スポンサーサイト



この広告は30日以上更新がないブログに表示されます。

恐怖の大王はたしかにやってきたのだ

始めて吸った赤マルに激しくむせて、目頭が熱くなった。肺がぴりぴりして足先まで小さく痺れた。
高校を卒業したばかりの18の春、すべてに嫌気がさしていた。

やりたいこともやるべきことも見えなくなるほど迷走していた。
たぶん、心も頭もからっぽだった。
ぼくたちはそんなからっぽを埋めようと、朝から晩まで夢を語り合った。
なにもないから夢を語ってごまかした。明日を生きたくないから過去のことばかり話した。
立川南口にあるルノワールで酒も呑めないぼくたちは毎日のように酩酊した。
夢と過去に泥酔した。

中央線車内のスーツと制服に吐き気がして、これから数十年と繰り返されていくであろう日常という重さに眩暈を覚える。
逃げ出す気力も勇気もなかったぼくは粛々と家路を戻り、恐怖の大王に祈るのがせいぜいだった。


99年7月。
ぼくは発病した。
怠慢に浸っていた罰が下ったのかもしれない。
14の頃から待望していたこの日がこんなかたちで訪れるとはなんとも皮肉に満ちた、滑稽な話だ。


1999年7の月。
恐怖の大王はたしかに爆裂した。
ただ、ぼくの頭上だけでね

さよなら、No.9

公団を通る歩道は古ぼけた石畳で舗装されている。
1ブロックごとに色が違うだけの単純なモザイク模様の施された歩道。その模様すら均質でなく、所々まだらに歪んでいる。

今日は黒い石を踏まない、例えばある日そう決めていた。
不揃いなモザイク模様は場所によって片寄り、ぼくはたびたび小さく跳ねてその模様を避けた。
1ブロックずつきちんと歩き、不要な模様は踏んでならないとルールを決めて。
着地した先が水たまりでも構わなかった。靴下まで濡れてしまうことより、ルールがなにより優先された。
黒い模様は地雷のようだった。
そのモザイクを踏んでしまえばぼくの身体は木っ端みじんになる、そう思っていた。あるいは落とし穴で、足を掛ければ地の底に飲み込まれる、とも。

何故そう思い込んだのかわからない。
ただ、ルールは絶対だった。
ぼくはたびたび木っ端みじんになったり、地の底に飲み込まれた。
でも、“死んでしまう”となぜか充実した気持ちになったことを覚えている。


ぼくが子供だったころ、いつも不思議だった。
夏の大きな雲、陽が暮れるころ伸びる影、いくら逃げても遠ざからない太陽…
不思議なことばかりだった。


いつしか不思議なことはなくなってしまった
不思議だ、とさえ思わない自分がすこし不思議だけれど

午後5時、夕日の見える窓際席で

街に似つかわしくない大きなロータリー、長崎屋、西友、ありきたりなファストフード数店舗――武蔵小金井駅北口を降りると東京多摩らしい名前のない風景が広がっている。
そんな寂れた駅から5分ほど歩くと2階建てのモスバーガーがあった。
10年以上まえ、僕が高校生のころ、学校帰りにそのモスバーガーに寄ることは特別な時間だった。
夕方5時のその店はいつも僕ひとりきり。お気に入りだった窓際席に座ってMDのスイッチを押すと、世界に自分ひとりになったような気持ちを覚えている。
西日が差し込む窓際で古本に目を落としたり、走り去る中央線を眺めていたり。
毎回変わらないメニューを食べながら。夕日が沈むまでそうしていた。

そのモスバーガーは今はもう潰れてしまったらしい。
武蔵小金井駅も線路の拡張工事や駅前開発をしていると聞いた。
しばらく帰らないうちに駅前は変わり、僕の知るあの街のあの駅前はなくなってしまったみたい。

僕の知る武蔵小金井駅は、思い出のなかだけで再生される。
そのうちに色はかすれて、映像も擦り切れてしまうのだろうけど

道は忘れてしまった

忘れてしまう道がある。
地元の道はほとんど忘れてしまったかもしれない。目を閉じて思い返しても、道は途中で霞みがかったように白く見えなくなる。あの図書館へのあの近道も、あの店へ続く静かな細道も、記憶のなかで淡く濁っている。

自転車が好きだった。
遠くへは行けないし不便なところもあるけれど、気持ちの良い道でペダルを漕げば、生きていると実感できる。
国分寺への道中はいつも学芸大学を通り抜けていた。東門をくぐると延々といちょうが並び立ち、すこし走れば新小金井街道の喧騒はすっと音をひそめる。
小金井公園の賑やかな新緑や通学路沿いに咲いた金木犀や誰も知らない公園、お気に入りの場所はいくつもあったけど、今でははっきり覚えていない。公団を天幕のように覆うあの桜の香りも、花弁の手触りも消えてしまった。

記憶から遠ざかることはオレと無関係に近付くことなのだろう。
楽しいことも嫌なことも忘れてしまったなら、それははじめからないことと同じなのかもしれない。
そう考えると些か救われる気もする。

閑話休題

・「アスファルトとコンクリートとアニメについて」
タイトル通りです。
ブギーポップ、lain、エヴァ等に描かれる都市の背景にコンクリートや電柱といった人工物の印象が強いのは何故か、というようなことを語ります。
掘り下げられるなら、セカイ系アニメと背景の考察にしたいけど、実力的に難しいね…。

・「オレの嫁について」
時系列順にオレの嫁を列挙して、まとめとして比較、考察しようかなと。こちらは頭の中で練り上がってます。すべての嫁は書き出せないので、アニメの嫁だけですが。

・「ニコニコ動画について」
ちょうど一年前からきちんと見はじめたニコニコ動画ですが、新参からの視点から語ろうかなと。ただ、下手なこと書くとなだれ込まれる可能性がありますね。

・「エヴァ以前に観ていたアニメ」
2chではあまり語りませんでしたが、オレがエヴァ厨になるまえのアニメ観についてです。

・「オレはアニメよりテレビが好き」
タイトルが定まりませんがそういうことです。
オレはアニヲタのふりをしていますが、実のところただのテレビヲタです。
90年代からのテレビについて語れば終わりがないので、どこに焦点を当てて書けばいいのかが問題です。

・「天皇について」
マイブームです。
しかし、これについては本を読めばわかることしか知らないし、オレなりの天皇論があるわけでもないのでやめますか。
あったとしても、ナイーブな話なので軽く誤解を与えそうですし。外部ry

・「ゲームについて」
ドラクエのトラウマ話はつい先日2chに書いたので、FFの世界観の変遷についてでも軽く語りましょうか。4〜10あたりまでのFFなら多くがプレイしてますし。
90年代のゲーセン風景でも良いですね。格ゲー最盛期でもありますから。


いま書けるものは以上だと思います。
書いて欲しいことがもしあればコメントください。以上のネタに一票下さってもありがたいです。
前の記事へ 次の記事へ