俺が小さいとき、秋田の鷹巣ってところに住んでたときだ。 小学校に入る前の年、離婚で母親と一緒に東京に来たから、11年前くらいまえかな。 秋田で俺の住んでた家ってのが結構敷地あってさ、家の庭が畑も兼ねてたんだ。それは秋田とかの田舎になりゃ珍しいことでもないんだけどさ。 っで、たしかその畑の外れのほうの俺の家の敷地から少しだけ外れたところの林の手前に、ポツンと小さな小屋みたいな家があったんだよ。 俺がそこに近寄ると、軒下のほうで老婆座ってるのがわかったんだ。 そんで老婆も俺に気づいた。 「めんこいなぁどこからきた?」とか聞いてきたから、俺の家の建物を指差して「あっち」とかやりながら少し話してた気がする。 何を話してたかは昔というのと、しかも小さかったからさっぱり覚えてない。 っで、最後に「これもってけ」とかいって、ビニール袋にたくさんの飴玉(包み紙で包まれてるやつ。見た目がリボンみたな定番のあれだな)をもらったんだ。 そんな記憶がやけに印象に残っててさ。 っでそれを最近になってふと思い出して、今の俺の親父がまだ仕事から帰ってこない時間だったから母さんに「鷹巣の家でさぁ、庭の畑の外れの方に家なかったっけ?」て聞いてみたんだ。 そしたら母さん、「あぁ、あったねぇ、あれあんたが生まれるよりも少しまえに引っ越していったんだよね。そんで誰も手入れしないもんだから凄い勢いでボロボロになってたよねぇ。窓はないわカーテンは雨風で汚れて破けてるわで薄気味悪くなってたよねぇw」 ・・・あれ? ちょいまて、じゃぁあのときの楽しげな婆ちゃんは何だったんだ・・・。 今までほんわかな思い出だったのに、それ聞いてからちょっと複雑。 まぁ、未だに悪霊とかいう雰囲気だったとは思えないし、変な事もないから別にいいんだけどさ。 バイトして、夏休みにちょっと鷹巣の"元"実家にいってみようかなとも思ってる。 そんときは"元"祖父&祖母には気づかれないようにしなければいけないけど。 というか、10年も連絡とってないからわかるはずもないな。そういやひいばあちゃん、離婚したときですでに80くらいだったからもうなくなってるんだろうなぁ。 っと、最後どうでもいいところが混じってしまったが、こんな感じのが俺の体験した奇妙な話。