=救済者



17歳の誕生日。
私は失恋をしました――。

彼は泣きすがる私を置いて、どこの誰かも知らない女の子のところへ行っちゃった。

何が起きたのか分からないまま、ただ『失恋』という現実だけが目の前に突き付けられた。

悲しいとか悔しいとか簡単な言葉じゃ片付けられない気持ちが、うわーって押し寄せては泣いてばっかりいた。

そんなある日、あの子は突然やってきた。


明るくて優しくて、親友のような可愛いママが私は大好きだ。
何かあるとすぐ察知してくれる。

『はい、プレゼント♪』

ママは笑顔でみどり色の何かを手に持っていた。

失恋してから廃人みたいになってる私を心配して、元気づけようとしているに違いなかった。

でもみどり色の何かは、なんだか微妙だった。
よく見るとかっぱのぬいぐるみ。

『ありがとう。』

...なんでかっぱ?
そう思いながらもママの優しさに感謝して素直に受け取り、さりげなくベッドに置いた。

その日の夜、ずっと眠れずにいた私はなんとなくママから貰ったかっぱを抱いて横になった。

いつものように涙を流しながら目を閉じた。


―うーん..眩しい―

目を細めるとカーテンのすき間から朝の光が差し込み、スズメが朝を告げていた。

『あー!よく寝た!』

自分の口から出た言葉に私はビックリした。

..あれ?
私、眠れたの?

今までが嘘のように、朝までぐっすり眠れた。

横をチラッと見るとみどり色が転がって、こっちをキラキラした瞳で見つめていた。

昨日はあんなに微妙に感じていたのに、不思議とつぶらな瞳に吸い込まれそう。

その時私は確信した。

このみどり色はただ者じゃない。
『私の人生を変えてくれるかっぱだ。』


こうして、私とあの子は運命的な出会いをしました。

-川崎きゅう-

と名付けて何年か経った今では、みどり色とかっぱに人生を捧げています。

たくさんの喜びと幸せを運んでくれた救世主。

これからも、たくさんの幸せな道を一緒に歩もうね。


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はい。今回は大好きな友達、ちびこちゃんとのコラボレーション作品です*
だいぶ前に(なんで凹んでたかは忘れちゃったけど)気持ちが落ちてた時にちびこちゃんがくれた素敵なお話に色鉛筆で挿絵をつけてみました!

やっぱり文才があるってうらやましいです(*´`)
17歳の“私”にとって緑色の彼はピーター・パンだったんですね♪゛
それを原点に今のKyunさんがいるんだなぁって思うとやっぱりこの出会いはただならぬものだったんだって思う*゚


きっかけは皮肉にも失恋だったけど、逆に言えば逆境が最大の転機になるってことですし(*^^)

ちなみにきゅたろう氏は窓の外でなにをしているかと言うと、、朝を呼ぶために必死こいてお月様を追いやってます(笑)


ちびちゃん、あの時は元気の出るメールをありがと\^^/

絵本にするのに時間が空いちゃったけど..改めて感謝♪


     Kyun.