無。

届かない

私の言葉は誰にも届かないのに
発した時から私の代わりに渡り歩く
解釈は言葉を歪め
その先にある私の姿は誰かによって組み立てられる
そういうことを言う人だ
こういうふうに思ってる人だ
背景は塗りつぶされて
経緯は手折られる
誰かの作った私も私
いつかは私となる私
そして私を殺す私
言葉は還る
意図しなくとも、誰かに向けなくとも
その恐ろしさに私は
いつも怯えている

うん？

昨日は大変足をお運びいただいたようで拍手ありがとうございます。

大小も功罪も

そんなことで、と仰るならば
その大きさの尺度を示してほしい
よくあることだ、と仰るならば
それが許されてきた訳を示してほしい

そう思うだろうキョウダイ

地獄ほど言葉を生むものはない

より美しく残酷に
誰かのために束ねられるものだ
その言葉が毒なら愛を
その言葉が刃なら慈悲を
その言葉がもっとも美しくなるのは
何もかもが削ぎ落とされて　
ただそれだけのために向けられたときだ

かもしれない

そんな仮定は過去の装飾品
未来への花飾り
かもしれないという希望は
過去において酷く優しい嘘だ