いいたいことがあるから伝える。
来年があるのなら、行きたい。
ライブ、フェス、だけではない。
音楽の力、という存在を感じる。
アーティストをただ見にきた、というフェスでもない。
何かが違う、何だろう。

　きっと、この場にいる人のほとんどは、実際に震災を体験したことがない人たちなのではなかろうか。
私は91年生まれだが、その年代でさえ、記憶に残っている人は少なくなってしまうのではなかろうか。
もし、そうだとしたら、今年、来年、「復興」以外に何を伝える必要があるのであろうか。
もし音楽で「復興」を目指すのであれば、普段のライブで募金を集めることだってできる、それなのにチャリティーフェスを毎年、少なくとも8年間行ってきたわけとはなんだろうか。

　実際、足を踏み入れたわけではないから、Ustreamの放送を見て、勝手に行ったことを想像していた。
一番感じたこと、今日だけは、このカミコベの日だけは関西（神戸）を考えられる日、関西出身でない人は地元を考えられる日、なのではなかろうかということ。
震災云々ではないのかもしれない。
震災があったからこそ、大事にできるもの、こと、存在が、彼らにはあるのではなかろうか。
この日に神戸に行けなくても、こうしてインターネットを通じて神戸を感じることができる。
音楽を演奏することによって、元気付けられ、楽しい気持ちになれる。

　普段、学業や生業で地元から離れる人は多い。
私もこれから地元を離れる身である。
そんな時、ふと、こういうフェスがあるのなら、ちょっと帰りたくなる。
地元を思ってくれるアーティストがいる、ということがどれだけ地元民にとって誇りであろうか。
もし帰れなくても、こうしてインターネットの放送があることによって、ライブを感じることができる。
それが明日への活力へとなるのである。

　私は今年初めてこうしてインターネットという力を使い、カミコベをみた。
途中、フクザワさん（@fuku_zawa）のツイキャスをみた。
芝生で行われたのんびりとしたイラスト描き。
たった20分足らずの配信だったが、それを生で見るオーディエンスの顔は笑顔だった。
きっと会場はものすごく自由なのだろう。
会場に入場規制がかかろうと、ふらふらすればそれだけで楽しめる。
無料だからこそ、行きやすい。
余計、空気を自由にさせるのだろう。
だからこそ、運営委員会がどれだけ努力しているのだろうか、と考えてしまうのである。
一人ひとりの努力の賜物だろう。
きっと、ここまで関西が復興した、また震災があったことを普段感じさせないくらい「普通」を保てているのは、こういう一人ひとりの努力が積み重なったからなのではないだろうか、と考えるようになった。
よくしよう、がんばろう、いいものにしよう、そういう気持ちの積み重ねが、今日のオーディエンスやアーティストの笑顔へと繋がったのではなかろうか。

　きっと、今頃片付けを行っているのであろう。
お疲れさまです。
感動をありがとうございました。
今日はきっとゆっくり休めないのだろうけど、ゆっくり休んで、明日の後夜祭も楽しいステージを運営していただきたい。

　
　アルカラからガガガＳＰの流れが最高だった。
SiMだってさわやか倶楽部だってよかった。
だが、地元出身のアーティストという力が大きかった。
そう考えると、キュウソネコカミはどんなライブを行ったのだろうか。
とか、ゾクゾクしながら画面を見つめていた。
まだ、神戸のバンドは出てくる。
来年はどんなアーティストがアルカラの枠に来るのであろうか。
そういう意味でも楽しみで仕方がない。
たった20分という短い出演時間に当てるMC。
言葉が重たかった。
音出し時間も惜しまず演奏に当てる。
「やっと出てきた」というガガガSP、コザック前田の言葉が染みた。

　まだ今年のフェスは始まったばかりであるし、楽しみ方は様々である。
来年はお金を握り締めて、きちんと募金がしたい。
こんにちは神戸、これからも続いてね、神戸と。


あいり【@airbapr2】