「へい、いらっしゃい。見てきんしゃい!!」

商人がそう声を出し、客を惹きつける。

「ここは何かエミスフェロとは違った賑わいね。」

アヤが店を遠めに覗きこみながらそう呟く。

エミスフェロの賑わいは夜に起こる賑わいに近いものである。

賭博が代表的な商売・娯楽となり町をにぎわせる。

それに対しレグノ王国では金と物の移動が町をにぎわせるのだ。

「スピタートルの甲で造られたこのスピシールド! 今ならたったの500ユニタでどうぞどうぞ!」

商人が青い盾を皆に見えるように掲げながら客引きをする。

「研磨石あるか?」

ショウがそう言って盾を売っている商売人に話しかけた。

「へいへい、あります。50ユニタで。」

商人がそう言って黒い石をショウに渡し、ショウは50ユニタを支払った。

「研磨石?」

テルがそう言って聞くとショウは後でなといった表情を見せ、店の中へと入っていく。

「研磨石ってのはまぁ武器の刃を研ぐための石だ。」

店の中は外と一変し、静かな雰囲気な店であった。

「なんか怖い。」

壁一面に敷きつめられた武器や防具、また展示された小物にアヤはそう声をもらした。

「ここに色々売ってる。銃弾とかもな。」

そう言ってショウは銃のコーナーへテルを連れて行く。

「うお!」

テルのようなハンドガンや両手で扱う銃やライフル、マシンガンまでもが置いてあった。

「うへー、エミスフェロとは数が違う。」

そう言ってアヤも興味津々に覗きこむ。

「でもよ、俺この銃気に入ってるから新しいのはいらないかな。」

テルの言葉にアヤが少し嬉しそうな表情をする。

「おう、そんなの分かってるよ。だから銃弾だけでも選ぶなり、カスタマイズくらいできるだろ?」

そう言ってショウは微笑んでみせる。

そしてテルは横にある銃関連の小物を見る。

「散銃弾や炎弾、麻酔弾なんて種類はいっぱいあるぜ。」

銃弾を1つ選ぶにも大量の種類があり、テルは悩む。

「まぁ、分からないうちはカスタマイズは諦めて、いくつか銃弾買っておくといいな。」

ショウのアドバイスを聞きながらテルは銃弾を選んでいた。

そうこうしている内に日は陰り、それからしばらくしてレグノ王国は混乱に陥った。



リョウによる王城侵入が始まったのだ。