「あー…木村さんと結婚したいなぁ……」


『アカンアカン。
なんであんなヒトのために一生無駄にせなアカンのよ』


ねぇ…今なんて?


あんなヒトって

まさか木村さんのこと言ってるの?


『カメラ屋なんか給料少ないのに、生活できへんわ』


ねぇ……木村さんの何を知ってるのよ


あたしだって

すべてを知ってる訳じゃないよ?



だけど


だけど


木村さんの頑張りは、他の人より見てきたつもり



あたしが振られた理由も


『仕事が大事』だからなんだよ?



木村さんのこと悪くいわないで


木村さんは


あんなにも熱心に働いて


優しくて


格好良いんだから



あたしは


お金があるからって幸せな結婚できるなんて思えない


『世間出たらあんな人よりもっといい人見つかるから』


なんで分からないの


木村さんは


この世界でたった一人しかいないんだよ?



あたしが好きなのは

木村さんが木村さんだから


格好良いから好き、じゃなくて

木村さんだから格好良いって思う


木村さんが木村さんだから

それだけなんだよ



代わりなんていないんだよ

木村さんは世界中でたった一人なんだよ



なんでそんなこと言うの