「出たぞ!誘拐犯だ!!マユ様もいらっしゃる!!」
レオが兵士の前に到着したのを確認して兵士たちのほうにへ向かって走っていく4人。
「あら、お探しの相手?」
レオが4人に向け走っていく兵士たちに向け腰にさしていた剣を抜き、振った。
すると仕込み刀だったのか刃が鞭のような動きをして兵士たちをなぎ払っていく。
「貴様!!」
頬を触られていた兵士が慌てて剣を抜いてレオに斬りかかる。
「そういうこと♪」
レオは兵士の脛にかかとで蹴りをいれると振り向き、鞭のように動く刀で兵士を綺麗になぎ払った。
「ごめんなさい、遊んでる暇はないの♪」
慌てて、周りの兵士たちがレオに襲いかかろうとするも追いついてきたテルたち4人が兵士たちを押し返す。
テルの放つ銃弾が閃光を作り出し、目くらましをする。
「ちょっと、私のことも考えなさいよ♪」
一緒に巻き込まれるレオ。
そこにショウの大剣が衝撃波を起こし、完全に脱出への道を作り出した。
「ファイアボール!」
火の塊が兵士たちの前に飛び、兵士たちの動きを牽制する。
「キュア。」
マユが魔法を放つとそれはレオにあたり、閃光弾によって目くらましを一緒に受けたレオの視界を綺麗に取り戻させる。
「あら、見えたわ♪」
レオは特に慌てることなく、テルたち4人と合流するとそのまま一緒に門を飛び出し、レグノ王国の東に位置するスピアギア海岸へと走っていった。
「ぐっ……」
リョウは血を流し、赤い絨毯の上に倒れる。
そこにはテラスとロウの姿があった。
「我が妻であるクヨミを20年前に殺しておいて、まだ私の首を狙ってやってきたか。」
テラスは少し声を荒げながらリョウに訴えかける。
「テラス国王を狙ったのは貴様だろうがファリス!」
「幻覚でも見ているのかリョウ。私はテラスだ。ファリスは貴様が殺したのであろう!」
テラスはそう怒鳴るとロウにリョウを牢獄へ連れて行くように命じた。
「分かりました。」
ロウは頭を深く下げる。
「もはや改心の兆しもない。再度脱獄され、いつ命を狙ってくるやもしれん。プリジオネへ収監だ。」
テラスの命に動けなくなったリョウをいったん地下の牢獄へと連れて行くロウ。
(うまくやれよ……テル様、そしてショウとアヤ……)
リョウは運ばれながらもそう思い、拳を握り締めた。
王の間に一人になったテラスは何か考えるように扉を見つめていた。