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音楽ジャーナリスト鹿野淳が立ち上げた音楽メディア人育成学校「音小屋」の一期卒業生公式ウェブサイトです。
電車を乗り継ぐ。合同説明会へ向かう。人、人。朝日が昇りきらない時間に自宅を出た。朝なのに、休日なのに、東京という街は人しかいない。数社聞いて飽きる。人が少ない所へ行きたくなる。そろそろ、千葉へ向かおうか。
音小屋を卒業して半年経つ。自分では動いているつもりでも、周りよりは劣っている。自分というものがわからなくなりながら、4期の二人と会った。一人とは初めまして、もう一人とは久しぶりと会話をする。電車も人も初めまして。これから会う企画者の金子くんも、初めて会う。初めての人から初めてお金をもらう仕事をするって変な感覚だな、と考えながら幕張を目指す。幕張は…、うん。初めてじゃないね。初、と考えていた。
SPROUT UP2012。12月6日と8日に開催された。私は授業の関係で8日に行かせてもらった。MOROHAもワイコも初めて。電車の関係で最初からは聞けなかった。既にワイコの歌声が、かき鳴らされたアコースティックギターとともに会場を埋めていた。橙色、ACIDMANであれば赤橙のような色。電車からこぼれる夕陽のようだった。生きているうちに何人の人に出会えるのだろうか。もし電車に乗っていたときの人知り合いだと仮定したら、すごい数になる。もし、そんな電車で出会えた人と長い年月の交流を持てたのならば、それだけで財産だ。だが、私たちは孤独だ。みんな、認識しない、ただの他人だ。他人だから、みんな、知らない。でも、ちょっとした時に幸せになるのだ。そんな他人との生活でも。あったかい気持ちになるのだ。
開始3秒で涙が止まらなかった。それこそ、一人で二階席に行ってよかったと思った。1階席にいる友達を見ると、最初からテンションMaxだ。チケット取れてよかった、と感じてしまった。そう、遂に、UNISON SQUARE GARDEN TOUR2012「誰かが忘れているかもしれない僕らに大事な001ツアー」のファイナル公演だ。
個人的にユニゾンのライブは暑い時期に行くことが多いので、まさかこんな木枯らし1番が吹くような日に渋谷公会堂まで出向くとは考えていなかった。指定席だからこそ、自分の足元が確保されている。居場所がそこにはあるから、メンバーと自分という一対一のライブのように感じられる。もちろん見渡せば人、人、人、だ。公会堂が埋まっていた。2階だからこそ、よく見渡せる。各々自分を表現しているなあ、とのんきに眺めていた。ライブの数だけオーディエンスはいる。そのオーディエンス以上に、楽しみ方はたくさんある。好きなように暴れてくれ。今日だけは、いいよ。
一番印象的なのは鈴木のドラムソロから入った「三日月の夜の真ん中」かもしれない。好きな曲、とか、センチメンタルピリオドでベースの田淵がミスをして舌を出して笑いながら弾いていたとか。アンコールのオリオンをなぞるで、それはもう体当たり的に全て吐き出しているように見えた、とかたくさんあるが、なによりも真っ先にあのドラムソロが離れない。