愛しい君と出会って濁った僕の
言葉。
悲しいくらいどうしようもなくて、逃げ道は塞がれたからそれでも進むしかない。
かつて読むだけでは飽きたらず、自ら書いた物語。
あれは私の空想の全てで、同時に私の思いの全て。
綴る言葉を無くしてからは、自己表現の類が全て遠のいた。
絵も、楽器も、写真も、思うように出来なくなって、楽しいと思うことがなくなった。
頑なな現実主義者を愛した夢想家の絶望。
されどもどちらを捨てるかと問われれば、愛してしまった存在は何よりも重く、同時に「愛してしまった」という後悔に苛まれる。
本当はもっと、私が私のまま誰かを愛せたら良かったのだけれど、私は彼を選んでしまった。他はどうしても見る気にさえなれなかった。
一番愛しい人を捕まえて、何より愛しいことを手放した。
自分の感性、世界、色。
私は水(魚座)で、彼は土(乙女座)。
エレメント的には相性は良いらしい。
でも水は、土の型に囚われて、少しずつ濁って本質を失う。
無形の自由さ、澄んだ透明さ。
これを失えば最早、水とは呼べない。
2012-9-22 08:13