歯磨きをしながら鏡を見る



鏡の中でしきりに歯ブラシを動かす私がいる



姿はそっくりだが、これは私ではない



利き腕どころか、心臓まで反対なのだ



時おり不敵な笑みを浮かべる



三面鏡で分身



鏡から目を反らす、偽物の私たち



音も心もないパラレルワールド



冷たい目をする、もう一人の私



鏡に映し出される真逆の心




‘おや?、俺が気に入らないのかい?。俺はお前なんだぜ’




仲良くやろうじゃないか




分身の私がそう言って笑った