はいいろに染まれ

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偽物の優しさ

取り繕った
私の"優しさ"は
誰の心にも
届かずに消えるだろう
そんなもの
不確かなもので
支えられた笑顔
なんて醜いんだろう

ひとつ、ふたつ、みっつ、
私が手に入れたものは
ひとつ、ひとつ、ぜんぶ
ひとつも"愛"ではなかった

生ぬるいもの
私を包むもの
その中で みんな
曖昧なままの
私を見失い
側にはいつも
なんにもなかった

疑心暗鬼

正しい刃は
いつも痛く深く刺さりそう
なので心に鋼鉄の盾
仕掛けて待っていた

次はどんな剣が
次はどんな矢が

そうして
不意に差し出された
あたたかい手
僕のくすんだ心
最も深く抉った

どうして僕は
君の二つの目を
まっすぐ見つめられないまま
どうして君の
取り繕わぬ言葉
その優しさから逃げたまま

血の通わない
痛くも温かくもない
人間ぶった
輪のど真ん中
ひとりぼっち