飛ばせて




ほんのすこし
手を引いてくれたなら
いや、軽く触れるだけで
たったそれだけでも
あなたのもとへ
歩いてゆけたはずなのに

あなたは少しだけ
寂しい顔をして
明日は違う人と
笑うんだね

悔しいよ

がさついた
甘やかされた心
あの子の笑顔は好きで
そう、だからこそ
こんな気持ち
抱きたくはなかったのに

「好き」だなんて言葉
「嫉妬する」だなんて
口にしても平気で
どこへでも

行っちゃうの、なんなの


あなたは普通より
自由な人だから
そんなあなただからきっと
好きなってしまった、だから

わたし束縛なんか
したくなんかないの
だからあなたを嫌いにならない
ためにわたしもあなたのように

ちょっと、

自由に飛んでやるの

(責めないで、ね。)

(心、歪みそうなわたし、形を保つためなの。)