あいついったいどこ行ったんだろう

この町に着くと突然姿を消した

私はあいつに助けられた

死に急ぐ私をあいつは止めた

あいつにもう一度会いたい



少女の目に飛び込んできたのは、まぎれもなくあいつであった。

あいつは銃を老人に向けている。

その銃は紛れもなく少女が渡したものであった。

少女はそれに気がつき、あいつであると確信を持つと同時に足が勝手に動いていた。

少女は走って二人の間に割り込む。

そして少女は槍を構え、老人の首元へと忍び込ませた。



「ア、アヤ!?」

テルはこの時、昨日見た夢もまた『ソグノ』であったのだと理解する。

「あんた何やってたのよ? 探したんだからね!」

アヤは槍を動かさず、そのままテルに背を向けたまま怒鳴る。

「わ、悪い……」

「で、これは何なの!?」

アヤは状況も分からぬまま槍を構えているのだ。

ただ、テルが銃を向けていたとの理由だけで。

ロウは何も言わずにアヤを睨むと、手を少し動かした。

「動かないで。刺すわよ。」

アヤにそう言われ、ロウの手が止まる。

「何があったの? ちゃんと説明してよね!」

「え……いや……」

しかし、テルは答えることが出来ず、無言でアヤのほうを見つめる。

アヤは背後のテルが気になり、一瞬テルのほうをちらっと見た。

それが仇となりロウがアヤの槍を掴む、それに気がつきアヤがロウの手を振り払おうと槍を振るが振り払うことができない。

「ファイアドーム」

ロウがそう叫ぶと炎がアヤの周りを包む。

しかし間一髪でテルが跳び、アヤをそれから助けていた。

テルがアヤを守るように抱え、地面を転がる。

「はぁはぁ……クソッ!」

テルは慌てて体勢を立て直すとロウへ銃を再び向けた。

「てめえ!!!!!」

テルはそう叫びロウに向け発砲する。

「シールド……」

銃弾はロウに命中したようにテルには見えたが、ロウは平然と立ったままテルを見つめている。

「何だと!?」

テルは驚いてもう一度発砲するが読まれていたのかロウは軽くそれを避けた。

「シールドでダメージを軽減したのよ!!」

アヤが起き上がり、槍の持つ方向を変えた。

「おいおい、町ん中で何やってんだよ!」

そこに大剣を持ったショウが騒ぎに気がつき現れた。

「これはいけませんね……」

そう言ってロウが手を皆のほうへかざす。

「ダーク・メテオ…」

直径10mほどの黒い塊が皆を包み込む。

轟音とともにクレーターが作られ、その中で倒れる3人。

「手荒ですが、お許しくださいテル様。」

ロウは少し悲しそうに、倒れるテルを見つめていた。