用語文月学園(ふみづきがくえん)
本作の舞台となる高校。革新的な学力低下対策として「試験召喚システム」を初めて導入している。進学校であると同時に最新技術の「実験場」としても扱われており、多くのスポンサーが付いているため生徒の学費は極めて安く抑えられている。
しかし生徒を大量に取られたことから近隣の高校からは目の敵にされており、また試験校のため運営が世論に左右されやすく不祥事をあまり大っぴらにできないという問題点がある。
召喚獣
化学とオカルトと偶然によって完成した「試験召喚システム」によって姿を現す、召喚者をデフォルメした姿の分身。全長は80cm程。文月学園のテストを受けた人間が、当該科目の召喚フィールド内で起動キー「試獣召喚『サモン』」を詠唱することにより出現する。
テストの点数に比例した強さを持ち、召喚獣による「設備の異なる教室状況」を改善するためのクラス間抗争「試験召喚戦争」(通称「試召戦争」)の手段となる。
たとえ1桁の点数でもゴリラ並みのパワーを持つが、「観察処分者」を除く一般生徒の召喚獣が触れることが出来るのは原則として他の召喚獣や仮想体だけである。しかしアニメ版では「召喚獣が並んだフィールドは生身では通れない」など相違点が見られる(明久や教師以外のキャラの召喚獣が召喚者の頭に乗っていた事もある)。
召喚獣の声は召喚者の声よりずっと高い。
テスト
試験召喚システムに対応した学力試験。通常のテストと異なり点数上限が存在せず、時間内であれば無制限に問題を解くことができる。基本的には「1科目につき400点以上」が成績優秀者の目安となる。
現在確認されている教科は現代国語、古典、数学、物理、化学、日本史、世界史、現代社会、英語、保健体育の10教科に加えそれらの合計である「総合教科」の11教科である。ただし「総合教科」の点数は、センター試験を意識した点数配分が行われるため純粋な合計ではないこともある。
召喚フィールド
召喚獣は、教師の展開する半径10メートル程度(個人差あり)の召喚フィールドの中でのみ使用できる。なお2つ以上のフィールドを極端に近い位置で展開すると、フィールドが互いに「干渉」し消滅する。
戦闘システム
テストの点数は召喚獣のヒットポイントのようなものに変換され、攻撃や防御をするごとに減少する。点数が0になった召喚獣は「戦死」し、戦死した召喚獣の召喚者は試召戦争終結までの間、補習室送りとなる。テストの点数は自動回復しないが、別室で「補給テスト」を受けることにより点数を回復することが出来る。
実戦では操作の習熟や戦略・戦術により、点数差が覆されることもしばしばである。
腕輪
テストの点が単科目400点以上の生徒の召喚獣には「腕輪」が与えられ、点数を消費することで腕輪に対応した特殊能力が使用可能になる。
物理干渉能力
「観察処分者」と教師の召喚獣は物理干渉能力を持っており、荷物運びや物体の物理的な破壊などを行なうことが出来る。しかし物理干渉能力を持つ召喚獣は、召喚獣に与えられたダメージに対するフィードバックがある。これには荷物運びによる疲労なども含まれるため、そういった教師の雑用は「観察処分者」が行なうことになる。
これは試験召喚システムの調整によって変更できる設定で、召喚野球大会においては一時的に2-F、3-A両チームにフィードバックを適用した。
文月学園におけるクラス設備の奪取・奪還および召喚戦争のルール(1巻より抜粋)
一、原則としてクラス対抗戦とする。各科目担当教師の立会いにより試験召喚システムが起動し、召喚が可能となる。なお、総合科目勝負は学年主任の立会いのもとでのみ可能。
二、召喚獣は各人一体のみ所有。この召喚獣は、該当科目においてもっとも近い時期に受けたテストの点数に比例した力を持つ。総合科目については各科目最新の点数の和がこれにあたる。
三、召喚獣が消耗するとその割合に応じて点数も減点され、戦死にいたると0点となり、その戦争を行っている間は補習室にて補習を受講する義務を負う。
四、召喚獣はとどめを刺されて戦死しない限りは、テストを受けなおして点数を補充することで何度でも回復可能である。
五、相手が召喚獣を喚びだしたにもかかわらず召喚を行わなかった場合は戦闘放棄とみなし、戦死者同様に補習室にて戦争終了まで補習を受ける。
六、召喚可能範囲は、担当教師の周囲半径10メートル程度(個人差あり)。
七、戦争の勝敗は、クラス代表の敗北を持ってのみ決定される。この勝負に対し、教師が認めた勝負である限り、経緯や手段は不問とする。あくまでもテストの点数を用いた戦争であるという点を常に意識すること。
その他のルール・慣習
上位クラスは宣戦布告を断る事は出来ない。上位クラスは試召戦争によるメリットは特別の事情を有しない限り無いため、布告した生徒は上位クラスの生徒達にしばしばリンチを受ける。敗北した側が下位クラスだった場合、下位クラスの設備が1段階下がる(Fクラスの場合、ちゃぶ台&畳からみかん箱&ござ、その下は画板&シートになる)。逆に上位クラスが敗北した場合、下位クラスと教室設備が入れ替わる(通常は使用されないが、上位クラスが勝利した場合に、勝利したクラスが望めば下位クラスのランクダウンした設備と設備交換の権利を行使することは可能)。
基本的に代表を討ち取るまで戦いは続くが、両者が望めば勝敗なしでの終結も可能。そのためクラス代表が撃破された場合でも、撃破した側が敗北設備を交換か条件を呑んでの引き分けなどの二択を提示した場合、勝敗なしでの決着もあり得る。
勝敗が決した場合、負けたクラスは3ヶ月の間自分達から試召戦争の申し込みはできない(ただし、勝敗が発生しなかった場合は適用されない)。これは負けたクラスがすぐに報復を行うことによる泥沼化を防ぐ為。
両クラスの合意の上で且つ、テストの点数を用いていれば別の方法(代表を選出しての「一騎打ち」、通常と違う「小学生レベル」かつ「点数上限あり」のテストなど)での勝負も可能である。
戦争に負けてランクを落とされた設備は学期が変わる毎にリセットされる。
試召戦争が行われている間は、クラス代表は居場所を公開する義務がある。
その他
1学期終了時にはシステムの調整に失敗したことで「オカルト」の部分が強調されてしまい、召喚獣の頭身がリアルになった上で怪物化してしまうという不具合が発生した。どのような怪物になるかは召喚者の特徴や本質によって決定される。
また学園長の意図的な調整により、体育祭用の「野球装備」やシステムテストと称した「前意識に近い領域を読み取ることで、召喚者の本音を口に出す」「二人以上の召喚者の間に生まれる子供を想定した召喚獣を呼び出す(なお、ペアとなる者の性別・続柄は考慮されない)」などの仕様が登場している。
アニメ第1期第8話では根本が召喚管理システムに干渉した際のアクシデントが原因で召喚獣が暴走を起こした。その暴走の際、姫路と島田の召喚獣はサキュバスの姿をした姫路と島田の姿に、坂本の召喚獣は裸の上半身に学ランを着た坂本の姿に(土屋が召喚獣を召喚したところ、土屋の召喚獣に性的接触を行った)、翔子の召喚獣は裸エプロンの姿をした翔子の姿に、土屋の召喚獣は新撰組の羽織を着た土屋の姿に、秀吉の召喚獣は犬の耳と尻尾の付いた赤ずきんの服装の秀吉の姿に、明久の召喚獣は通常の召喚獣の姿で場所を問わず学園を埋め尽くしてしまうほどに大量増殖した。また、土屋がサキュバスの姿になった姫路の召喚獣の胸にカメラのレンズを押しこんで撮影したところ、召喚獣の骨格(人間と同じ骨格)がフィルムに収まった。
観察処分者
学生生活を営む上で問題のある生徒に課せられる処分。基本的には教師の雑用係でありバカの代名詞。
文月学園史上でこの処分を受けたのは明久のみ。
雑用をこなすため、観察処分者の召喚獣は特例として物に触れることができる。このため壁を破壊するなどの行為も可能だが、召喚獣の受けた痛みや疲労は召喚者にフィードバックされる。
白金の腕輪
新たに開発された試験召喚システムの補助アイテム。召喚獣ではなく生徒が装備する。起動キーを唱えることにより、召喚システムに介入する効果を発動する。ただし設計上のバグにより、使用者の点数(総合科目)が一定水準を越えると暴走するため低得点者しか使えないという欠点を持つ。召喚大会の賞品とされたが、この不具合発覚に伴い低得点者である明久・雄二に回収が命じられた。
アニメでは代理召喚機能のみの「黒金の腕輪」が登場し、宝探しの景品として明久、雄二、秀吉が手に入れたが、不具合のため雄二と秀吉のものは起動直後に爆発、明久のものは正常に機能していたが、明久が勉強して点数を上げた事によって壊れた。
同時召喚型
明久が所有する。
使用者の点数を二分してもう一体召喚獣を呼び出す機能を持つ。ただし主獣(メイン)と副獣(ダブル)2体の動きを一人で制御しなければならないため、操作には多大な集中力を要し長時間の使用は厳しい。
総合科目の平均点程度で暴走するため、現状では明久しか使用する事が出来ない。
起動キーは「二重召喚『ダブル』」。
代理召喚型
雄二が所有する。
使用者の点数によって範囲が変る召喚可能場(フィールド)を作成する機能を持つ。このため教師の立ち合い無く召喚獣を召喚することが可能。使用する教科はランダムで設定される。起動するためには点数を消費する。
起動キーは「起動『アウェイクン』」。
バカテスト
原作小説において章と章の間に挟まれるミニコーナー。校内で出題されたペーパーテストに対する生徒の珍回答と、それに対する教師(声:津田健次郎)のツッコミを纏めたもの。基本的に「問題→姫路及び上位クラス生による模範解答→バカ回答」という流れ。作者曰く「一番書くのが大変なコーナー」[1]。その為か、巻が進むごとに「校内新聞」などの他のコーナーに取って代わっている場合が多い。なおこの問題を作成するために、作者は実際に高校レベルの問題集を購入しているという。アニメではAパートとBパートの間(CM前に問題文、CM後にそれぞれの回答)と次回予告で登場する。
ムッツリ商会
康太が学園内で秘密裏に運営している個人商店。彼が合法・非合法を問わずに撮影した写真、及びそれらをブロマイドや抱き枕カバーなどに加工したものを生徒へ販売している。主力商品は可愛い女子生徒の写真だが、玲や自分の写真も販売対象となっている模様(ちなみに写真の値段は、アキちゃん(明久)は100円。秀吉は500円)。また男子生徒の写真も一部では常連顧客が付くほどに好評で、最近は売れ筋が読めない状態。
FFF団
Fクラス内に存在する異端審問会。会長は亮、明久は1級審問官。協賛はムッツリ商会で報酬として月一回1AP(AKICHAN photograph)支給、5APで1HP(HIDEYOSHI photograph)と交換可能。
団員は全員黒覆面と黒マントを着用し、(試験召喚戦争中にFFF団に変わると、召喚獣も黒覆面と黒マント、武器も鎌になる)優子曰く「どこかの武装派宗教団体」。背信行為(秀吉含む女子生徒への抜け駆けアプローチ)や女子から好意や興味を持たれている者が判明すると何処からともなく出現し、粛正する。その行動力・統率力はすさまじく、対象者が逃走した場合即座に編隊を組んで捜索を行う。しかし母体がFクラスの為、別の粛正対象が現れると簡単に対象を変更する。
標的は主に明久と雄二だが背信行為を行った者は会長であろうとも粛清対象とし、さらにアニメでは他クラスの根本をも粛清しようとした(その時のFクラスの召喚獣は10000点も消費させる道連れ攻撃をした)。
また、最近は校内新聞に人員募集の広告を出すなど活動範囲を広げつつある。元ネタはKKK。