ではないけれどまだ左藤の中ではおっかない上司だったし、何喋っていいのかもわかんないし、気まずいだけだし、でもミルクティーもらって予定ないと答えてしまった手前断るのもアレだしってぐるぐるしてたら


「主任命令だから」って。



いや、そりゃパワハラだよ!!!ってかんじだけど


「とにかく必死だった。まずいと思ったが後悔はしてない(梅津氏後日談)」とのこと。


まあ、そんなこんなで終わらせて飲みに行くことに。
なんと梅津さんとは最寄駅が近いことが判明してちょうど間の駅前で飲むことにした。


どういう気で梅津さんは左藤を誘ったのかわかんなくて『まさか!?』とも思ったけど、いやいやこの左藤にそんなことないだろうとか、だったらもっと可愛い子に行くだろうし、世の中上司に誘われて飲みに行くなんて当たり前のことだよねうんうんって考えた。


さいしょは気まずいかなあとかおもってたけど案外そうでもなくて。むしろお酒もはいって話が途切れないほどだったの。

梅津さんが「左藤さんて呼ぶのやだなー」って言い出したから「みんな左藤ちゃんって呼びますよ」って答えたら「一緒やだ。じゃひだりちゃんって呼ぼ」って言われてちゃっかりナチュラルに下の名前知ってるのかやり手だわ…って脱帽。なぜか嫌な気はしなかったので訂正しなかったら梅津さんも下の名前で呼ばれたいとか言い出し流石に上司に無理ですーっていってかわした。

でもそのあとも梅津さんはずっと楽しそうに笑ってるから左藤も楽しくなっちゃって何故か細かすぎて伝わらないモノマネのモノマネとかしちゃって2人で動画みて笑って梅津さんにも無茶振りして笑いあって。今思い出してもめっちゃ平和。。


左藤お酒飲んでスイッチはいっちゃうとほんとに止まらないの。とにかくハッピーピーポーでなんでもオッケーで怖いものなくなる。(でも記憶は飛ばないから酔いが覚めた時にすごい反省する)



動画見てる時にテーブルに揚げたての唐揚げが運ばれてきたの。そしたら梅津さん口を開けてこっち向いてきた。結構な至近距離よ。普通の左藤ならビックリしちゃうけどその時なんでも受け入れますハッピーハッピーだったから笑顔で梅津さんの口に唐揚げを運んであげた。

梅津さんすごい笑顔だし冷静に考えて上司に何してんのってかんじなんだけど左藤も最高に楽しくて「おかわりどうですか?」とかいってからあげを差し出した、ら、ガッて腕掴まれた。結構顔がマジなやつで「やべっ、さすがに怒られるか!?」っておもってとりあえず笑って乗り切ろうとおもって笑ってたら「ひだりちゃん彼氏いるの?」って聞かれた。


いないですって答えたら「ほんと?可愛いくてモテるのに?」とか言われて、

それ誰の話だよってかんじだった。

左藤まじ可愛いとかモテるとか別次元の話だし、あーこうやって女の子落とすんだー左藤はそんなんじゃ落ちないぞーーーって思った。

でもそっから恋愛の話になって好きなタイプきかれたり恋愛観語ったりした。



そんなんゆーても付き合ったことないけどな!!


梅津さんの恋愛遍歴も聞き出そうとしたけど上手くかわされてやっぱやることやってんな!?ってかんじ。ただ「まあ、モテるよ」と自分で言ってきてある意味尊敬した。まあ、モテんだろうよ。



時間きてお店出たときはもう梅津さんに対して苦手意識はサッパリ消えていたよ。むしろ居心地の良さを感じていたお酒って怖い。
お互い楽しくて帰る気もなかったからカラオケに行く流れに。




ここでまぁビックリ梅津さんの歌の上手いこと……………意気揚々とマイク持ち出して洋楽歌い出したんだけど発音きれいでほんと上手で何度目かの『あーこうやって女の子落としてるのか』という感想。

左藤はふだん趣味の合うオタク友達としかカラオケに行かないから一般受けする曲あんましらないんだけど頑張って歌った。そしたら「ひだりちゃんおれが知ってる子で1番歌上手いかも」とか言ってきて



何このひと!!!!褒め殺し!!!!どんだけ!!!!!!


あんま褒められ慣れてない左藤は内心タジタジだったけどなんか悔しいから響いてないフリした。あぁ、なんて可愛くない女なんだろう。


あ、いまでも鮮明におぼえてるのが赤西仁のEtarnalを歌った梅津さん、、、


『やんば、、、、、かっこいい、、、もはやウザ、、、』


と思ってしまった。
赤西仁に似てるって言われるから練習したとかいって普通ならドン引きだけどなんか文句のつけようもないぐらい上手くて響いてしまった、、、くっそ、、、だって世代だもの、、、



カラオケでも飲みながら歌ってて左藤がトイレから帰ってきたら梅津さん潰れてた。
左藤も疲れたから椅子に座ってボーッとしてたら「ひだりちゃーん」って呼ばれて、もしや吐く!?っておもって近寄ったら「ここいて」って言われて思わず可愛いなっておもった。
なーんか怖い人から急に良い人になって映画のジャイアン効果っていうのか私の中で梅津さんの株が上がりまくり。



そしたら急に梅津さんが
「おれいますげー酔ってるけどひだりちゃん好き」
って言ってきた。

ありがとうございますってとりあえず答えたけど酔っ払いすぎだし恋愛感情じゃないんだろうなっておもってかるく流した。


そしたらバッと起き上がって「帰ろ」って言い出してすごい勢いでお店でてお金握らされて「送れなくてわるい気をつけてかえれよ」っていってタクシーに乗せられた。


もう「!?!?!?」ですよ。謎の告白?から5分後には1人でタクシー。
もはや梅津さんのが1人でかえれるの?やばくない?心配なんですけど?ってかんじだった。


家ついて連絡してみたけど全く返事くる気配もなく、なんだか胸がモヤモヤしたままベッドに入った。





爆睡でした。






なれそめBにつづきます。
ながいですね、、、しろめ


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