朝、起き、身支度をし、玄関に立つ。
そこまでは何も変わらなかった。いや、変わってはいけないのだが。
ドアノブに手をかけ、戸を開く。
そこで、異変に気づく。
…寒い。
今日から一気に寒くなるとは聞いていたが、なんだこれは。
イヤホンを付けて歩いているものの、寒い。ぶつぶつ一人で何かを言ってしまうほどに。
バスの中が天国だ。
暖かさに瞼が…重く…
そして意識を取り戻せばそこは学校前のバス停、である。
ただ、言いたいことは、
何故教室の窓が開いている…
セーターを着ていて寒さを感じるのはせめて11月に入ってからにしてくれよ。
誰も聞いていない。
しかし、言わずにはいられないのが人のさがというやつか。
しかしまぁ、昼寝をするとどうしてこう体温が上がるのか…
起きたらすぐ冷めるのだが。
そのギャップで余計に冷えた気がして、結果的には損をしている気にもなった。
簡単に言うと、[授業中に寝るなよ、俺]
今朝と同じような感情の変化を、今度は学校の玄関で思い知り、一人、風が吹く中思うわけです。
今年も、鉄のような風が吹く季節になったな、と。
FIN.