「君もルートディガー?」

ショウが聞くと少女は慌てて首を横に振る。

「ちちち違います、今からなろうとととおもももっとてるだけです。」

少女は何を慌てているのか分からないがカミカミになってしまう。

「そっか。」

「わ、わたし……スズカです。」

そう言って少女は頭を下げる。

「スズカ? スズカなのか!?」

ショウが何かを思い出したかのようにそう叫ぶ。

「ス、スズカです!!」

スズカはもう一度頭を下げた。

「そっか、もう……15歳だっけ?」

ショウが少し考えてそう聞く。

「そうです!」

どうやらショウとスズカは面識があるようだ。

「昔ここに住んでたときの顔なじみだ。」

ショウがテルたちにスズカを紹介する。

「スズカです。よろしくお願いします!!」

スズカの自己紹介も終わり、セントラルを出る5人。

「へー、ショウってあんまり自分の事話さないから新鮮だな。」

テルはそう言って笑う。

「……まぁそんなもんだろ。」

ショウはそう呟いて地図を頼りに試練の塔の方向へ歩いていく。

「ショウさんは昔からそうでしたよ。何も教えてくれなかったですもん。」

「ショウさんはそれが魅力的ですしね。」

マユはそう言ってショウの横まで駆けていきショウの顔を見上げる。

ショウはそれに対し、微笑み返すだけで何も言い返さない。

「あんたもあれくらいの余裕があればね。」

アヤが意地悪そうにテルに向け呟く。

「アヤだってマユを見習っておしとやかになればいいのに。」

テルはさらっと返す。

「ちょっ、何それ!!」

アヤが怒って叫ぶ。

「そういうとこ。」

テルが冷めた感じでそう言うとアヤのイライラが余計に募っていく。

「じゃあ、ずっとマユと一緒にいればいいじゃん!!!」

アヤはそう叫んで一人でさっさと歩いていく。

「え!? なに……?」

アヤが予想以上に怒ったため、テルが驚いて固まる。

「今のはテルが悪いな……」

ショウが立ち止まり振り向くとそう呟いた。

「ショウさんの言うとおりです。」

マユもそう呟くと、またショウたちはアヤを追って歩き出した。

「……俺が悪いの? いつも殴られてんのに?」

一人寂しくテルは愚痴をこぼしていた。