「侵入者だ! まっすぐに上へ向かってる!」

城内の兵士たちは慌てて城内を駆け回っていく。

リョウが城内に侵入しているのだ。

「テラス様! 城内に大剣を持った侵入者が現れました!!」

「大剣を持った……」

テラスことファリスは廊下を歩きながらそう呟く。

「はい!ただ今兵士が城内で捜索中です。」

ヤミが後をついていきながらそう報告する。

「カバリはいまどこにいる?」

「カバリ隊長はただ今、自宅に帰っておられます。」

ヤミがそう報告するとテラスはゆっくりと立ち止まった。

「至急、カバリに連絡を入れ、王国3つの門。そして港を1番隊で塞ぐように連絡を入れろ。徹底的に侵入者を逃さぬように準備を進めろ。」

テラスは慣れた口ぶりでヤミに指示を出す。

「分かりました。」

「それと、ヤミはマユの警備にあたれ。」

「はい。」

ヤミは力強く返事をすると廊下を駆け出した。



「行くぞ。」

城内の兵士がごたつき、また城下町で眠っていた兵士たちが支度を終えるまでの間にショウたちは城内へ侵入した。

兵士に見つかるもショウが一閃して騒ぎを起こさないようにして進んでいく。

そして前、マユに会った中にはに出るとそこにはまたしてもマユがベンチに座っていた。

「お待ちしておりました。」

そう言ってマユは頭を下げる。

「ま、待ってた?」

テルは何を意識しているのか少し照れながらそう聞く。

「全部聞いていましたから。」

そう言ってマユはにっこりと微笑む。

「長居は無用だ。話が伝わっているなら早く外へ逃げるぞ!!」

ショウがそう言うとマユは頷き、テルたちのほうへ小走りで近寄る。

「あなたがテル様だったんですね。」

マユはテルに満面の笑みを向けた。

「え、あぁ……」

テルが照れているとアヤは一人面白くない顔をしていた。

「そこまでだ!!」

どこからか叫び声が聞こえると漆黒の騎士が城内から姿を現した。

「マユ様をお守りするようにと、命が入った。」

そう言ってヤミは腰に刺していた黒い剣を握る。

「面倒なことになったな。」

ショウがそう毒づく頃にはヤミはすでに駆け出し3人に斬りかかっていた。