銃声が響き、全長8mの巨大な亀の甲羅に直撃する。

「おーやっぱブレイク弾すげぇ。」

銃弾は亀の甲羅を突き破り、突き刺さる。

「余裕かましてないで早く!!!」

アヤがそう言ってテルの頭を殴る。

「いてっ、分かったよ。」

テルはそう言って何度も連射するが、亀は物ともせず二人に突撃を開始する。

「サンダーボール!!!」

雷の塊が亀にぶつかり、銃弾を解して硬い甲羅の中に電気を通す。

亀は悲鳴をあげ、さらに走るスピードを上げた。

「逃げろ!!」

二人は突撃を避けるべく、走る。

「スピタートルとも戦えるようになったか。成長したな。」

ショウは二人を遠めに眺め、呟く。

「なんかお父さんみたいですね。」

マユが裏表の無い笑顔でそう言ったため小は苦笑いすることしかできなかった。

「父親か……」

そして寂しそうにそう呟くとショウは大剣を握りしめ加勢に入った。

「サンダーボール!!」

見事なコンビネーションでダメージを与えていくテルとアヤ。

「なかなかしぶといな。」

しかしなかなか倒れないスピタートルに疲れが出始める。

「孤高の斬!!」

ショウがそう叫び、真上から大剣を振り下ろす。

すると何発もの銃弾や電撃によりもろくなっていた甲羅は砕け、ついに致命傷を与える。

「いけ、サンダーボール!!」

雷の塊が亀の本体に直撃し、亀は断末魔の悲鳴を上げる。

そして悪あがきをするスピタートルにショウがとどめを刺し、勝負は決まった。

「やっと倒したぜ。」

テルはそう呟き、砂浜に腰を下ろした。

「硬すぎ。」

アヤも疲れたのか座り込む。

「ヒール。」

マユは魔法を唱え、二人の疲労を回復させる。

「なんか、何もできなくてすいません。」

「そんな事無いよ。こうやって回復してくれるだけでも助かる。」

テルがそう言って微笑むとマユは嬉しそうな表情をする。

「さあ、シッタまではもうすぐだ。日が落ちる前に進もう。」

ショウたちが再び歩みを始める頃、海では無情にもリョウを乗せた王国艦隊が監獄プリジオネへ向かうべく通り過ぎていった。