すでに日は昇り、太陽が白い砂浜を照らしていた。

「ん……ん?」

海から流れてきた女性は目を覚まし、起き上がる。

そこは小さなテントの中であった。

「あれれ?」

その女性は状況が掴めず、とりあえずテントから外に出る。

すると目の前には自分のリュックが置かれていた。

「あたしのリュック!!」

そう言って慌ててリュックの中を確認する。

「あー……濡れてる。」

そう言って残念そうな顔をする。

「起きたか。」

女性の背後から声がしてその女性は振り向いた。

「あ、どちらさんで?」

女性が驚きながらそう聞く。

「そのお方は、海を流れるあなたを助けたショウさんです。」

マユが顔を出してそう答える。

「あたしを?」

女性は驚いたような表情を見せながらも、状況を理解する。

「それは失礼しました。あたし、Gトラベラーズのホシと申します。」

そう言ってホシはポケットから名刺を出そうとする。

「あ、これか?」

テルがそう言って銀色の名刺入れを差し出す。

「それです!」

そう言って受け取るが中の名刺は海水に晒され、無残な姿になっていた。

「あー、そんなー……」

悲しそうな顔をしながら名刺入れを受け取る。

「あ、いえいえ、すいません、助けてもらってありがとうです。」

そう言ってホシは頭を下げる。

「まぁ困ったときはお互い様だ。それより、商売をして欲しいんだが。」

ショウが苦笑いをしながらそう聞く。

「はい! でも……」

濡れたリュックを見ながら残念そうな顔をする。

「いや、大丈夫だ。欲しいのはテントだからな。」

ショウがそう言うと嬉しそうにリュックの中をあさる。

ホシは濡れてだめになったものを出すためにいろいろなものを外に投げる。

「なんか見たこと無いものばかり。」

アヤの足元に色々な飲み物や書物が転がる。

「あった、ありました!!」

そう言ってホシはテントをリュックの中から引っ張り出す。

水を跳ねさせながらテントが姿を現した。

「いたっ……」

勢い余ってホシは後ろ向きに転ぶ。

「だ、大丈夫ですか!?」

マユが驚いてホシに駆け寄る。

「だ、大丈夫です…」

ホシは腰を抑えながら立ち上がり、気を取り直してテントを広げる。

「これなら二人くらいで寝れますし、持ち運びにも向いていると思いますよ。」

そう言ってホシがオレンジ色のテントを見せた。