「うわあああ!」
洞窟から勢い良く飛び出してくる4人。
リョウとショウはきちんと着地を決めるが、アヤとテルは仲良く手を繋ぎながら、草の生えた地面を滑っていた。
「いてぇ……」
「ちゃんと着地してよ!」
アヤはそう叫んでテルを蹴ると服や体にまとわりついた草を掃う。
「……これは驚く組み合わせじゃねぇか。」
リョウが立ち上がりそう呟いた。
「リョウ!!」
アヤがそう言ってリョウに駆け寄り抱きつく。
「アヤ……」
リョウは驚いた表情を見せながらも微笑み、アヤの髪を撫でていた。
「親父……」
それを少し離れた場所で眺めるショウ。
「ショウか。大きくなったな。」
リョウが物思いにふけるような表情を見せながら微笑む。
「ふざけんなよ……」
ショウはやりきれない表情をしながら呟く。
「お前……いつこっちに来た?」
抱きついていたアヤが離れ、顔の涙を拭う。
「親父とほぼ一緒だよ。」
ショウはそう呟くとゆっくりとリョウに駆け寄っていく。
「10年俺のこと放っておいてそれだけかよ!」
リョウの胸倉を掴み、怒りをぶつけるショウ。
「母親もいない俺を一人にしやがって!」
ショウの怒声にリョウは何も言わずショウを見つめる。
「10年! 10年ずっとずっと……親父ィィ!!!」
ショウはそう叫ぶと腕を離した。
「……悪い。」
リョウがそう呟くもショウは返事を返さず下を向く。
「教えろよ、何があったのか。」
ショウは小さくそう呟いた。
「そうだな……でもここにいるのは危険だ。山を下りながら話そう。」
リョウがそう言うとショウは少しためらっていたが、リョウとは視線を合わさず歩き出した。
大きな木の下を歩いていくとそこには山を下る道があった。
テルとアヤはなんだか気まずい感じになりながらも後ろについて歩いていく。
「まさかショウがついてきてたとはな。」
リョウはショウがこっそりクルーザーに忍び込んでいたことに気がついていなかったようだ。
「本当はよ、ちゃんと婆ちゃんに頼んであったんだぜ? 俺が消えたらショウを頼むってな。」
「そんな前置きはいらねぇよ……何があったのか教えろよ。」
ショウの言葉にリョウは少し寂しそうな顔をしながらもゆっくりと話を始めた。