「サンドワームだ。」
「サンドワーム?」
「ワームの親玉みたいなもんよ!!」
3人を目がけてワームが突っ込んでくる。
「うをぉぉぉぉ!!」
テルは全速力で駆けて、サンドワームの攻撃を何とか避ける。
「ホント、だらしないわね。」
アヤは軽く避けると槍の持ち方を買え、先ほど話に出ていたルートのほうをサンドワームへ向けた。
「ウィンドボール!!」
アヤがそう叫ぶと風の球が槍から発射された。
それがサンドワームに当たり、サンドワームうめき声を上げ、砂の中へと潜る。
「まだだ!来るぞ!!」
地鳴りがするとショウの足元の砂が盛り上がりショウが宙へと舞い上げられる。
「相手が悪かったな!!」
ショウは空中で体勢を立て直すと、ショウを喰らおうと大きく口を開けるサンドワーム目がけ大剣を思いっきり振った。
「孤高の斬[ここうのざん]!!」
刃がサンドワームを切り裂き、サンドワームはそのまま真っ二つとなり砂上に倒れた。
「つ、強っ!」
テルは何も出来ずにそれを眺めていた。
「あんたさ、生きるために飛び出したんじゃなかったの?」
アヤが呆れ顔をしながらテルに向かって歩く。
「いや、その……えーっと……」
「まぁあんたには感謝してるけどね。」
アヤはそう呟くと逆を向き、再び南に向かって歩き出した。
「えっ!?」
テルがそう言って固まっているとショウはクスクス笑いながらテルの前を通り過ぎていった。
「なんだよ……」
テルは面白くない顔をしながら後を追って歩き出した。
「まぁ気づくことだな。」
「何が?」
テルの質問にショウは笑うだけで何も答えてはくれなかった。
そして歩くこと1時間。
途中、何回かワームに襲われるも、町の中で戦ったときほどは頻度は少なく、またショウが一人で片付けることが多く、順調に進んでいた。
「さぁ着いたぞ…ここが港町ボルトだ。」
3人の目には青い海と静かではあるが栄えている港町が目に入った。
かもめが空を飛び、雲は流れと平和そのものであった。
「あんたの言うとおり、こっちのほうが生きれたわね。」
そう言ってアヤが後ろを振り向くが、そこにはテルの姿は無い。
「あれ?」
アヤとショウが慌てて周りをキョロキョロするが、どこにもテルの姿はなかった。
「消えた……?」