黄金都市・ソルディへ到着し、テルたち4人は眠い体を動かし、船を下りた。
「すげぇ……」
テルとアヤとマユはあまりにも美しすぎる町を見てそう呟く。
朝日に照らされるその町は黄金色そのもので眩しすぎるほどである。
コンクリート調で円柱型の建物が並び、奥には金で作られた巨大な宮殿が姿を覗かせていた。
円盤型と円柱型の金の組み合わせの建物であったが、金というだけで十分な存在感を見せていた。
「黄金都市……」
「素晴らしいです。」
そんな事を呟きながら4人は町の中を歩いていく。
「あれがルートディガー本部の建物だな。」
ショウが指差すのは先ほど3人が見惚れていたあの金の宮殿である。
「マジかよ……」
「ソルディの中心はルートディガー。ここにいる住人の殆どはルートディガーかその家族だな。」
ショウは何も知らない3人にそう説明していく。
「そして俺が5年前まで住んでいた町だ。」
ショウの発言にテルたちは驚く。
「でも、その話はまた今度な。」
そうこうしているうちに4人は金の宮殿の前へたどり着いた。
「ルートディガー本部・セントラル。」
ショウはそう言って中に入っていく、そして後から3人がついていく。
中も金色であり、いたるところが輝いているために木のテーブルや椅子が浮いているように見える。
「いらっしゃいませ。」
受付カウンターのような場所で女性が頭を下げる。
「今日は新規申請に来た。」
ショウはそう言ってライセンスカードを取り出す。
「了解いたしました。セントラル長・ディレットレ様でしたらあちらにおられます。」
ショウは礼を言うと奥に入っていく。
「人がいっぱいですね。」
「1階は一般人も入れるフードブース。飲食ができる場所さ。」
そう言ってショウが歩いていく先に、杖をもったいかにも只者ではなさそうな老人がいた。
「ディレットレさん。おはようございます。」
ショウがそう話しかけるとその老人・ディレットレはゆっくりと顔を上げた。
「おう……君は、ショウか。久しぶりじゃのう。」
ディレットレは微笑むとショウと握手を交わした。
「今日は新人ルートディガーの申請に来ました。」
ショウの言葉にディレットレはちらっと後ろの3人を見る。
「おうかおうか。」
ディレットレは何度か頷くと右を指差した。
「あっちで申請するといい。」
ディレットレに言われる通り、ショウたちは案内されたカウンターへ向かった。