「なんとなく分かった。」
ショウはそう呟きながら用紙を埋めきった。
スズカも少し遅れて書き終わり、二人は用紙を受付嬢へ渡す。
「それでは用意が整いましたらこのカードを持ってスズカ様はあちらのエレベーターへ、ショウ様御一行はあちらのエレベーターへお願いします。」
ショウとスズカは礼を述べ、受付を離れる。
「おっ、終わった?」
テルたちが座って待っていたベンチへショウとスズカがやってきた。
「終わった、早速行くぞ。」
テルたち3人は立ち上がり、体を伸ばす。
「では私はこれで。」
スズカがそう言って頭を下げる。
「おう、頑張れよ!!」
ショウと握手を交わすとスズカはにこっと微笑み、自分の行くエレベーターへと向かった。
「さぁ俺達も行くか。まずはルールだな。」
ショウがルールの説明を終えると、4人も自分たちの行くエレベーターへ向かった。
エレベーターの前にいる受付嬢にカードを渡す。
「承りました。マチナ12ですね。では12階直通のエレベーター、こちらをご利用ください。」
受付嬢に促され、エレベーターの中に入る4人。
「どの程度のレベルだろう。」
テルが少し不安そうな声でそう言う。
「きっと大丈夫だと思うよ。」
ショウはテルとアヤのスピアギア海岸での戦いぶりを思い出してそう答える。
「あの、私は……」
「マユは得意の魔法でサポートしてくれれば大丈夫。」
ショウがそう言うと安心した表情を見せるマユ。
そんな事を話している間に12階へと辿り着いたエレベーターは扉を開く。
「開いた。」
「この階のどこかにマチナ12がいるはずだ。気を引き締めて行くぞ。」
まず始めにショウがエレベーターを出て、後から3人が降りた。
「これは……」
「迷路みたいだな……」
4人の目に入ってきたのは巨大な迷路であった。
四角い壁が道を作り出し、また行き止まりを作り出す。
「この中のどこかにマチナ12がいるんですね……」
「ただの迷路ってだけではなさそうだ。きっと何か仕掛けや罠がある。」
ショウの一言で緩みかけていた気持ちがまた引き締まる。
「かといって進まなけりゃ、何も始まらない、進もう。」
ショウの後を追って3人も迷路の中へと足を踏み入れた。
テルたち4人のルートディガーになるための試験が始まった。