階段を下っていくと、そこにも誰かに斬られたのか、兵士が何人も倒れていた。
「何で、皆やられてんだ?」
「誰かが俺達と同じように侵入したんだろ。それが味方なのか敵なのかはわからねぇけどな……」
ショウは緊張感を維持しながら、大剣片手に歩く。
「どこまで降りるんだろう……」
「これは随分と大きそうだな。」
そうこうしている内に階段が終わり、四方に分かれる広間へと辿り着いた。
「分かれてるな、どうする?」
テルがそう呟きながらあたりをキョロキョロする。
「こっち来い!!」
ショウがそう言ってある方向へ走っていく。
「え、おい?」
テルがそう言って慌てて走る。
すると、ショウは険しい表情をしてテルをひっぱると自分の背後にテルを隠した。
その後にアヤが隠れる。
「誰かいる。」
ショウがそう呟き柱の出っ張りに隠れながら先ほどの広間を眺める。
するとなにやら金属同士がこすれるような音が聞こえてきた。
息を呑んで広間を見つめる3人。
「侵入者が入ったってか?」
何か人を馬鹿にするような声が静かな地下に響き渡る。
「どうやら敵は一人らしく、大剣片手に乗り込んできた模様です。」
「ククク……それはもしや前1番隊隊長ではってか?」
白衣に身を纏い、眼鏡をかけた男と鎧に身を纏いその男についていく兵士の姿があった。
「でも私が来たからには逃がさないよってか?」
そう言って2人はテルたちがいる方とは違う階段からまっすぐの道へ進んでいった。
「行ったか。」
そう言ってショウが胸をなでおろす。
「さっきの人が、ここの親玉みたいね。」
「それに侵入者は前1番隊隊長って言ってたな。」
そう言ってテルとアヤが頭の中で考えようとする。
「やっぱり、ここは偽テラスの基地のようだな。」
ショウはそう言って背後のほうへ歩き出した。
「え? そっち行くのか?」
テルがそう言うとショウは迷うことなく頷く。
「おそらくさっきの奴はレグノ王国の軍隊長クラスだ。あのロウみたいにな。出会わないに越したことはない。だから、その侵入者が奴をひきつけている内に秘密を探って抜け出すんだ。」
テルとアヤはショウの言うことを理解し、ショウについて奥へと歩き出した。