3人のピンチに駆けつけたのは、この神隠し島・間宮島からアヤを助けたあのリョウ。
そしてショウが10年間探し続けたショウの父親であった。
「やはり君だったってか? リョウ隊長。」
白衣の男はやけに隊長を強調しながらそう話しかける。
「ふん、ファリスの飼い犬が。」
リョウは負けじとそう返し、白衣の男を睨む。
「ククク……昔と変わらないってか?」
「てめぇも変わらねぇな、クズ加減が……」
リョウがそう返すと白衣の男はさらに笑い出す。
「私が気に食わなくても吼えるしかできなくなった野良犬が挑発しようと私は乗らないよ……ってか?」
白衣の男はそう答え、さらに不気味に笑う。
「私はもう隊長なんだよ? 0番隊だけどねってか?」
「そうか、スチエナ隊長。」
リョウも同じく隊長を強調してそう喋る。
「ククク……」
白衣の男の名はどうやらスチエナのようだ。
「リョウ……なの?」
アヤがリョウの後姿を眺めながらそう呟く。
「階段へ走れ! 援護する。逃げるぞ!」
リョウは質問には答えずにそう叫び、大剣を振り上げた。
「天轟竜破[テンゴウリュウハ]!!!!」
大剣が衝撃波を起こし、周りの兵士たちを蹴散らしていく。
「走れ!!」
リョウの叫び声に感化され、3人は走り出す。
「シールド・ダブル。」
スチエナの前に二枚の透明な壁ができ、衝撃波を弾き返していく。
一方、テルたちは階段で未だ道を塞ぐ兵士たちを攻撃で押し返していた。
「マッド・ボール!」
土の塊が兵士たちを弾き、道を開いていく。
「流線の斬[りゅうせんのざん]!!」
ショウが作り出した、前へ一直線に走る斬撃が道を開いていく。
「急げ!!」
背後ではリョウが追いかける兵士たちを幾たびの攻撃で邪魔する。
一気に上る階段に疲労が見えるも、止まれば死ぬという意識が3人を突き動かしていた。
そして再び、地上へと逃げ出した3人とリョウ。
「止まるな! そのまま進めばホールがある! そこまで逃げるんだ!」
そう叫びながらリョウは背後の敵を衝撃波で一蹴し、3人の後を追って走る。
そして森を抜け、4人はホールのある巨大な穴に辿り着く。
「うっ…」
底の見えない穴に恐怖感が芽生えたアヤが止まる。
「飛び込め!」
ショウが最初に飛び込み、リョウも追うように飛び降りる。
未だ躊躇するアヤの手をテルが掴み、テルは一度アヤの方を見て頷くと、そのままアヤを連れ、飛び込んだ。
そして再び皆は闇に包まれた。