ゆんの部屋

点字を指で読む



考えてみると、いや、考えなくても凄い事だ



ちょうど瞳くらいの面積を持つ指の腹には敏感な神経が集中する



工業製品の開発に携わる職人が、試作品に白い手袋をはめ、撫でてチェックする姿は皆さんも見た事があるだろう



近代技術も最終的には掌の感触に委ねられるのである



千分の一ミリの歪みも見逃さない鋭い‘手のひら’の感覚



手袋をはめるのは、その敏感過ぎる感覚をわざと鈍らせる為なのだそうだ



‘目は口ほどにものを言う’とはよく言うが



手は‘目’以上にものを見極める



もちろん、掌はカタチだけでなく、触れると温もりや優しさも感じとる事が出来る



今宵愛する人と手を繋ぎ、その敏感な掌でお互いの心を見つめ合ってみてはいかがだろうか

「まぁ、電話の内容からして大丈夫そうだったし、仕事も抜けれなかったのよ。課長のほうが心配してて‘帰らなくていいの？’って何度も言われたわ」




「えぇ〜っ、駆けつけて欲しかったナァ、」




「子供たちとかだったらすぐに行ったかも(笑)。あ、それよりあなた、今夜は別部屋に寝てちょうだいね」




「えぇ〜っ、俺、頭打ってるんだよ〜。急に容態悪くなるかも知れないじゃん。危ないじゃん〜、、」




「心配ないわ。私がしっかり二時間おきに巡視するから」




「えぇ〜っ、」


〜ご心配ありがとうございます。明日、整形受診予定です〜