たぶん私



今気がつかないうちにめちゃめちゃ疲れているんだなあ


カチカチ夜の一雫



砂時計よりも軽快に
夜を運ぶ秒針は
落ちた涙を振り切るように
零した雫を思い出すように
音を刻んで巡っていく


苦しいときに溺れていたい




逃げ出したいなら一冊の本を
守りたいなら一曲の歌を
戦いたいなら一晩の眠りを
抱えたいなら一本のペンを



流れて何処かへ



歌うよりも
溺れるよりも
飛び込むよりも
沈むよりも

もっと自然に
何かを知る為に



すべての声が
私には呪いのように聞こえるのです
すべての言葉が
私には鎖のように冷たく痛みを与えるのです
すべての感情が、籠められた思いが
私には受け取る術はなく
私には理解できる経験もない

どうして生きていけるでしょうか
暗闇ならば痛くはないのに
針の筵なら痛みに慣れることができるのに
そのすべてが同じならば
絶望を疑うこともなかったのに

<<prev next>>