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第2章 発動篇

いろいろなことから逃れて、感傷や自慰に耽る時間も必要だったりする。でも、そこに留まり続けることは自分にとって害にしかならないときもある。
つい先日までガチに引きこもっていた。約二ヶ月のあいだ、人と会わず話さず、ほとんど外出さえしなかった。思考だけが回転して、おれはあるとき神になり、またあるときは塵芥になり、そして機械仕掛けの人形にもなった。
心臓が歯車になり、カタコトと音をたてながら回りはじめたときに、このまま進めば確実に狂うと思った。でもおれを現実に引き戻させたものがあった。それは、おまえの人生スカだったのか?という問いだった。おれは、このままスカで終わりたくない、と思った。

感傷に耽るだけの時間は終わり、おれは先の問いにたいして応えられるように生きてみようと考えている。
人生にたいして一転攻勢になったわけだ(TDN的に言うと)。つまり、しゃぶれだァ?コノヤロウ、てめぇがしゃぶれよ!←今ココ

感傷的な側面を否定するだけでなく、その反復を恐れず、加えて新しい問題に対応して初期感覚を設定し直す、といったように清濁あわせ飲む態度が肝要かなあと。中学生でもわかる話しなんだけどね…。

長々と書きましたが、やっとぼくは中学校に入学出来そうです!

鞄にフレンチポップ

幼かったころに聴いた印象が残っていて、CDを買うようになってから聴きはじめた洋楽はフレンチポップだった。
高校から電車通学になり、暇な移動時間はいつもMDをかけていた。アニソンと流行りの曲とフレンチポップが入ったお気に入りは何度繰り返しかけたかわからない。
ELSA/T'en va pas[動画]はこのころ特に好きだった。身の回りの音楽にはない軽さが心地良かったんだとおもう。
France Gallは、日本人がカバーした「夢見るシャンソン人形」で知ってから原曲を聴くようになった。歌は上手くないんだけど、声(とくに高音を頑張って出してる辺り)がかわいらしくて、そのロリータ感とともに萌えさせてもらった。
身体が成熟に至るまでのほんのわずかなあいだ、もっとも輝きを放つロリータ性がはかなげに散る桜のように思えて…いや、なんだかヤヴァくなってきたなw
いろんな意味で怒られそうだけど、オレはロリータに性的興味はありません。
オレと未成熟な少女たちが性的に無関係でいられるからこそ、そのひとときの美しさに興味が持てるわけです。
あああ…書けば書くほど誤解を招く気がしてならない。
とにかく、フレンチポップには名曲も多いので、機会があれば聴いてみてください。
ちなみにロリータ云々はぜんぶ冗談なので、ニヤニヤしながらスルーしてくださると幸いです。

思春期をこじらせるとこうなります、という見本

夕方にはもう何百人と行列ができていた。おれたちは映画館からずっと離れた銀行前の最後尾に並んだ。
97年、夏。エヴァ劇場版、前夜祭。
あの暑い夏の夜に、おれたち3人は青春のすべてをかけていた。
テレビ放送終了から1年半、中途半端に終わった春の劇場版から半年、殺生に近いほどの「お預け」をくらっていた、おれたちことアタマの悪い第三世代オタクこと動物化したヲタことビョーキのオトコノコたちは、完結編を股間の先から涙が出るほど待ち望んでいたのだ。
第1話に感動して胸が震えたあの秋の日、台詞を丸暗記できるくらいビデオをすり切らした受験前夜、最終3話前での新キャラ(フォモ)登場でテレビ画面にマジつっこみを入れた春休み、風呂敷を放り投げた最終2話に思わず失禁をしたうららかな春の夕方、綾波とアスカどっちが萌えるかで殴りあい寸前まで至った高校の入学式、裏読みしようと読めないみすず書房の専門書を買いあさった初夏、ヤンキーまでおれの元へエヴァのビデオを借りに来た初春のころ、「エヴァシリーズ、完成していたの?」→「魂のルフラン」(つづく)じゃあ春に見せんなよ!あまりの怒りで映画館の座席からたてなかった2回目の春・・・。
長くなったけど、おれたちはいろんな思いがあって97年の夏を迎えたわけで、会場前はすでに殺気立っていたように記憶している。

「なに並んでんの?」
銀行前で30代くらいのリーマンに声をかけられた。
「エヴァです」
おれたちは純粋だった。
「ああエヴァね(ヲタの祭典キモスキモス)」←一般的な反応
「へへ(やはり一般の認知度も高い!)」←エヴァを中心に世の中まわってると思ってるバカ

8階にある劇場内に入ったころには午前2時をまわっていて、緊張と睡魔でプルプル震えていた。上映が始まって、吐き気がマックスになるまで時間はかからなかった。エヴァシリーズによるアスカレイプは精神的にきた。アスカ復活のカタルシスから数分でぐちょんぐちょんに陵辱された反動はすさまじかった(明け方のテンションが低い状態で、大音量と大画面で鑑賞するもんじゃないね)。
そんな嵐が過ぎ去った後は「気持ち悪い」の終幕まであっという間に過ぎ去って、テーマ曲も流れないまま劇場が急に明るくなった。映画館のミスじゃないかと思うくらい、さっと幕が下りてしまっておれたちを含めた全員が呆然として、席を立てなかった。

係員に追い立てられるように映画館を後にしたおれたちは、お互いに何を話せばいいのかわからず、語り合う感想もまとまらないまましらけ始めた立川の町を歩いた。何を考えながら歩いていたのか、今でもよく覚えているし、ほかのふたりがおそらく何を考えているかもわかっていた。たぶん、お互いに。
「・・・・」
頭の中にはこれしかなかった。
確実に真っ白だった。おれたちは矢吹ジョーの半分くらいは真っ白になって、そのまま終業式のために登校した。

学校では、ほかのヲタ仲間がおれたちの周りに集まって感想をせがむ。
パンフを取り出すと、声はおおきくなった。
「で、どうだった?」
期待に目を光らせる頭の悪いヲタ。クソが。
「お、おもしろかったよ」
バカはおれでした・・・。

あの夏。「もののけ姫」の上映とともに始まった熱い熱い夏。
エヴァを終わらせるために生きた夏。
世界の中心でエヴァと叫んだ夏。
夏が終わって、ほかの奴らは決着がついたみたいに静かになった。
おれだけは、いまもこりずにあの夏のなかで生きている。
某氏には語ったけれど、おれはこんどこそ、新劇場版でおれのなかのエヴァを終わらせたいのだ。
第三新東京市の終わらない夏を終わらせたいのだ。
正直に言うと、早く人間になりたい・・・。

そして、今度こそ綾波とアスカと結婚します
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